早崎瀬戸

島原半島と天草下島の間の海峡

早崎瀬戸(はやさきせと)は、長崎県島原半島南島原市)と熊本県天草諸島天草市)の間の海峡。

概要

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地図

早崎海峡」とも呼ばれる。

水深は最大150メートル、潮流は最大8ノットとされる。島原半島南部沿岸は起伏の激しい岩礁底が広がり、南端の瀬詰崎から対岸の天草下島まで4.4キロメートルほどであり、有明海の入口に位置することから、全国的に見ても潮流が早く、伊良湖水道大畠瀬戸と共に「日本三大潮流」のひとつに数えられている[注釈 1]橘湾に隣接している。海峡の内外には、通詞島亀島しか存在しない。

島原半島の南部は有明海でも最大規模のアマモ藻場を有しており、苓北町(旧富岡町)の富岡半島や通詞島の一帯には多様な海草海藻[注釈 2]の分布が見られるなど海洋生物にとって生息に適した環境が存在しており[4]プランクトンの発生が活発で魚の餌の宝庫であることからも、多くの魚種が集まる絶好の漁場が形成されている。おもにマダイアラカブカサゴ)・イセエビヒラメブリハマチ)・カワハギアジマダコ・ミズイカ(アオリイカ)などが漁獲される。

また、豊富な魚に集まるミナミバンドウイルカスナメリも周辺で見られ[4]、近年ではイルカウォッチングも観光資源として定着している。また、西彼杵半島[5]天草下島[6]の沿岸はかつては沿岸性のヒゲクジラ類回遊経路であり、近年にも周辺で出現例があり[7][8][9]有明海にもクジラが入り込んでいたり[10]捕鯨が行われていた可能性がある[11]ことからも、本来は早崎瀬戸もヒゲクジラ類[注釈 3]に利用されていたと思わしい。この他にも、橘湾ウミガメ[4]にとっても貴重な生息地であり、一帯ではアカウミガメアオウミガメ等が見られるが[15][16]、有明海の内部におけるウミガメ類の生息に適した環境は決して多くない[17][18]

関連項目

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 瀬詰崎灯台
  2. ^ 日本三大急潮流来島海峡!いざ世界初の三連吊橋と伝説の渦潮へ!/愛媛県今治市
  3. ^ 鹿児島の歩き方・観光ガイド情報, 鹿児島県阿久根市の黒之瀬戸海峡は阿久根市と長島の間にある日本三大急潮の一つです。
  4. ^ a b c 沿岸域 15302 天草・八代海南部”. 環境省. 2025年3月3日閲覧。
  5. ^ 西海捕鯨漁場
  6. ^ 山下義満, 1999年, 聞き書き「鯨」 一天草地方・牛深の事例として-, 日本海セトロジー研究, 第9号, 59-60頁
  7. ^ 山田格: “熊本県天草市でセミクジラ迷入”. 国立科学博物館 -. 海棲哺乳類情報データベース. 2015年10月2日閲覧。
  8. ^ “遠浅の海”にクジラ出現 漁師が撮影「衝撃的だった」”. 日本ニュースネットワーク (2022年2月16日). 2023年12月11日閲覧。
  9. ^ 4/12 え!本当に!? 天草に10m超えのクジラの訪問がありました
  10. ^ 戸田雄介, 甲能直樹, 鍔本武久「長崎県の島原市海岸で発見されたセミクジラの鼓室胞」『愛媛大学理学部紀要』第26号、愛媛大学、2024年2月29日、1-7頁、2025年1月7日閲覧 
  11. ^ 小長井町の文化財”. 2023年12月5日閲覧。
  12. ^ 志佐喜栄: “多久物語 六角川の迷い鯨”. 佐賀新聞 LIVE. 多久市郷土資料館 (2017年7月26日). 2025年3月5日閲覧。
  13. ^ "遠浅の海" にクジラ出現 漁師が撮影「衝撃的だった」”. 日本ニュースネットワーク (2022年2月16日). 2025年3月5日閲覧。
  14. ^ 4/12 え! 本当に!? 天草に10m超えのクジラの訪問がありました
  15. ^ 2章 有明海・八代海等の概要」『環境省』、1-6頁、2025年3月3日閲覧 
  16. ^ ウミガメ保護ハンドブック」『環境省』、日本ウミガメ協議会, 環境省自然環境局、2006年3月、6-9頁、2025年3月3日閲覧 
  17. ^ 2017年 ウミガメ速報」『うみがめニュースレター』第107巻、日本ウミガメ協議会、2018年11月30日、9-30頁、ISSN 1343-960X2025年3月3日閲覧 
  18. ^ 倉本満, 石井忠「福岡県のウミガメ 産卵と漂着の記録」『爬虫両棲類学会報』2003 (1)、日本爬虫両棲類学会、2003年、2-7頁、2025年3月3日閲覧 

座標: 北緯32度34分0秒 東経130度10分0秒 / 北緯32.56667度 東経130.16667度 / 32.56667; 130.16667