松平定法
松平 定法（まつだいら さだのり）は、江戸時代後期の大名。伊予国今治藩の第10代（最後）の藩主、知藩事。定房系久松松平家10代。官位は従五位下・壱岐守。知藩事時代に久松 定法（ひさまつ さだのり）と改姓した。
 松平定法 | |
| 時代 | 江戸時代後期 - 明治時代 |
| 生誕 | 天保5年12月29日（1835年1月27日） |
| 死没 | 明治34年（1901年）9月18日 |
| 改名 | 鬼勢治（幼名）、松平定法、久松定法 |
| 別名 | 定命 |
| 墓所 |
東京都江東区白河の霊巌寺 東京都台東区谷中の谷中霊園 |
| 官位 | 従五位下・壱岐守 |
| 幕府 | 江戸幕府 |
| 主君 | 徳川家茂→慶喜 |
| 藩 | 伊予今治藩主 |
| 氏族 | 久松松平家定勝流 |
| 父母 |
父：松平定芝、母：不詳 養父：松平勝道 |
| 兄弟 | 定法、久、善子、女子3人ら |
| 妻 |
正室：松平直巳の養女 継室：綾小路俊賢の娘 |
| 子 |
久松定陽 養子：久松定弘 |
生涯
編集天保5年（1834年）12月29日、第8代藩主・松平定芝の三男として誕生した。天保8年（1837年）に父が死去したときは幼少のために跡を継げず、代わりに定芝の婿養子となった勝道が跡を継いだ。定法は天保11年（1840年）5月23日に勝道の養子となった。嘉永3年（1850年）12月16日に従五位下、壱岐守に叙任する。文久2年（1862年）11月22日、勝道の隠居に伴い跡を継いだ。
藩政においては、文久3年（1863年）に軍備を洋式軍制に改め、今治海岸に砲台を創設した。幕末期の動乱の中では、佐幕派と尊王派の間で仲介、周旋などに尽力したが、慶応2年（1866年）の第二次長州征討での幕府軍敗退を契機に、14代将軍・徳川家茂にその中止を進言しながら、次第に薩長側に与するようになる。
慶応4年（1868年）の戊辰戦争では新政府に従って京都に出兵し、御所を警備した。後に甲府城の警備、江戸・奥州・会津征伐にも出兵した。同年、太政官布告により、本家の伊予松山藩松平家とともに、源姓松平氏から本来の菅原姓久松氏に復姓する。
明治2年（1869年）6月の版籍奉還で知藩事となり、明治4年（1871年）7月15日の廃藩置県で免官となる。その後、東京へ移った。明治5年（1872年）8月7日、隠居し、養子の定弘（松平正義の長男大河内正晴の長男）に家督を譲った。明治34年（1901年）9月18日に死去した。享年68。