島津 忠夫(しまづ ただお、1926年9月18日 - 2016年4月16日[1][2] )は、日本の国文学者瑞宝中綬章受章。

島津 忠夫しまづ ただお
人物情報
生誕 (1926-09-18) 1926年9月18日
日本の旗 日本
大阪府大阪市
死没 (2016-04-16) 2016年4月16日(89歳没)
日本の旗 日本
居住 兵庫県川西市
出身校 京都大学
学問
研究分野 国文学中世文学
研究機関 佐賀大学
愛知県立大学
大阪大学
武庫川女子大学
学位 文学博士
称号 大阪大学名誉教授
古今伝授の里フィールドミュージアム文学顧問
主要な作品連歌史の研究』(1969年)
『連歌師宗祇』(1991年)
『和歌文学史の研究』(1997年)
学会 日本近世文学会
主な受賞歴 角川源義賞(1998年)
芭蕉祭文部大臣奨励賞(1992年)
現代短歌大賞(2008年)
テンプレートを表示

経歴

編集
出生から修学期

1926年、大阪府大阪市で生まれた。住吉中学校大阪第一師範学校を経て、京都大学文学部に進んだ。1950年、同大学を卒業。

大学卒業後

卒業後は、市岡高校住吉高校で教諭を務めた。その後、佐賀大学文理学部助教授に就いた。愛知県立大学助教授に転じ、後に教授昇格。その後、大阪大学の教授をつとめた。1978年、学位論文『連歌史の研究』を大阪大学に提出して文学博士を取得[3]大阪大学を退任後は、名誉教授となった。その後は武庫川女子大学で教鞭をとった。

歌人として

自身も歌人として歌を詠み、歌誌『マグマ』、『日本歌人』に所属。現代歌人集会理事長も務めた。

受賞・栄典

編集
  • 1998年:『和歌文学史の研究[和歌篇・短歌篇]』で第20回角川源義賞受賞。
  • 2007年:春に瑞宝中綬章を受勲。
  • 2008年:『島津忠夫著作集』ならびに過去の業績により第31回現代短歌大賞受賞。

研究内容・業績

編集

専攻は中世文学。主に連歌俳諧和歌について研究を行った。主要著作は『島津忠夫著作集』(全16巻)にまとめられている。

島津忠夫文庫

2008年には郡上市大和町古今伝授の里フィールドミュージアム島津忠夫文庫が開設された[4]

著書

編集

単著

編集
  • 『頭註徒然草』飯田正一・山崎喜好監修 関書院(副読本双書) 1954年
  • 連歌史の研究』(角川書店)1969年
  • 『連歌の研究』(角川書店)1973年
  • 『中世文学史論』(和泉書院)1979年
  • 『能と連歌』和泉書院 1990年
  • 『近代短歌一首又一首』(明治書院)1990年
  • 『連歌師宗祇』(岩波書店)1991年
  • 『日本文学史を読む 万葉から現代小説まで』世界思想社 1992年
  • 『戦後の関西歌舞伎 私の劇評ノートから』和泉書院(上方文庫) 1997年
  • 『平家物語試論』汲古書院 1997年
  • 『和歌文学史の研究 和歌編』角川書店 1997年
  • 『歌集 心鋭かりき』(角川書店)1998年
著作集
  • 島津忠夫著作集』(全16巻) 和泉書院、2003年-2013年[5]
  1. 第1巻 文学史
  2. 第2巻 連歌
  3. 第3巻 連歌史
  4. 第4巻 心敬宗祇 (2004年)
  5. 第5巻 連歌・俳諧 資料と研究
  6. 第6巻 天満宮連歌史 (2005年)
  7. 第7-8巻 和歌史 (2005年)
  8. 第9巻 近代短歌史 (2006年)
  9. 第10巻 物語 (2006年)
  10. 第11巻 芸能史 (2007年)
  11. 第12巻 現代短歌論 (2007年)
  12. 第13巻 作品 短歌・連歌・随想 (2007年)
  13. 第14巻 国文学の世界 (2008年)
  14. 第15巻 拾遺・索引 (2009年)
  15. 別巻2巻 (2011年-2013年)

共編著

編集

校注

編集
  • 『雲玉和歌抄』衲叟馴窓編著、井上宗雄共編、古典文庫 1968年
  • 『百人一首』訳注 角川文庫 1969年
  • 「ひとりごと」『古代中世芸術論』(日本思想大系 23)校注、岩波書店 1973年
  • 宗長日記』校注、岩波文庫 1975年
  • 『中世評論集 歌論・連歌論 能楽論』(鑑賞日本古典文学 24) 福田秀一伊藤正義共編、角川書店 1976年
  • 『別本和漢兼作集と研究』日比野純三共編著、未刊国文資料刊行会 1976年
  • 『六家連歌抄』石川真弘共編 古典文庫 1976年
  • 『千句連歌集 1 文和千句・柴野千句・初瀬千句』共編、古典文庫 1978年
  • 『新潮日本古典集成 連歌集』校注 新潮社 1979年
  • 和泉流狂言選』野崎典子共編 和泉書院(和泉書院影印叢刊) 1980年
  • 『中世文学選』共編 和泉書院 1982年
  • 百人一首古注抄』上条彰次共編 和泉書院 1982年
  • 『無名野草』編 古典文庫 1990年
  • 竹林抄』(新日本古典文学大系 49) 鶴崎裕雄・光田和伸・乾安代共校注、岩波書店 1991年
  • 後水尾天皇百人一首抄』田中隆裕共編 和泉書院(百人一首注釈書叢刊) 1994年 
  • 『竜吟明訣抄』多田義俊講述、谷沢而立輯録、田島智子共編 和泉書院 1996年 百人一首注釈書叢刊
  • 『百人一首註解』乾安代共編 和泉書院 1998年 百人一首注釈書叢刊

関連資料

編集
  • 近本謙介「島津先生との思い出」『語文』107, 2017年doi.

脚注

編集
  1. ^ 島津忠夫著作集以後の著述目録・補訂」『語文』第112号、大阪大学国語国文学会、2019年6月、57-75頁。  62頁を参照。
  2. ^ “【訃報】島津忠夫氏=大阪大名誉教授”. 読売新聞. (2016年5月6日). https://web.archive.org/web/20160507133200/http://www.yomiuri.co.jp/obit/20160506-OYT1T50036.html 2016年5月6日閲覧。 
  3. ^ CiNii(学位論文)
  4. ^ 施設概要”. 古今伝授の里 フィールドミュージアム. 2020年3月8日閲覧。
  5. ^ 「島津忠夫著作集以後の著述目録・補訂」