宝性院 (古河市)

茨城県古河市にある真言宗豊山派の寺院

宝性院(ほうしょういん)は、茨城県古河市久能にある真言宗豊山派の寺院。山号を谷中山、院号を宝性院という。葛飾坂東観音霊場の第十四番札所。この霊場は宝性院の住持・秀伝和尚により、正徳4年(1714年)に創設されたもので、この寺が札元となっている。[1] [2]

宝性院
所在地 茨城県古河市久能596
位置 北緯36度09分42.7秒 東経139度46分30.2秒 / 北緯36.161861度 東経139.775056度 / 36.161861; 139.775056座標: 北緯36度09分42.7秒 東経139度46分30.2秒 / 北緯36.161861度 東経139.775056度 / 36.161861; 139.775056
山号 谷中山
開基 永和12年(1376年)
正式名 谷中山 宝性院 観音寺
札所等 葛飾坂東観音霊場第十四番札所
法人番号 4050005005721 ウィキデータを編集
宝性院の位置(茨城県内)
宝性院
宝性院
宝性院 (茨城県)
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歴史

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永和 2年(1376年)10月の開基とされる。明和 7年(1770年)3月に久能村が関宿藩に提出した書き上げによると、正徳4年(1714年)以降は古河市柳橋にある龍蔵院の末寺になる。正徳4年は、住持・秀伝が葛飾坂東観音霊場を創設した歳で、この寺も第十四番札所、札元となる。嘉永 6年(1853年)10月2日、当時の住持・賢明が死去した後は無住となった。[2] [3]

明治 3年(1870年)に新政府が行った寺籍調査でも無住とされ、弘道という名の留守居同心者がいた。また、本尊は大日仏、境内地が二千坪、檀家が51軒だった。旧桜井村により作成された『社寺多台帳』によれば、境内には本堂・観音堂・庫裡・不動堂があり、境内の外にも大日堂があったが、明治初期の廃仏毀釈のため寺は荒廃し、のちに本堂・庫裡は売却、大日堂も観音堂に合併された。現在は檀家によって維持されている。[2] [3]

境内

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  • 観音堂: 参道を入ると左手に観音堂がある。観音の三十三化身にちなみ、間口が3間3尺ある。観音堂の中には、高さ3尺3寸の十一面観音像が安置されている。[4] [3] [5]
  • 秀伝和尚の墓地: 観音堂左の墓地に、この寺の住持・秀伝の墓石がある。『下総巡礼歌』(龍蔵院所蔵・寛延2年2月吉日発行)によれば、秀伝は7月19日の夜、夢のお告げを受けて、観音霊場を開設。下総国葛飾郡・猿島郡・結城郡、および、下野国下都賀郡の寺に呼びかけて、正徳4年(1714年)秋、葛飾坂東観音霊場の第一回開帳を実現した。墓石には、その18年後の享保17年(1732年)3月19日、秀伝和尚が死去したと刻まれている。また墓石には、弟子の秀栄と「筆子一百輩」が建立したと記されており、秀伝は手習いの教授としても活躍していたことが分かる。[6] [7]
  • 十九夜念仏供養塔: 延享4年(1747年)造立。十九夜講は地域的な観音信仰で、女性が安産育児・子授け、病気の快癒、死後の供養などを祈願した。[6]

葛飾坂東観音霊場

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宝性院は葛飾坂東観音霊場の第十四番札所。ご詠歌は 「現当の くのふをまつる 観世音 大慈大悲の ちかいたのもし」[4]

葛飾坂東観音霊場では各寺院に「ご詠歌」があり、参拝時にご詠歌を唱えることは、経文読唱と同じ功徳があるとされる。[8]

交通

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  • 鉄道

脚注

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  1. ^ 『総和町史 民俗編』 466頁(観音堂)
  2. ^ a b c 『総和町史 通史編 近世』 392-393頁(町内の寺院 久能村・松本剣志郎 執筆)
  3. ^ a b c 『葛飾坂東観音霊場の考察と札所のご案内』 15-19頁(秀伝和尚の住寺「宝性院」)
  4. ^ a b 鈴木印刷所 制作・印刷・製本 『葛飾坂東札所めぐり公認ガイドブック 葛飾坂東観音御開帳』 平成26年(2014年)、56頁(宝性院)
  5. ^ 『葛飾坂東観音霊場の考察と札所のご案内』 77-78頁(宝性院)
  6. ^ a b 『葛飾坂東観音霊場の考察と札所のご案内』 1-14頁(葛飾坂東観音霊場のはじまり、など)
  7. ^ 『葛飾坂東観音霊場の考察と札所のご案内』 20-22頁(秀伝和尚の供養塔)
  8. ^ 鈴木印刷所 制作・印刷・製本 『葛飾坂東札所めぐり公認ガイドブック 葛飾坂東観音御開帳』 平成26年(2014年)、11頁(葛飾坂東観音御開帳のあらまし)
  9. ^ 駅西口前「花桃館」(まちなか再生市民ひろば)にて・古河市公式サイト 観光・歴史 古河市の観光パンフレット (PDF) (2013年12月14日時点のアーカイブ)より

参考文献

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  • 鈴木印刷所 制作・印刷・製本 『葛飾坂東札所めぐり公認ガイドブック 葛飾坂東観音御開帳』 平成26年(2014年)
  • 総和町史編さん委員会 編 『総和町史 通史編 近世』 総和町、平成17年(2005年)
  • 総和町史編さん委員会 編 『総和町史 民俗編』 総和町、平成17年(2005年)
  • 松本祐快 『葛飾坂東観音霊場の考察と札所のご案内』 シーズ、平成14年(2002年)