川うめ(かわうめ、川梅)は、三重県志摩市磯部町迫間にある料理店天保元年(1830年 - 1831年[注 1])創業で真珠養殖技術を確立した御木本幸吉が贔屓(ひいき)にしていた店舗である[1]

川うめ
店舗外観(2019年)
地図
地図
店舗概要
所在地 517-0214
三重県志摩市磯部町迫間3番地3
座標 北緯34度22分32.3秒 東経136度48分19.4秒 / 北緯34.375639度 東経136.805389度 / 34.375639; 136.805389 (川うめ)座標: 北緯34度22分32.3秒 東経136度48分19.4秒 / 北緯34.375639度 東経136.805389度 / 34.375639; 136.805389 (川うめ)
開業日 1965年(昭和40年)
天保元年(1830年 - 1831年)創業
営業時間 11:00 - 21:00
駐車台数 15台
外部リンク http://www.kawaume.com/
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川うめのある志摩市磯部町は、町内を流れる川の上流でウナギが獲れたことや養鰻場が近くにあったことから[2]、鰻料理が名物となっている[3]。町内にはほかに店舗が日本国登録有形文化財[4]である鰻料理店「中六」がある[3]

概説

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蒲焼き川うめ丼などのウナギ料理のほか、冬季には地域特産の的矢かき料理を提供し、「うなぎのとこ漬」は通信販売も行っている[5]。日本国産のウナギのみを使用する[6]2020年(令和2年)1月2日放送のテレビ東京番組出川哲朗の充電させてもらえませんか?』では出川哲朗稲垣吾郎らが来店し、的矢かきや鰻重を賞味した[7]

営業時間は11時から19時15分(ラストオーダー)までで[8]、不定休がある[6]。伊勢保健所から「いせしま健康もてなしの店」に認定されており、三重県産品の積極的な使用などに努めている[9]

川うめ丼

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川うめ丼は店主の山路太一が1980年代から1990年代頃に創作した鰻丼である[注 2]。川うめの名物料理であり、常連や地域の客からの注文が多いメニューである[10]

店主がウナギにネギ海苔を添え、ワサビを溶いたタレをかけてご飯とともに食べてみたところ美味であったため、正式なメニューとした[10][11]。後にシソの葉が追加され、2009年現在はサラダ肝吸いとともに供される[10]

川うめ丼として独立したメニューで供されるほか、セットメニューや定食の一品としても出されている[10]

歴史

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天保元年(1830年 - 1831年)創業[1][3]。創業当時はうどん弁当わらじの販売を主に手掛け、ウナギは天然物が獲れたときだけ提供していた[1]1893年(明治26年)頃には、御木本幸吉が英虞湾多徳島に養殖場を造るために鳥羽から向かう道中で昼食のために必ず立ち寄り、事業が軌道に乗るにつれ、焼き豆腐などの弁当からウナギ料理に注文するものが変わっていったという[1]。店主と御木本は親しい間柄となり、毎月25日には磯部の名所である伊雑宮・和合山(鸚鵡岩)・天の岩戸の3か所を巡る「三宮参り」をした[12]

『磯部郷土史』によれば、1960年代の川梅旅館は6つの客室を持ち、個人客20人・団体客40人を収容することが可能であり、テレビ受像機麻雀囲碁将棋を娯楽設備として備えていた[13]。また1965年(昭和40年)に鉄筋コンクリート構造3階建ての店舗を建設した[1]。食事は階段を上がった2階で供していた[1]

2007年(平成19年)3月に店内を改装し、これまで客席がなかった1階にもテーブル席と座敷を設けた[1]。同年10月1日には御木本から贈られた羽織や自筆の書などを展示するコーナーを設置した[12]

交通

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脚注

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注釈
  1. ^ 川うめは1830年(天保元年)創業としているが、天保に改元されたのは文政13年旧暦12月10日であり、これをグレゴリオ暦に換算すると1831年1月23日となり、正確には1830年のうちに天保元年であった日は存在しない。
  2. ^ 2009年発行の伊勢志摩経済新聞の記事では「約25年前」[10]、2005年発行の『'05-'06 伊勢 鳥羽 志摩 松阪』では「10年ほど前」と記載されている[8]
出典
  1. ^ a b c d e f g 御木本幸吉も立ち寄ったうなぎ料理店がリニューアル―1階に客席も”. 伊勢志摩経済新聞 (2007年4月19日). 2014年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月3日閲覧。
  2. ^ 磯部町の注目スポットを取材旅!”. ええじゃないか。平成弥次さん取材旅. 三重テレビ放送 (2013年4月8日). 2014年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月28日閲覧。
  3. ^ a b c 近畿日本ツーリスト出版センター(2005):118ページ
  4. ^ 志摩市市長公室 編(2011):19ページ
  5. ^ うなぎ料理店 川うめ”. 【プレット-Puret-】. プレット株式会社. 2014年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月3日閲覧。
  6. ^ a b c d 編集制作本部 関西編集部 編(2010):70ページ
  7. ^ ワイヤーアクション. “「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」で紹介されたレストラン・飲食店”. 価格.com. 2020年2月2日閲覧。
  8. ^ a b 近畿日本ツーリスト出版センター(2005):119ページ
  9. ^ 伊勢保健所/川うめ”. 伊勢保健所. 2014年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月3日閲覧。
  10. ^ a b c d e 「パールキング=御木本幸吉翁」が愛した志摩のうなぎ店考案の「川うめ丼」”. 伊勢志摩経済新聞 (2009年10月22日). 2014年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月3日閲覧。
  11. ^ 近畿日本ツーリスト出版センター(2005):118 - 119ページ
  12. ^ a b 志摩の鰻料理店「川うめ」で御木本幸吉翁の羽織など展示”. 伊勢志摩経済新聞 (2007年10月10日). 2014年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月3日閲覧。
  13. ^ 磯部郷土誌刊行会 編(1963):486ページ

参考文献

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  • 磯部郷土史刊行会 編『磯部郷土史』磯部郷土史刊行会、昭和38年5月10日、506p.
  • 編集制作本部 関西編集部 編『るるぶ 伊勢志摩 '11』るるぶ情報版近畿2、通巻3881号、JTBパブリッシング、2010年3月15日、133p. ISBN 978-4-533-07823-1
  • 『'05-'06 伊勢 鳥羽 志摩 松阪』ツーリスト情報版255、近畿日本ツーリスト出版センター、2005年3月31日、167p. ISBN 4-87638-755-9

外部リンク

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