川原栄峰
川原 栄峰(かわはら えいほう、1921年10月10日[1] - 2007年1月23日[2])は、日本の哲学者。僧侶、早稲田大学名誉教授。主としてハイデッガー哲学を研究した。
来歴
編集徳島県の真言宗の寺に生まれる。1943年早稲田大学文学部哲学科卒業[2]。卒業直後、砲兵隊に入隊[2]。戦後は高野山で修行に励み、そのまま高野山大学の教員となった[2]。1957年早稲田大学法学部に移り、1973年同大学文学部教授[2]。1977年「ハイデッガーの思惟」で早稲田大学文学博士[2]。
1955年頃からドイツへの留学をかさね、カール・ヤスパースやマルティン・ハイデッガーといった人物と交友を持った[2]。ハイデルベルク大学(1956-1957年、1977-1978年)やマインツ大学(1982-1983年)に学ぶ。1984年、日本ヤスパース協会の再発足に際して、理事に就任した[2]。1992年、定年退職、名誉教授。2002年12月2日、高野山真言宗権大僧正に任ぜられる。
2007年1月23日、心不全のため死去[1]。
著書
編集翻訳
編集- マックス・ブロート/フェリクス・ヴェルチュ『カフカ その信仰と思想』岡田幸一共訳、パンセ書院 1954
- ルードヴィッヒ・ギース『ニーチェ 実存主義と力への意志』樫山欽四郎共訳、パンセ書院 1954、理想社 1970
- カール・レーヴィット『知識・信仰・懐疑』岩波書店 1959
- 『ハイデッガー選集 第9 形而上学入門』理想社 1960、平凡社ライブラリー 1994
- エゴン・フィエタ『ハイデッガーの存在論』理想社 1964 実存主義叢書
- イーヴォ・フレンツェル『ニーチェ』理想社 1967 ロ・ロ・ロ・モノグラフィー叢書
- 『ニーチェ全集 第14巻 この人を見よ 自伝集』理想社 1967
- ヘーゲル『世界の大思想 エンチュクロペディー』樫山欽四郎、塩屋竹男共訳、河出書房新社 1968、のちオンデマンド版
- リヒャルト・ヴィッサー編『ハイデッガーは語る』理想社 1973
- ルドルフ・オットー『現代キリスト教思想叢書 思考と存在-マルティン・ハイデガーの道と神学の道』小川圭治共訳、白水社 1975
- ヘルマン・グロックナー『哲学入門』監訳 中島徹ほか訳、理想社 1978
- J.デアボラフ『ヨーロッパ倫理学の足跡 早稲田大学創立100周年記念連続講義』編 高橋石明ほか訳、早稲田大学出版部 1984
- 『ハイデッガー全集 第29/30巻 形而上学の根本諸概念 世界-有限性-孤独』セヴェリン・ミュラー共訳、創文社 1998
- M.リーデル他『ハイデッガーとニーチェ 何をおいても私を取り違えることだけはしてくれるな!』監訳 南窓社 1998
- E.ケッテリング『ハイデッガーの思惟』 監訳 理想社 1989
脚注
編集参考
編集- [1]
- 読売新聞訃報