有馬 (川崎市)

神奈川県川崎市宮前区の町名

有馬(ありま)は、神奈川県川崎市宮前区町名。現行行政地名は有馬1丁目から有馬9丁目で、住居表示実施済み区域[5]。面積は1.52km²[2]

有馬
町丁
中央公園と住民
地図北緯35度34分20秒 東経139度34分53秒 / 北緯35.572131度 東経139.581317度 / 35.572131; 139.581317
日本の旗 日本
都道府県 神奈川県の旗 神奈川
市町村 川崎市
行政区 宮前区
人口情報2024年(令和6年)6月30日現在[1]
 人口 22,817 人
 世帯数 10,735 世帯
面積[2]
  1.522906801 km²
人口密度 14982.53 人/km²
設置日 1978年(昭和53年)6月5日
郵便番号 216-0003[3]
市外局番 044(川崎MA[4]
ナンバープレート 川崎
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神奈川県の旗 ウィキポータル 神奈川県
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地理

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宮前区の南部に位置し、国道246号が域内を横断している。一帯は多摩田園都市の一部として住宅地となっているが、わずかに果樹園などもみられる[6]。また、宮前区唯一の高等学校である神奈川県立川崎北高等学校も所在している。

北西部~北部では国道246号とその旧道を境界として、鷺沼小台馬絹と、東部では東有馬と接する。南部では横浜市都筑区すみれが丘牛久保・牛久保町あゆみが丘と接する(特記のない町名は宮前区所属)。

地価

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住宅地の地価は、2024年令和6年)1月1日公示地価によれば、有馬1-15-15の地点で33万9000円/m²[7]、有馬3-9-9-2の地点で25万5000円/m²[8]、有馬8-18-7の地点で30万7000円/m²[9]となっている。

歴史

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「有馬」の名は1559年永禄2年)、小田原北条氏の家人、窪田氏の所領として登場する[10][11][12]。その後、江戸時代には「有間」と表記されたが、明治以降は「有馬」に戻っている[10][12][注釈 1]

江戸時代には、新編武蔵風土記稿に、家が96件あり、それが東西に散在している旨が書かれている[13]が、そのうち西側が現在の有馬にあたる[11]。また、泥田のため苗代を使わない稲作が行われていた[6][10][13]ほか、水源が谷間の清水しかないため、二箇所のため池を作っていた[10][12][注釈 2]など、稲作に苦労する土地であり、副業として炭焼きも行われていた[6][10][11][13]。また、江戸時代を通じて旗本の曽根氏と遠山氏の相給であったが、新田天領となった[14]

明治以降は養蚕も行われ[14]大正時代にはクリが名産となったり[6][14]、野菜の栽培も行われるようになっていったが[6][10]、戦時中には多くの土地が軍用地として接収された。戦後には軍用地も返還されたが、その直後に多摩田園都市計画が始まり、農地のほとんどが宅地へと変貌を遂げていった。

名称の由来

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下記のようないくつかの説があるものの、はっきりとはしていない[11][12]

  • 「山間の土地」という意味[6][10]
  • 隣接する馬絹同様、乗馬に関係のある土地だとする説[6][10][11][12][13]
  • 平安時代の勅旨牧である「石川牧」に由来するという説[11][12]

沿革

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世帯数と人口

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2024年(令和6年)6月30日現在(川崎市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]

丁目 世帯数 人口
有馬1丁目 2,091世帯 4,189人
有馬2丁目 852世帯 1,873人
有馬3丁目 875世帯 1,885人
有馬4丁目 1,199世帯 2,521人
有馬5丁目 834世帯 1,816人
有馬6丁目 1,274世帯 2,765人
有馬7丁目 1,068世帯 2,733人
有馬8丁目 1,564世帯 3,081人
有馬9丁目 980世帯 1,954人
10,735世帯 22,817人

人口の変遷

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国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[16]
19,423
2000年(平成12年)[17]
20,226
2005年(平成17年)[18]
20,891
2010年(平成22年)[19]
21,823
2015年(平成27年)[20]
22,266
2020年(令和2年)[21]
22,717

世帯数の変遷

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国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[16]
7,406
2000年(平成12年)[17]
7,951
2005年(平成17年)[18]
8,554
2010年(平成22年)[19]
9,306
2015年(平成27年)[20]
9,496
2020年(令和2年)[21]
10,084

学区

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市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2022年3月時点)[22][23]

丁目 番・番地等 小学校 中学校
有馬1丁目 全域 川崎市立鷺沼小学校 川崎市立有馬中学校
有馬2丁目 全域 川崎市立宮崎小学校 川崎市立宮崎中学校
有馬3丁目 1~21番
23〜24番
29番以降
22番
25~28番
川崎市立西有馬小学校 川崎市立有馬中学校
有馬4丁目 全域
有馬5丁目 全域
有馬6丁目 全域
有馬7丁目 全域
有馬8丁目 全域
有馬9丁目 全域

事業所

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2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[24]

丁目 事業所数 従業員数
有馬1丁目 69事業所 504人
有馬2丁目 38事業所 576人
有馬3丁目 52事業所 605人
有馬4丁目 32事業所 895人
有馬5丁目 48事業所 474人
有馬6丁目 35事業所 362人
有馬7丁目 21事業所 220人
有馬8丁目 39事業所 184人
有馬9丁目 24事業所 137人
358事業所 3,957人

事業者数の変遷

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経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[25]
309
2021年(令和3年)[24]
358

従業員数の変遷

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経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[25]
3,454
2021年(令和3年)[24]
3,957

交通

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鉄道

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域内を通る鉄道はないが、至近に東急田園都市線鷺沼駅が所在する。

バス

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鷺沼駅を起点として、センター南駅東急バス東山田営業所武蔵小杉駅梶が谷駅など各方面を結ぶバスが当地を通過している。

道路

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施設

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その他

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日本郵便

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警察

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町内の警察の管轄区域は以下の通りである[27]

丁目 番・番地等 警察署 交番・駐在所
有馬1丁目 全域 宮前警察署 鷺沼駅前交番
有馬2丁目 全域
有馬3丁目 全域 有馬交番
有馬4丁目 全域 鷺沼駅前交番
有馬5丁目 全域 有馬交番
有馬6丁目 全域
有馬7丁目 全域
有馬8丁目 全域 鷺沼駅前交番
有馬9丁目 全域

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 『新編武蔵風土記稿』には「古は有間、中頃有馬に換へ、今又古に復すと云」とある。[13]
  2. ^ 『新編武蔵風土記稿』には、最近廃されて芝地になっている、旨記述がある[13]

出典

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  1. ^ a b 令和6年町丁別世帯数・人口 6月末日現在” (xls). 川崎市 (2024年7月25日). 2024年8月16日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  2. ^ a b 町丁別面積(総務省統計局「地図で見る統計(統計GIS)の数値」令和2年国勢調査)” (XLS). 川崎市 (2024年1月25日). 2024年3月20日閲覧。 “町丁別面積(総務省統計局「地図で見る統計(統計GIS)」の数値)
  3. ^ a b 有馬の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ 区別町名一覧表(宮前区)”. 川崎市 (2022年1月28日). 2022年4月10日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g 前川(1997)、P86~87
  7. ^ 不動産情報ライブラリ 国土交通省地価公示(標準地) 川崎宮前-30”. 国土交通省. 2024年4月5日閲覧。
  8. ^ 不動産情報ライブラリ 国土交通省地価公示(標準地) 川崎宮前-23”. 国土交通省. 2024年4月5日閲覧。
  9. ^ 不動産情報ライブラリ 国土交通省地価公示(標準地) 川崎宮前-9”. 国土交通省. 2024年4月5日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g h 角川(1984)、P88
  11. ^ a b c d e f 川崎市(1991)、P193~194
  12. ^ a b c d e f 川崎市(2004)、P14
  13. ^ a b c d e f 新編武蔵風土記稿.
  14. ^ a b c d 川崎市(2004)、P15
  15. ^ まさかうちの団地で ヒソヒソ話の主婦ら 不安げに川のぞきこむ『朝日新聞』1978年(昭和53年)4月11日朝刊、13版、23面
  16. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  17. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  18. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  19. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  20. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  21. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  22. ^ 宮前区の小学校(町丁名順)”. 川崎市 (2022年4月1日). 2022年4月24日閲覧。
  23. ^ 宮前区の中学校(町丁名順)”. 川崎市 (2020年12月28日). 2022年4月24日閲覧。
  24. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  25. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  26. ^ 郵便番号簿PDF(2023年度版) 表紙等付属資料” (PDF). 日本郵便. 2024年2月10日閲覧。 “郵便番号データダウンロード 郵便番号簿PDF(2023年度版)
  27. ^ 交番案内/宮前警察署/神奈川県警察”. 神奈川県警察. 2024年3月13日閲覧。

参考文献

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  • 「稲毛領 有間村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ62橘樹郡ノ5、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763983/94 
  • 「川崎地名辞典(下)」 日本地名研究所編、川崎市発行、2004年。
  • 角川日本地名大辞典 14 神奈川県」 竹内理三編、角川書店、1984年。
  • 「たちばな地名探訪」 前川清治、労働教育センター、1997年。ISBN 4-8450-0283-3
  • 「川崎の町名」日本地名研究所編、川崎市発行、1991年。