山梨中央銀行
山梨県甲府市にある地方銀行
株式会社山梨中央銀行(やまなしちゅうおうぎんこう、英: The Yamanashi Chuo Bank,Ltd.)は、山梨県甲府市に本店を置く、県内唯一の地方銀行である。店舗は東京都や神奈川県にも展開している[2]。
本店 | |
種類 | 株式会社 |
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機関設計 | 監査役会設置会社[1] |
市場情報 | |
略称 | 中銀 |
本社所在地 |
日本 〒400-8601 山梨県甲府市丸の内一丁目20番8号 |
設立 | 1941年(昭和16年)12月1日 |
業種 | 銀行業 |
法人番号 | 3090001002315 |
金融機関コード | 0142 |
SWIFTコード | YCHBJPJT |
事業内容 | 預金業務、貸出業務、有価証券売買業務・投資業務、為替業務など |
代表者 |
関光良(代表取締役会長) 古屋賀章(代表取締役頭取) 山寺雅彦(代表取締役専務) |
資本金 |
154億円 (2020年3月31日現在) |
発行済株式総数 |
1億7,491万5千株 (2015年3月31日時点) |
純利益 |
単体:34億30百万円 連結:37億64百万円 (2020年3月期) |
純資産 |
単体:1,957億64百万円 連結:1,996億61百万円 (2020年3月31日時点) |
総資産 |
単体:3兆5,135億27百万円 連結:3兆5,114億12百万円 (2020年3月31日時点) |
従業員数 |
単体:1,595人 連結:1,629人 (2023年3月31日時点) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
明治安田生命保険(常任代理人資産管理サービス信託銀行) 3.79% 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 3.71% 山梨中央銀行職員持株会 3.57% 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 2.92% 三菱UFJ銀行 2.48% (2019年9月30日時点) |
主要子会社 | #関係会社参照 |
関係する人物 | 市川文蔵 |
外部リンク |
www |
株式会社山梨中央銀行のデータ | |
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法人番号 | 3090001002315 |
店舗数 | 92店[注 1] |
貸出金残高 | 1兆4,959億10百万円 |
預金残高 | 2兆7,025億3百万円 |
特記事項: (2015年3月31日現在) |
経営
福岡中央銀行・静岡中央銀行と共に、銀行の中で「中央」の名称が使用されている、全国に3行しかない銀行のうちの1行である。福岡中央銀行と静岡中央銀行は、いずれも相互銀行から普通銀行に転換した第二地方銀行であり、旧名が、福岡相互銀行と静岡相互銀行であったため、そのまま「相互」をとった場合、既存の福岡銀行と静岡銀行との名称が同一になるため「中央」を名称に含んだが、山梨中央銀行は、当初から普通銀行であり、1941年から、山梨中央銀行の行名である。なお、「山梨銀行」は、静岡県にあったもの(明治15年設立、明治26年廃業)[3]山梨県内にあったもの(明治33年設立、昭和3年有信銀行に買収される)[4]が、あるが山梨中央銀行と山梨銀行が同時期に存在したことはない。
他行との関係
- 県内他行・他業態
- 山梨県に本店を置く唯一の地方銀行。同県内の他業態の地域金融機関としては、信用金庫(山梨信用金庫、甲府信用金庫)や信用組合(山梨県民信用組合、都留信用組合)がある。
- 地銀
- 2006年(平成18年)11月2日に、金融庁が、一時国有化された足利銀行の受け皿(スポンサー)候補の公募を行った際、 日興シティグループ証券が主幹事となって、横浜銀行・東邦銀行・山梨中央銀行および火曜会参加行(千葉銀行・常陽銀行・八十二銀行)を中心とした地銀と、日本生命保険、東京海上日動の出資で設立する持株会社(「地銀連合」)が応募するものの、最終的に、足利銀行の受け皿は、野村ホールディングスのベンチャーキャピタルを中心とした投資グループの出資で設立する持株会社となり、2008年(平成20年)7月に特別危機管理体制から解放された[5][6]。
- 2018年(平成30年)10月17日、富士山周辺の観光振興で横浜銀行、静岡銀行と連携協定を結んだ[7]。
- 2020年(令和2年)10月29日、静岡銀行と店舗や事務の共同化を盛り込んだ業務提携を締結[8]。
海外展開
沿革
- 1874年(明治7年) - 興益社設立。
- 1877年(明治10年)4月15日 - 興益社を母体として、第十国立銀行が設立される[11]。
- 1897年(明治30年)1月1日 - 普通銀行に転換、株式会社第十銀行に改組。
- 1941年(昭和16年)12月1日 - 有信銀行と合併、新たに株式会社山梨中央銀行が設立される[11]。
- 1969年(昭和44年)11月17日 - 現本店竣工。
- 1972年(昭和47年)10月2日 - 東京証券取引所市場第二部に上場。
- 1973年(昭和48年)8月1日 - 東京証券取引所市場第一部に指定(証券コードは8360)[11]。
- 1977年(昭和52年) - 創業100周年。
- 1986年(昭和61年) - 山梨中央保証設立。
- 1987年(昭和62年) - 山梨中銀リース設立。
- 1989年(平成元年)1月10日 - 本店別館竣工[11]。
- 1991年(平成3年) - ディーシーカードと共同で山梨中銀ディーシーカードを設立。
- 1992年(平成4年) - 山梨中銀金融資料館をオープン。
- 1993年(平成5年)
- 1996年(平成8年) - 山梨中銀キャピタル(現・山梨中銀経営コンサルティング)を設立。
- 2007年(平成19年)7月 - 八王子支店内に西東京推進部を開設[12]。
- 2010年(平成22年)3月31日 - 山梨中銀ビジネスサービスを解散[11]。
- 2011年(平成23年)1月3日 - 勘定系システムを日本ユニシス(現・BIPROGY)製「BankVision」へ移行[13][14]。
- 2012年(平成24年)5月17日 - 橋本法人営業所を相模原支店として昇格。
関係会社
連結子会社
- 山梨中央保証株式会社
- 山梨中銀リース株式会社
- 山梨中銀ディーシーカード株式会社
- 山梨中銀経営コンサルティング株式会社
営業政策
店舗展開
地元山梨県内には多数の支店を開設する上、東京都西部を準地盤としてとらえ、八王子支店に西東京推進部を設置するほか[12]、都西部には13か店を構えている。また、橋本法人営業所の相模原支店への昇格など神奈川県内での基盤拡充にも努めている[15]。
地方公共団体との取引
法人営業
上述のとおり、東京都西部には山梨県から進出した企業も多く、それらの企業を足がかりとして個人ローンと並行して東京都西部の事業所への融資拡大を進めている。
現金自動預け払い機(ATM)
- 自行ATM
- 設置場所は自行本支店のほか県内各市町村の役所や役場、オギノに設置されていることが多い。また、病院や企業の敷地内に設置されているケースもある。
- 他行ATM
- ゆうちょ銀行や都市銀行、全国地方銀行協会に加盟している地方銀行のATMからの現金預入れや引き出しはできるが、受けられないサービスもある。
- 2021年(令和3年)10月1日より静岡銀行とATMの相互利用が無料になることが発表されている[17]。
- コンビニATM
- セブン銀行の提携は、2006年(平成18年)1月23日から県内全域のセブン-イレブンおよびイトーヨーカ堂内に設置されているATMでサービスを開始した。また、2008年11月17日にはイーネット・ローソンATM(LANs)にも提携を始め、イーネットについては従来は都市銀行が管理していた10機のATMを移管。提携の段階で県内のローソンに設置されていなかったローソンATMについても順次設置され、2009年(平成21年)8月10日にサービスが開始された。その後、2011年(平成23年)6月22日には、山梨中央銀行はイオン銀行とのATM相互提携を開始し、これで全てのコンビニATMと提携したことになる。
情報処理システム
- 勘定系システム - 2011年(平成23年)1月3日、日本ユニシス(現・BIPROGY)製オープン勘定系パッケージである「BankVision」に移行した[13][14]。
- 融資・営業支援システム - 鹿児島銀行が開発にあたった共同利用型KeyManを導入している[19][20]。
→詳細は「鹿児島銀行#情報処理システム」を参照
実業団
実業団チームとして山梨中央銀行女子バレーボール部が活動している。
その他
- 1966年(昭和41年)に「甲府市の歌」が制定された際、当行がソノシート2万枚を寄贈し市内の全世帯に配布された。
- 裁判員制度において行員が裁判員に選ばれた場合は有給休暇取得を認めている。
- 2011年(平成23年)3月1日から5年契約で、山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場の施設命名権(ネーミングライツ)を取得。山梨中銀スタジアムと命名した[21]。2016年(平成28年)3月に5年契約を更新し、2021年(令和3年)2月末までこの愛称が使われていた[22]。
- ヴァンフォーレ甲府 (Jリーグ)のユニフォーム(袖)に「山梨中央銀行」のロゴで2015年シーズンよりスポンサーとなる。
- フジテレビ、テレビ朝日において、スポットCMを出稿する場合もある。
- 同県出身の卓球選手の平野美宇はスポンサー支援をしておりCMにも起用している。
脚注
注釈
- ^ 本支店・出張所・法人営業所・海外駐在員事務所。
出典
- ^ ガバナンス体制 - 株式会社山梨中央銀行
- ^ 店舗・ATMのご案内 山梨・東京・神奈川に広がる店舗ネットワーク山梨中央銀行ホームページ(2019年4月13日閲覧)。
- ^ 銀行変遷史データベース 全国銀行協会
- ^ 銀行変遷史データベース 全国銀行協会
- ^ 「足利銀行受け皿に野村陣営、再上場に向けた課題」『東洋経済オンライン』 2008年3月24日
- ^ 「足利銀行の受け皿決定が半年以上遅れた“真相” 」『週刊ダイヤモンド』 2008年3月24日
- ^ 「富士山周辺観光で連携 横浜銀や山梨中央銀、協定」『日本経済新聞』朝刊2018年10月18日(東京・首都圏経済面)2019年4月13日閲覧。
- ^ “静岡銀行と山梨中央銀行、業務提携 提携効果100億円”. 朝日新聞 (2020年10月29日). 2020年10月29日閲覧。
- ^ 山梨日日新聞 2021年5月15日
- ^ a b c 『写真集 明治大正昭和 甲府』ふるさとの想い出 10、飯田文弥・坂本徳一著、図書刊行会、昭和53年、国立国会図書館蔵書、2019年3月22日閲覧
- ^ a b c d e f 「沿革」『株式会社 山梨中央銀行 S10052XA:有価証券報告書 ‐ 第112期』
- ^ a b 藁品和寿 (2005年11月9日). “地域銀行分析レポート -地域銀行の エリア戦略-” (PDF). 信金中央金庫地域・中小企業研究所. 2015年11月21日閲覧。
- ^ a b “山梨中央銀行が日本ユニシスのWindows勘定系を採用決定、地銀で7行目”. 『日経コンピュータ』. (2007年9月10日) 2014年4月28日閲覧。
- ^ a b “日本ユニシスWindows Server®、SQL Server® を基盤とした「新勘定系システム」が山梨中央銀行で稼動開始”. BIPROGY. (2011年1月4日) 2023年7月9日閲覧。
- ^ “「相模原支店」開設のお知らせ” (PDF). 株式会社山梨中央銀行 (2012年3月14日). 2014年4月28日閲覧。
- ^ “指定金融機関等について(公金の納入場所)”. 山梨県出納局管理課 2014年4月28日閲覧。
- ^ “静岡銀と山梨中央銀、ATM利用を相互無料化 10月から”. 時事通信 (2021年9月13日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ “地方銀行8行によるATM業務提携について。” (PDF). 株式会社山梨中央銀行 (2012年3月19日). 2014年4月28日閲覧。
- ^ 『KeyMan共同化に関する基本合意書の締結について』(プレスリリース)山梨中央銀行、2008年7月16日 。2015年9月30日閲覧。
- ^ “コミュニティークラウドが始動 情報共有で事業連携を促進する”. 日経コンピュータ. (2012年3月5日) 2015年9月30日閲覧。
- ^ “小瀬スポーツ公園陸上競技場のネーミングライツ(命名権)取得について” (PDF). 株式会社山梨中央銀行 (2010年11月2日). 2014年4月28日閲覧。
- ^ “「今までありがとう」甲府の本拠地名称『中銀スタ』が10年間に幕。3月からは『JIT リサイクルインク スタジアム』へ”. サッカーダイジェストWeb (2021年2月2日). 2024年1月30日閲覧。