東京ブギウギ
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「東京ブギウギ」(とうきょうブギウギ)は鈴木勝作詞、服部良一作曲による日本のポピュラー音楽(歌謡曲)。1947年に発表され[注釈 1]、笠置シヅ子の歌唱によりヒットした。「リンゴの唄」「青い山脈」などと並び、終戦から復興に向かう日本を象徴する流行歌として知られる楽曲である。
「東京ブギウギ」 | ||
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楽曲 | ||
英語名 | TOUKYOU BUGIUGI | |
発祥 | 日本 | |
リリース | 1947年 | |
ジャンル | スウィング・ジャズ | |
形式 | ブギ | |
作詞者 | 鈴木勝 | |
作曲者 | 服部良一 | |
ISWC | T-101.409.050-5 | |
歌唱 | 笠置シヅ子 | |
JASRAC作品コード 055-0164-4
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「東京ブギウギ」 | ||||||||
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笠置シヅ子 の シングル | ||||||||
リリース | ||||||||
規格 |
SP盤 - 1948年1月 EP盤 - 1955年4月 | |||||||
録音 |
SP盤 - 1947年・ 日本 EP盤 - 1955年・ 日本 | |||||||
ジャンル |
歌謡曲 (スウィング・ジャズ - ブギ) | |||||||
レーベル | 日本コロムビア | |||||||
作詞・作曲 | 鈴木勝・服部良一 | |||||||
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概要
編集作曲した服部は、電車に乗っている時レールのジョイントの音とつり革が網棚のふちに当たる音からメロディを思いつき、急ぎ駅を降り飛び込んだ喫茶店のナプキンに書いた。ただし、小川寛興の証言では、楽譜を紛失した服部が記憶をもとに書き直したものとしている。なお、笠置の吹き込み時にはスタジオに米軍関係者も詰めかけ、彼らの声援の中大乗りの雰囲気で行われた。
「東京ブギウギ」のヒットは、笠置が1947年10月14日から翌月まで公演を行っていた「踊る漫画祭・浦島再び竜宮へ行く」(日劇)の挿入歌として歌われたことがきっかけとされている。ただし、この曲が最初に歌われたのはそれ以前の9月、大阪の梅田劇場(現・HEP)でのことであった。
1948年の正月映画(1947年12月公開)『春の饗宴』[1]に笠置が出演して劇中で歌い、3月の『日劇ショー 東京ブギウギ』で大ヒットとなった[2]。このあと「北海ブギウギ」・「大阪ブギウギ」・「名古屋ブギウギ」などご当地ブギが作られた。当時の日本では、歌手は直立不動で歌うのが通例であったが、笠置は舞台上をダイナミックに動き回りながら歌い踊っており、その姿は戦後の解放的な気分の反映であるとされた[3]。
1955年、笠置本人により再録音された。このセルフリメイク盤は1974年にステレオ音源化された[4]。なお、アメリカでもColumbiaから笠置シヅ子が歌ったものが、Tokyo Columbia Orchestra名義で45回転のシングルレコード(レコード番号Columbia 4-39954)として発売されている[5]。
発売当時のレコード売上は27万枚を記録し[6]、1968年時点での「東京ブギウギ」累計売上は70万枚[7]。日本音楽著作権協会(JASRAC)の著作権使用料分配額(国内作品)ランキングでは、2012年度と2013年度の2年連続で年間4位[8][9]、2014年度の年間5位[10]、2015年度の年間8位[11]と4年連続でトップ10入りを記録した。
NHK紅白歌合戦では、1953年の第4回に笠置が出演して歌唱。1993年の第44回では「服部良一メドレー・紅白バージョン」の一節で少年隊が、2005年の第56回で松浦亜弥が本楽曲を歌唱した。
カバー
編集この楽曲は、美空ひばりや雪村いづみを始め、石川さゆりやUNICORNなど多くの歌手やミュージシャン、楽団等によってカバーされ続けており、1980年代には少年隊がTVやコンサートにおいてカバー、1988年には中森明菜が全国コンサート・ツアー(ライブ・ビデオ発売)においてカバー、1990年代前半にはTOKIOが「TOKIOブギ」の曲名でTVやコンサートにおいてカバーした。また、Jリーグ・FC東京の試合において、得点後にサポーターによっても歌われている[注釈 2]。
平成以降に音源化したアーティスト
編集- ユニコーン - 1990年12月1日リリースのミニアルバム『ハヴァナイスデー』に収録。
- 村本玲奈 - 1996年9月2日リリースのアルバム『Reyna』に英語ヴァージョンを収録。
- スターダストレビュー - 2000年3月15日リリースのアルバム『STARS』に収録。
- 庄野真代 with 浜田山〜ず - 2001年12月21日リリースのアルバム『Time Traveller vol.1~時代の夜汽車~』に収録。
- 水瀬あやこ - 2006年6月7日にシングル(マキシシングル)をリリース。
- 福山雅治 - 2007年10月17日リリースのアルバム『服部良一 〜生誕100周年記念トリビュート・アルバム〜』に収録。
- 八代亜紀 - 2008年5月21日リリースのシングル(マキシシングル)「東京音頭 〜Remixed by J.P.〜」にカップリング曲として収録。
- 氷川きよし - 2009年3月20日リリースのアルバム『氷川きよし・演歌名曲コレクション10〜浪曲一代〜』に収録。
- 三瓶由布子 - 2009年7月8日リリースのアルバム『夏のあらし! キャラクターソングアルバム 歌声喫茶方舟』に収録。アニメ『夏のあらし!』の挿入歌。
- 石原詢子 - 2013年7月3日リリースのシングル『さよなら酒』のカップリング、2013年10月23日リリースのアルバム『我がこころの愛唱歌〜夢と希望に満ちてたあの時代〜』、2014年11月10日リリースのCD-BOX『石原詢子 時代のうた』に収録。
- 渡辺美里(Duet with 世良公則 )- 2023年5月3日リリースのアルバム『うたの木Face to Face』に収録[注釈 3]。
CM曲
編集- 2001年、派生曲として「上海ブギウギ」の曲名でサントリー烏龍茶のCMソングとして中国語でカバーされ、2003年発売のコラボレーションアルバム『烏龍歌集【チャイ】サントリーウーロン茶CMソングコレクション』と、aminのアルバム『百合花』に収録された。
- 2011年、アサヒビールが商品“クリアアサヒ”のCMソングに起用。トータス松本が原曲のサビの部分を替え歌にして"「東京ブギウギ」クリア アサヒVer."としてカバーした[13]。後に“クリアアサヒのテーマソング「クリアブギウギ」"となり[14][15]、現在も引き続き使用されているが、あくまでもサビ部分だけの楽曲で、2024年1月末現在においてCD等の音源化はされていない。
変則リメイク
編集1977年3月、変則リメイクとしてRVC株式会社から『東京ズキズキ娘』(歌:長良いづみ)が発売された。作詞は長沢ローのオリジナルだが、各番の前半は本曲から流用し、中盤・後半は泉八汐のオリジナルだった。なおこの曲には作曲名に「服部良一」もクレジットされた。
リバイバル
編集2022年6月24日、NHKは令和5年度後期(2023年10月 - 2024年3月)の連続テレビ小説が、笠置をモデルにした『ブギウギ』に決まったと発表した[16]。この発表以来、笠置や代表曲である本楽曲や「買物ブギー」など、またその作者である音楽家・服部良一に注目が集まるようになり[17]、関連のカバー曲やリメイク曲、リマスター盤が多数発表された。
2023年4月19日、夏木マリがデビュー50周年記念として本楽曲のカバー曲「TOKYO JUNK BOOGIE(トウキョウ・ジャンク・ブギー)」を、日本コロムビアからアナログの7インチシングルEP盤でリリースした[18]。日本コロムビアは5月に特設ホームページ「笠置シヅ子とブギウギの時代」と、同名のYouTubeチャンネルを開設し、7月19日には今まで音源が見つからずにCD化されていなかった「北海ブギウギ」、幻のデビュー曲「恋のステップ」を収録した2枚組アルバムCD『笠置シヅ子の世界 〜東京ブギウギ〜』をリリースした[17]。
「東京ブギウギ」 | ||||||||
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福来スズ子(趣里)の楽曲 | ||||||||
収録アルバム | 『福来スズ子 傑作集』 | |||||||
発祥 | 日本 | |||||||
リリース | 2023年10月4日 | |||||||
規格 | 配信シングル(10月4日) マキシシングル(11月15日) 7インチシングル(11月22日) | |||||||
A面 | NHK連続テレビ小説『ブギウギ』主題歌「ハッピー☆ブギ」 (中納良恵 さかいゆう 趣里) | |||||||
録音 | 2023年 | |||||||
ジャンル | J-POP - 歌謡曲 (スウィング・ジャズ - ブギ) | |||||||
レーベル | 日本コロムビア | |||||||
作詞者 | 鈴木勝 | |||||||
作曲者 | 服部良一 / 編曲 服部隆之 | |||||||
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10月2日、ドラマ『ブギウギ』が放送開始となり、女優の趣里演じる主人公“福来スズ子”がステージで「東京ブギウギ」を歌唱するシーンから物語がスタートした。同日にはYouTubeのNHK公式チャンネルでそのシーンの動画が公開され[映像 1]、10月4日には、カップリング曲に“福来スズ子(趣里)”が歌う「東京ブギウギ」を収録した同ドラマの主題歌「ハッピー☆ブギ」(配信限定シングル)がリリースされた[19]。
「東京ブギウギ Boogie Woogie Age Re-Edit & Remix」 | ||||||||||||||
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笠置シヅ子 の シングル | ||||||||||||||
A面 |
東京ブギウギ Boogie Woogie Age Re-Edit (Re-Edit by DJ Yoshizawa dynamite.jp) | |||||||||||||
B面 |
東京ブギウギ Boogie Woogie Age Remix (Remixed by Toshiya Arai) | |||||||||||||
リリース | ||||||||||||||
規格 | 配信シングル | |||||||||||||
ジャンル |
J-POP - 歌謡曲 (スウィング・ジャズ - ブギ) | |||||||||||||
時間 | ||||||||||||||
レーベル | 日本コロムビア | |||||||||||||
作詞・作曲 | 鈴木勝・服部良一 | |||||||||||||
笠置シヅ子 シングル 年表 | ||||||||||||||
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10月11日、1955年の笠置本人の再録音盤をベースに再編集・リミックス化した「東京ブギウギ Boogie Woogie Age Re-edit & Remix(とうきょうブギウギ ブギ・ウギ・エイジ・リエディット・アンド・リミックス)」(配信限定シングル)がリリースされ[20]、ミュージックビデオも同時公開された[映像 2]。
10月31日、NHK大阪ホールから公開生中継された『わが心の大阪メロディー』において、ドラマとのコラボコーナーで伊原六花、翼和希・OSK日本歌劇団によって、主題歌「ハッピー☆ブギ」とメドレーで歌唱された。
11月22日、笠置がコロムビアからリリースした全音源を集めた配信アルバム『笠置シヅ子完全盤』がリリースされ、本楽曲をはじめ新たに音源が見つかった「大島ブギー」を含むタイトルに「ブギ」の付く作品全17曲が収録された[21]。
12月13日、同ドラマの劇中歌を集めたミニアルバム『福来スズ子傑作集』がリリース。1曲目に本楽曲が収録された[22]。
12月27日、陸上自衛隊中央音楽隊 鶫真衣による配信限定シングルがリリースされた。
2024年1月24日、1948年に発売された笠置のオリジナル音源をはじめ、雪村いづみ(アルバム『スーパー・ジェネレイション』より)や八代亜紀、美空ひばりなどのボーカル音源と、ギタリスト角田孝、大橋節夫のハワイアンなどのインストバージョンも含む全22バージョンの「東京ブギウギ」を収録したコンピレーションCD『東京ブギウギ100%』がリリースされた[23]。
2月9日、ドラマ『ブギウギ』(第91回)劇中で福来スズ子の「東京ブギウギ」がお披露目された。これに沿ってYouTubeの公式チャンネルでフルコーラスの動画が公開された[映像 3]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “春の饗宴|一般社団法人日本映画製作者連盟”. db.eiren.org. 2023年12月18日閲覧。
- ^ “笠置シヅ子とブギウギの時代 特設ホームページ | 日本コロムビア”. columbia.jp. 2024年2月9日閲覧。
- ^ 太田省一『平成テレビジョン・スタディーズ』青土社、2019年、48頁。ISBN 978-4-7917-7156-1。
- ^ CD『決定盤 昭和の大ヒット大全集(上)』(日本コロムビア COCP-33813〜5)付属ブックレットより
- ^ Tokyo Boogie Woogie, Internet Archive
- ^ 『各界成功伝うらおもて』自由国民社、1957年、216頁。NDLJP:2971478/116
- ^ 堀内敬三『音楽明治百年史』音楽之友社、1968年、344頁。NDLJP:2518791/189
- ^ 2013年 国内作品分配額ベスト10(金・銀・銅賞関連)、日本音楽著作権協会、2013年。
- ^ 2014年 国内作品分配額ベスト10(金・銀・銅賞関連)、日本音楽著作権協会、2014年。
- ^ 2015年 国内作品分配額ベスト10(金・銀・銅賞関連)、日本音楽著作権協会、2015年。
- ^ 2016年 国内作品分配額ベスト10(金・銀・銅賞関連)、日本音楽著作権協会、2016年。
- ^ 『9月29日(土)始発から京王線飛田給駅の列車接近メロディーがFC東京の応援歌に変わります!』(PDF)(プレスリリース)京王電鉄/調布市、2018年8月30日。オリジナルの2018年9月1日時点におけるアーカイブ 。2020年4月12日閲覧。
- ^ “トータス松本 NEWS”. トータス松本 公式サイト. 2024年2月10日閲覧。
- ^ “トータス松本 秋の夜長のオトナ飲み/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online (2024年2月11日). 2024年2月10日閲覧。
- ^ “ニュースリリース 2015年3月9日|アサヒビール”. www.asahibeer.co.jp. 2024年2月10日閲覧。
- ^ “来秋朝ドラ「ブギウギ」に決定 戦後の大スター・笠置シヅ子さんモデル 音楽は服部隆之氏 脚本・足立紳氏 - スポニチ Sponichi Annex 芸能”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年2月7日閲覧。
- ^ a b 全日本歌謡情報センター. “朝ドラ『ブギウギ』モデル・笠置シヅ子、幻の音源が75年の時を越えて復刻初CD化&初配信”. 全日本歌謡情報センター. 2024年2月7日閲覧。
- ^ “デビュー50周年を記念し坂東祐大プロデュースであの「東京ブギウギ」をカバー!「TOKYO JUNK BOOGIE」4/19発売! | 夏木マリ | 日本コロムビアオフィシャルサイト”. 日本コロムビア公式サイト. 2024年2月7日閲覧。
- ^ “ディスコグラフィ | 中納良恵 さかいゆう 趣里 | 日本コロムビアオフィシャルサイト”. 日本コロムビア公式サイト. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “笠置シヅ子の代表曲をモダンにアップデート!『東京ブギウギ』 Re-Edit と Remix 本日から配信リリース!西武園ゆうえんちとコラボしたミュージック・ビデオも公開”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年10月11日). 2023年12月18日閲覧。
- ^ “NHK連続テレビ小説『ブギウギ』の主人公のモデル「ブギの女王」 笠置シヅ子 幻の音源「大島ブギー」発見!!!SP盤発売以来、73年の時を越えて初配信 「笠置シヅ子完全盤」 11月22日(水)発売!!!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年11月22日). 2024年2月7日閲覧。
- ^ “福来スズ子(趣里) | 日本コロムビアオフィシャルサイト”. 日本コロムビア公式サイト. 2024年1月29日閲覧。
- ^ “歴史的名曲「東京ブギウギ」がジャンルを超えて大集合!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2024年1月24日). 2024年2月9日閲覧。
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