水没した土地
自然災害など
編集- 地震
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- 黒田郡(くろだごおり) - 684年の白鳳地震で沈んだとされる高知県の集落[1]。
- 鴨島 - 現在の島根県浜田市沖にあった島で、1026年の万寿地震で沈下したと伝えられる。立証はされておらず、伝説に過ぎないとの見解もある。
- 蓮華潭 - 現在の千葉県鴨川市小湊にあった日蓮の生誕地。1498年の明応地震で水没したという。誕生寺も参照。
- 浜名湖南部の陸地 - 1498年の明応地震にともなう津波により、浜名湖南部一帯が水没して湾口「今切」が開いた。弁天島遺跡などの湖底遺跡がある。
- 白石村 - 淡路島南部(現在の兵庫県南あわじ市)から沼島付近まで伸びていた半島上に立地していたが、1500年ごろの地震で水没したという伝承がある村[2]。
- 瓜生島 - 大分湾内にあった島で、1596年9月4日に起きた慶長豊後地震で沈下したと伝えられるが、立証されていない。湾岸の町場の水没が変化した伝承との説もある。
- 琵琶湖湖底遺跡 - 粟津湖底遺跡など、琵琶湖岸に100か所以上が確認されている、縄文時代から江戸時代にかけての遺跡の総称。水没の原因は地震による地滑りなどさまざま。
- アンティロドス島 - 365年のクレタ地震により沈下。クレオパトラの宮殿があった。
- パブロペトリ - 紀元前1000年頃の地震で沈下。古代ギリシャの街並みが保存されている。
- カノープス (エジプト)とヘラクレイオン - 紀元前6-7世紀。アレクサンドリア郊外の重要な港であったが、地震と液状化現象で海面に沈んだ。
- ポート・ロイヤル - ジャマイカで17世紀に繁栄した港町。1692年ジャマイカ地震で3分の2が水没して放棄された。
- バイア海底考古学公園
- ケコヴァ - 2世紀の地震。トルコの島。
- 侵食活動
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- 石灰岩が水に溶ける事で陥没するシンクホール
- 生物侵食によって消滅する。
- 広島県のホボロ島
- 雨水、川や海流や波などによって起きる侵食
- 北海道のエサンベ鼻北小島
- ダンウィッチ (イングランド) - イースト・アングリア王国の首都で国際港であったが、13世紀から侵食によって水没し現在は一部を除いて水面下となった。
- 火山活動
- 沈み込み帯
→詳細は「天然ダム § 日本の主な発生地」、および「天然ダム § 世界の主な発生地」を参照
- 川の流入量が増えたため
- トルコのヴァン湖の湖底に町が沈んでいるという噂があったため、確認したところ紀元前1,000年ごろのウラルトゥ王国時代の古城と都市遺跡が発見された。水の流入が多くなり湖面が上昇したことにより徐々に水没したと考えられている[6]。
- オルス - 紀元前2世紀に水没。ギリシャ。
- ネアポリス(Neapolis) - チュニジア。4世紀に津波で水没[7]
- カンバート湾の考古遺跡 - 2001年に発見された(調査中)。
- ヨムスボルグ - バルト海南岸にあったヴァイキングの本拠地であった。
- ケムネ宮殿 - イラク北部モスルダムの貯水池の底[8]。
- 龍遊石窟
- 草戸千軒町 - 中世に芦田川河口(現在の広島県福山市)に栄えた港町。1673年の洪水で埋没したという伝承で知られる。「草戸千軒町遺跡」が発掘されているが、町として機能したのは16世紀初頭までとみられ「洪水により最盛期の町が滅んだ」わけではないことが指摘されている[9]。
- ルンホルト - 1362年に一夜にして完全に水没したとされる伝承の都市[10]。グローテ・マンドレンケと呼ばれる北海の高潮によるものとされる。 2023年5月にルンホルトとみられる遺跡が見つかる[11]。
伝承
編集→詳細は「en:Sinking city myth」を参照
人工的に水没した土地
編集ダム建設で水没した土地
編集- 日本
- 世界
- アイルランドの水没した場所一覧
- エジプト
- アスワン・ハイ・ダム、1960年代の建設計画でヌビア遺跡などが水没する恐れから、国際連合教育科学文化機関(通称:ユネスコ)が救済キャンペーンを実施した。その結果、遺跡は移設された。これを契機に遺跡の保護活動が見直され、世界遺産条約を世界の国々が締結した[14]。
- オランダの水没した場所一覧
- スペインの水没した場所一覧
- 中国
- フランスの水没した場所一覧
- ロシアの水没した集落
法律
編集水面下にある土地の所有権について長らく世界的に議論が行われてきた[15]。
日本においては、明文化された法律はなく解釈によって行われ、もともと水面下にある土地は公共の物として扱われている[16]。また以下の例については個別に説明する[17]。
- 侵食などによって海に没した場合、支配可能性と資産価値があれば所有可能。
- 人工的に切削して港などにした場合、陸地の扱いとなる。
- 旧幕時代・明治時代の海面の状態で払下げされた土地、当時の状態を基準に評価。
出典
編集- ^ a b “水中に眠る船、都市、集落―― 人類の営みをたどる「水中考古学」の世界”. Yahoo!ニュース. 2022年9月6日閲覧。
- ^ ““幻の村”実在を確信 南あわじの男性が10年研究”. 兵庫おでかけプラス. 神戸新聞社 (2018年6月13日). 2022年8月12日閲覧。
- ^ “わかる!国際情勢>Vol.27 水没が懸念される国々~ツバルを通して見る太平洋島嶼国”. 外務省 (2009年2月18日). 2021年8月12日閲覧。
- ^ “Significant damage keeping much-needed aid from reaching Tonga”. CBC.ca. 2022年1月18日閲覧。
- ^ “地中海に「失われた大陸」があった 最新研究”. ナショナルジオグラフィック. 日経BP. 2022年5月12日閲覧。
- ^ “Ancient Ruins Discovered Under Lake in Turkey” (英語). History. nationalgeographic (2017年11月15日). 2022年9月7日閲覧。
- ^ “「津波で沈んだ」古代ローマ都市遺跡、チュニジア沖で発見”. AFP通信
- ^ “貯水池から古代の宮殿が出現、干ばつで水位下がる イラク北部”. CNN. 2022年6月9日閲覧。
- ^ “第3回:草戸千軒が消滅した理由は?”. 広島県教育委員会. 2022年8月12日閲覧。
- ^ 日本, Sputnik (20230612T1240+0900). “650年以上前に沈んだドイツ中世の伝説の街 北海で発見” (jp). Sputnik 日本. 2024年2月10日閲覧。
- ^ Guido Kleinhubbert: Geheimnis im Schlick. In: DER SPIEGEL Nr. 31 (29.7.2023), S. 98–100
- ^ 武蔵大学人文学会雑誌 第45巻 第4・3号 p158
- ^ “ダム建設で水没の集落に思いはせる 大宮の博物館で特別展”. 産経新聞
- ^ “わかる!国際情勢>Vol.33 ユネスコ(UNESCO)~人類共通の遺産を守るために”. 外務省 (2009年4月6日). 2021年8月12日閲覧。
- ^ 藤田宙靖「海面下の地盤と土地所有権」『土木学会論文集』第1994巻第488号、1994年、1-9頁、doi:10.2208/jscej.1994.488_1。
- ^ 水辺芳郎「海没している土地の所有権」『法社会学』第1975巻第28号、1975年、35-45頁、doi:10.11387/jsl1951.1975.35。
- ^ 七戸克彦「海面下の土地所有権に関する最近の裁判例について」『日本エネルギー法研究所月報』第163巻、日本エネルギー法研究所、2003年8月、1-5頁、hdl:2324/6189。
関連項目
編集- 疑存島 - かつて地図上にあった島
- 失われた都市、廃村
- 水没林、浸水林
- 隆起と沈降
- 海抜ゼロメートル地帯
- 洪水・冠水
- 海洋考古学(水中考古学)、海底遺跡
- メッシニアン塩分危機とザンクリアン洪水 - 古代地中海の干上がりと浸水。関連する人工的な計画としてアトラントローパがある。
- 気候変動による小さな島国への影響
- かつて水没していた土地