新書365冊
この記事の主題はウィキペディアにおける独立記事作成の目安を満たしていないおそれがあります。 (2011年11月) |
『新書365冊』(しんしょさんびゃくろくじゅうごさつ)は、評論家、コメンテーターの宮崎哲弥の新書ガイドである。2006年に朝日新書から刊行された。
雑誌『諸君!』の2002年1月号から2003年6月号に連載された「解体『新書』」と2003年7月号から2006年3月号に連載された「『今月の新書』完全読破」をジャンル別に再構成、加筆したものである。連載記事、「解体『新書』」では毎月1冊を紹介するスタイルであったが、「『今月の新書』完全読破」ではその月に出版された新書を完全読破し、ベスト新書を1冊、ベター新書を5冊、ワースト新書を1冊選んでレビューし、注目される5冊を「さらに5冊」として寸評をそえて紹介するという構成であった。再構成されたこの新書では、「教養」「哲学・論理学・数学」「政治・国際問題」「経済と金融・会計」「法と自由」「歴史・文学・ことば」「社会・会社」「若者・教育」「犯罪と監視社会」「生きる・死ぬ」「科学」「脳・心・からだ」「メディア」「文化」「宗教」に節分けされ、ワースト新書を集めた「問題な新書」の章と連載終了後の新書をインタビュー形式で評価する「緊急インタヴューその後の「新書完全読破」」からなる。
連載の行われた時期は出版各社が新書シリーズの創刊を行った「新書ブーム」の時代であり、毎月60冊から100冊を手にした述べている。宮崎は「新書は世界にも稀な大衆啓蒙メディア」で、気軽に広範な知識を提供してきたことに存在意義を求めるが、「教養」や「啓蒙」に対するニーズが変質し、出版社間の過当競争で質が低下していることを嘆いている。
ベストがつけられた新書
編集- 『教養主義の没落』(竹内洋)
- 『正義を疑え!』(山口意友)
- 『アナーキズム』(浅羽通明)
- 『国際政治とは何か』(中西寛)
- 『テロ―現代暴力論』(加藤朗)
- 『劇場政治を超えて』(原田武夫)
- 『アメリカ保守革命』(中岡望)
- 『アメリカ外交とは何か』(西崎文子)
- 『ナショナリズムの練習問題』(井崎正敏)
- 『日本の「ミドルパワー」外交』(添谷芳秀)
- 『歴史認識を乗り越える』(小倉紀蔵)
- 『エコノミストは信用できるか』(東谷暁)
- 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉)
- 『人間にとって法とは何か』(橋爪大三郎)
- 『自由とは何か』(佐伯啓思)
- 『父と娘の法入門』(大村敦志)
- 『憲法対論』(奥平康弘、宮台真司)
- 『日露戦争―もうひとつの「物語」』(長山靖生)
- 『歴史学ってなんだ?』(小田中直樹)
- 『戦後和解』(小菅信子)
- 『ファスト風土化する日本』(三浦展)
- 『パラサイト社会のゆくえ』(山田昌弘)
- 『若者が《社会的弱者》に転落する』(宮元みち子)
- 『狂気と犯罪』(芹沢一也)
- 『死生観を問い直す』(広井良典)
- 『私の臓器はだれのものですか』(生駒孝彰)
- 『不幸論』(中島義道)
- 『もう牛を食べても安心か』(福岡伸一)
- 『自然をつかむ7話』(木村龍治)
- 『心の専門家はいらない』(小沢牧子)
- 『行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由』(杉山尚子)
- 『霊はあるか』(安斎育郎)
- 『夢の科学』(アラン・ホブソン)
- 『戦争報道』(武田徹)
- 『少年犯罪実名報道』(高山文彦編)
- 『動物化する世界の中で』(東浩紀、笠井潔)
- 『葉隠の武士道』(山本博文)
- 『イスラーム世界の女性たち』(白須英子)
- 『ドキュメント 女子割礼』(内海夏子)
- 『現代ロシアを読み解く』(袴田茂樹)
- 『さまよう死生観 宗教の力』(久保田展弘)
- 『いきなりはじめる浄土真宗』『はじめたばかりの浄土真宗』(内田樹、釈徹宗)
- 最終章でベストの評価した新書は
書誌情報
編集- 宮崎哲弥 『新書365冊』(朝日新書) ISBN 978-4-02-273106-7