エサンベ鼻北小島
エサンベ鼻北小島(エサンベはなきたこじま)は、北海道猿払村の沖合およそ500 mにあった無人島である[1][2][3][4]。
エサンベ鼻北小島 | |
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所在地 | 日本 北海道 |
所在海域 | オホーツク海 |
座標 | 北緯45度20分5.9秒 東経142度10分52.9秒 / 北緯45.334972度 東経142.181361度座標: 北緯45度20分5.9秒 東経142度10分52.9秒 / 北緯45.334972度 東経142.181361度 |
最高標高 | 1.4 m |
プロジェクト 地形 |
概要
編集1987年(昭和62年)の測量では平均海面から1.4 mの高さがあり、この測量に基づき海図や国土地理院の地図に記載された[1][2][5]。2009年に総合海洋政策本部が策定した「海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針」に則り、2014年に日本の領海の基点になる離島として名前が付けられた158の無人島の一つである[1][2][5][6]。ただし後述するように、この時すでに島は残っていなかったものと思われる[7]。なお同じ猿払村にある海馬島や枝幸町の水かぶり岩、雄武町の幌内北小島は海上保安庁の環境脆弱性指標図(2017年3月作成)に記載されているが、エサンベ鼻北小島はすでに記載されていない[8][9][10]。
島の消失
編集2018年9月1日に北海道のオホーツク沿岸を訪れた『幻島図鑑』の著者清水浩史によると、ゴメ島や水かぶり岩および海馬島は海岸から目視できたが、エサンベ鼻北小島が存在するはずの場所に島影は見られず、付近の浜鬼志別漁港や浜猿払港で通りすがりの人に尋ねても島の存在を知らなかったという。この情報を清水が知人の朝日新聞の記者に伝えたことがきっかけで、10月31日の朝刊に記事[2]が掲載され、同日のうちに他社のマスメディアにおいても報道された[7]。
報道によると、10月上旬に地元住民から「見当たらなくなっている」と海上保安庁第1管区海上保安本部に情報が寄せられ、海上保安本部の担当者によれば、波や流氷による浸食を受け海上部分がなくなった可能性があるとしている[1][2][5][11][12]。
昭和50年代頃には小さな島が存在していたと話す漁業者もおり、漁船で用いられるGPSシステムに表示されることから、島の存在を知らない漁業者は海中にある岩礁だと思って迂回していたという[2]。「30数年〜40年くらい前」には「岩」が見えており、当時は海面から1mほどの高さで「3人くらい腰掛けられる程度」の大きさがあり、つるつるした滑りやすい岩肌だったという証言もある[13]。
2019年5月20日から24日にかけて第1管区海上保安本部により、目視や水中音波探知機などを使った現地調査が行われた[14][15][16]。当初は、島の一部に降りての調査も計画されていたが、足場が狭く危険と判断されたため、船上からの調査となった[16]。
9月24日、海上保安庁は調査の結果、「エサンベ鼻北小島は消失し、非常に水深の浅い浅瀬が存在する」と発表した[3][4]。干潮時に陸地が水面上にある低潮高地と定義できれば領海の基準となるため、海上保安庁はさらに1年以上かけて調査を行い[4]、2023年2月2日には内閣府がエサンベ鼻北小島は島ではなく、低潮高地も発見されなかったとする調査結果を公表した[17]。
位置
編集脚注
編集- ^ a b c d “猿払沖の島、消えた? 1管調査へ 日本の領海狭まる可能性も”. 北海道新聞. 2018年10月31日閲覧。
- ^ a b c d e f 斉藤寛子 (2018年10月31日). “海に消えてしまった? 北海道の小島 領海狭まる恐れ”. 朝日新聞 朝刊(13版) (朝日新聞社) (47567): p. 39 2018年10月31日閲覧。
- ^ a b “北海道の無人島「存在せず」、海保が調査結果”. 日本経済新聞. (2019年9月24日) 2019年9月24日閲覧。
- ^ a b c “エサンベ鼻北小島 存在しない・・”. HTBニュース. (2019年9月24日) 2019年9月24日閲覧。
- ^ a b c “北海道の小島、消えた? 浸食か、海保調査へ”. 産経新聞. (2018年10月31日) 2018年11月1日閲覧。
- ^ “領海の外縁を根拠付ける離島の地図及び海図に記載する名称の決定について”. 首相官邸 (2014年8月1日). 2018年10月31日閲覧。
- ^ a b 清水浩史『幻島図鑑 不思議な島の物語』河出書房新社、2019年。ISBN 978-4-309-29035-5
- ^ 環境脆弱性指標図 (宗谷総合振興局 - 2)枝幸町乙忠部地先
- ^ 環境脆弱性指標図 (宗谷総合振興局 - 12)猿払村鬼志別地先
- ^ 環境脆弱性指標図 (オホーツク総合振興局 - 34)雄武町幌内地先
- ^ “「小島見えない」海保調査へ=領海狭まる可能性も-北海道”. 時事通信. (2018年10月31日) 2018年10月31日閲覧。
- ^ “小島が消えた? 領海狭まる恐れも、海保調査へ”. 毎日新聞. (2018年10月31日) 2018年10月31日閲覧。
- ^ 島が“見あたらない” 北海道の海で何が 日本放送協会(ニュースウオッチ9) 2019年5月20日
- ^ “エサンベ鼻北小島の測量作業結果について” (PDF). 第一管区海上保安本部. 2019年8月8日閲覧。
- ^ “猿払沖エサンベ鼻北小島、目視で確認できず 1管本部調査”. 北海道新聞. (2019年5月29日) 2019年6月7日閲覧。
- ^ a b “小島消失か、実地調査終了 7月上旬に結論、北海道”. 産経新聞. (2019年5月24日) 2019年6月7日閲覧。
- ^ “猿払村沖のエサンベ鼻北小島、「低潮高地」とならず 内閣府調査”. 北海道新聞. (2023年2月2日) 2023年2月2日閲覧。