オギノ
株式会社オギノは、山梨県を中心に店舗展開する、総合スーパー(GMS)、スーパーマーケットや衣料品店、及びそれらを運営する企業。甲府市徳行にあるオギノ貢川店2階部分を本部とする。
オギノ本部(奥の衣料館の2階) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 |
設立 | 1953年(昭和28年)9月5日[1] |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 2090001000360 |
事業内容 | 総合小売業 |
代表者 | 代表取締役社長 荻野寛二 |
資本金 | 5,000万円 |
売上高 | 744億円(2019年2月決算) |
純利益 | 2億5805万8000円(2019年02月28日時点)[2] |
総資産 | 214億8563万9000円(2019年02月28日時点)[2] |
従業員数 | 2,268名(8時間換算ベース) |
外部リンク | https://www.ogino.co.jp/ |
概要
編集1841年(天保12年)に荻野市左衛門が「竹の屋」として開業したのがはじまり。その後「荻野商店」と名前を変えて営業するものの、甲府空襲の影響などにより戦後は岡島百貨店の近くにバラック小屋を建てて営業していた。1953年(昭和28年)には株式会社化により社名を現在の「株式会社オギノ」に変更している。
転機が訪れたのは1958年(昭和33年)、当時近隣にあった映画館「オリオンパレス」が閉館されることになった際、当時の社長の方針により跡地に移転。当初は小規模の服地専門店であったが、駅前の一等地であったことから商売は繁盛。木造2階建のスーパーマーケット、さらには7階建ての商業ビルに変貌していった。また1969年(昭和44年)にはチェーン運営を取り入れ、さらに1987年(昭和62年)には総合スーパー(GMS)運営にも進出し規模を拡大。1991年(平成3年)には本社を貢川地区へ移転(旧本部は改装され、ファッションビル「パセオ」として2007年まで営業を続けている)。1993年(平成5年)には生鮮食品を一括加工する「生鮮センター」を開設した。
2013年(平成25年)現在山梨県のほかに長野県と静岡県に出店している。店舗のほとんどが新規開業であるが、近年では湯村ショッピングセンターや茅野ショッピングセンターなど居抜き出店をするケースが増えている。また主力である食品スーパー業態以外に、衣料スーパー単体で出店するケースが増えており、その場合は主にショッピングセンターのテナントとして入居している。
特徴
編集データに基づいた販売
編集スーパーでは系列各店の品揃えを同一にせず、店舗周辺の顧客にあわせて変えることは目新しいことではないが、オギノでは顧客を独自の多数のカテゴリーに分類し、どのカテゴリーの顧客が多いかを元に店舗の品揃えに特色を出し、売上げを伸ばしている[3]。顧客のデータ収集には、「オギノグリーンスタンプカード」を使用している。また、高い能力を持つ物流センターを活用することにより、店舗ごとに違う商品の陳列に対応した物流を行い、陳列の手間を省いている[3]。こうしたデータに基づいた店舗作りを考えるようになったきっかけは、1996年にダイエーが地元に出店することが決まったことだという(その後、ダイエーは1997年11月にオギノ貢川店の向かいに開店したが、1999年8月に不採算店として閉店した)[3]。
また、FSP(Frequent Shoppers Program カードによって顧客のデータを得る。データによって顧客を選別し、顧客ごとに適したサービスを提供する)を活用し、レシートで顧客一人一人にあわせた商品をポイントクーポン対象として勧めている(クーポン利用率は40%超)[3]。
2022年3月より、CGCによるPB商品とは別に「OGINO SELECT」、上位版の「OGINO SELECT PREMIUM」というPB商品を販売開始した。オギノ側と各メーカー共同開発・改良によるもので、一部商品を除き全店舗で販売されている。
オギノグリーンスタンプカード
編集1996年(平成8年)に導入され、カード会員数約43万人、平均カード利用率は90%を超える[3](参考:山梨県の人口は、2008年9月時点で約87万人[4])。カード発行時には店舗周辺の家庭を一軒一軒回り、1年で約20万人と多くの会員を獲得した[3]。また、提携店(オギノのテナントやガソリンスタンド)が多い。
店舗
編集- チラシ・店舗情報を参照。
公式では「ショッピングセンター(SC)」「大型店」「中型店」「小型店(キャロット)」「衣料専門店(ファミリーファッション)」の5つに分類されている。
営業中店舗
編集ショッピングセンター
編集オギノを核に複数店舗が入居している。
- 甲府リバーサイドタウン内にある店舗。オギノとしては初めての総合スーパー形態の店舗であり、1987年(昭和62年)11月21日にオギノリバーサイドモールとして開業[5]。1998年(平成10年)に「アピタ田富店」(2018年〈平成30年〉9月9日閉店)が隣接する形で進出したため、新館の増設(それまでの施設は本館とする)および全面改装を行ない、同年11月にオギノリバーシティショッピングセンターに改称のうえリニューアルオープンした[5]。
- 2021年8月にリニューアルとして一時閉鎖、本館から撤退し、新館に集約のうえ規模を縮小、同年12月に現店舗名に再改称した[6]。
- 1階の吹き抜けフロアにあったイベント広場では、毎週日曜日に山梨放送のラジオ番組「オギノリバーサイドサンデー」も公開収録がおこなわれていた。
- イーストモールショッピングセンター(山梨県甲府市朝気3-1-12)
- 1998年(平成10年)にオープン。 山梨県外では唯一のショッピングセンター形態である。
- 韮崎駅前店(山梨県韮崎市若宮2-2-23)
- 2009年(平成21年)4月29日にオープン。ライフガーデンにらさき敷地内に核店舗として出店している。形態としては大型店に近い。
-
リバーシティショッピングセンター(手前が新館で奥が本館。本館は2021年に閉鎖。)
-
茅野ショッピングセンター
大型店
編集食料品・日用品以外に衣料品、寝具などの住居関連品を扱っている。
- 山梨県
- 長野県
- 岡谷店(岡谷市)
中型店
編集食料品と日用品のみを取り扱っている店舗。
- 山梨県
小型店
編集「オギノキャロット」として主に生鮮食料品や生活雑貨を取り扱っている、50~200坪の小型店舗。
- 山梨県
- キャロット南部店(南巨摩郡南部町) - 旧ひうが南部店
- キャロット中富店(南巨摩郡身延町) - 旧ひうが中富店
衣料専門店
編集「ファミリーファッション」として衣料品のみ販売する。山梨県外で施設内または近隣に食料品店がある場合にこの形態で出店する。
- 長野県
閉店した主な店舗
編集ショッピングセンター(閉店)
編集-
パセオ
-
オギノ昭和ショッピングモールJOY
-
オギノ湯村ショッピングセンター
大型・中型店(閉店)
編集- オリオン店(甲府市)
- かすがもーる店(甲府市)
- 韮崎ルネス店(韮崎市若宮1-2-50)
- 韮崎駅前の複合商業施設「ルネス」内に2004年9月開店、売上低迷のため2007年8月26日閉店。「ルネス」も2009年3月に閉店となり、建物は韮崎市が買取・改修したうえで韮崎市民交流センター「ニコリ」となっている。
- 増穂店(南巨摩郡富士川町)2014年3月17日閉店
- 後屋店(甲府市)2015年2月15日閉店
- 敷島店(甲斐市)2015年11月5日閉店。跡地にイオン系列の「ビッグ」が出店。なお、後継店舗として竜王駅前店が営業している。
- 石和井戸店(笛吹市)2018年12月2日閉店。閉店後、イオングループのイオンビッグへ継承され、2019年9月14日に「ザ・ビッグ笛吹井戸店」が開業した。
小型店(閉店)
編集- キャロット山城店(甲府市)2013年2月17日閉店
- キャロット中村店(甲府市)2015年11月15日閉店
- キャロット六科店(南アルプス市)2017年9月30日閉店
- キャロット山宮店(甲府市) 2021年8月22日閉店
衣料専門店(閉店)
編集POSシステム
編集テレビ番組
編集- 日経スペシャル ガイアの夜明け “激動 流通サバイバル”第2回 地元密着スーパーの逆襲(2007年9月18日、テレビ東京)[13]。- オギノのマーケティング展開を取材。
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i 流通会社年鑑 1978年版, 日本経済新聞社, (1977-10-25), pp. 264
- ^ a b 株式会社オギノ 第66期決算公告
- ^ a b c d e f 篠原匡「イオンやダイエーを蹴散らす地場スーパー 消費不況に負けない和製テスコ、オギノの強さ」『日経ビジネスオンライン』日経BP社、2008年9月16日付配信
- ^ 山梨県発表の統計による
- ^ a b “オギノnews|オギノリバーシティ店8月末に閉鎖・今冬全面改装オープン”. 商人舎. (2021年3月30日). オリジナルの2021年5月8日時点におけるアーカイブ。 2021年3月30日閲覧。
- ^ “オギノ、リバーシティSCを規模縮小へ”. アットやまなし 2021年4月2日閲覧。
- ^ “オギノ 都留田野倉店 開店のご案内”. 株式会社オギノ. 2022年7月31日閲覧。
- ^ 甲府「パセオ」再開発計画:複合高層ビル建設へ 県営駐車場なども解体(2007年2月3日、毎日新聞県内版朝刊記事)
- ^ a b 『甲府のオギノパセオが閉店』(2007年7月25日、UTYニュース)
- ^ “紅梅町・オリオン通りの歴史”. オリオン・スクエア城南商店街. 2016年4月10日閲覧。
- ^ “「オリオン通り」の由来は映画館!?”. かめじぃのこうふのツボ. 甲府市 (2016年3月14日). 2016年4月10日閲覧。
- ^ a b “株式会社オギノの歩み”. 2015年2月9日閲覧。
- ^ “激動 流通サバイバル”第2回 地元密着スーパーの逆襲 - テレビ東京 2007年9月18日