四臭化炭素(ししゅうかたんそ)は、化学式はCBr4で表される有機化合物である。テトラブロモメタン(Tetrabromomethane)とも呼ばれる。メタンの水素原子を全て臭素原子で置換した構造を取っている。

四臭化炭素
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識別情報
略称 R-10B4[要出典]
CAS登録番号 558-13-4 チェック
PubChem 11205
ChemSpider 10732 チェック
UNII NLH657095L チェック
EC番号 209-189-6
国連/北米番号 2516
MeSH carbon+tetrabromide
ChEBI
RTECS番号 FG4725000
バイルシュタイン 1732799
Gmelin参照 26450
特性
化学式 CBr4
モル質量 331.63 g mol−1
外観 無色~黄褐色の結晶
匂い 甘い香り
密度 3.42 g mL−1
融点

94 °C

沸点

190 °C (分解)

への溶解度 0.024 g/100 mL (30 °C)
溶解度 ジエチルエーテル、クロロホルム、エタノールに溶ける。
蒸気圧 5.33 kPa (at 96.3 °C)
磁化率 −93.73·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.5942 (100 °C)
構造
結晶構造 単斜晶系
分子の形 四面体
双極子モーメント 0 D
熱化学
標準生成熱 ΔfHo 26.0–32.8 kJ mol−1
標準燃焼熱 ΔcHo −426.2–−419.6 kJ mol−1
標準モルエントロピー So 212.5 J/mol K
標準定圧モル比熱, Cpo 0.4399 J K−1 g−1
危険性
安全データシート(外部リンク) inchem.org
GHSピクトグラム 腐食性物質 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H302, H315, H318, H335
Pフレーズ P261, P280, P305+351+338
NFPA 704
0
2
0
引火点 不燃性 [3]
許容曝露限界 無し[3]
半数致死量 LD50
  • 56 mg kg−1 (静脈, マウス)
  • 100 mg kg−1 (経口, ラット)
関連する物質
その他の陰イオン 四フッ化炭素
四塩化炭素
四ヨウ化炭素
その他の陽イオン 四臭化ケイ素
四臭化ゲルマニウム
臭化スズ(IV)
関連するアルカン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

用途

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有機合成化学において、臭素化剤として用いられる。トリフェニルホスフィンと組み合わせて用いると、穏和な条件下アルコールを相当する臭化物に変換することができる(アッペル反応)。

アルデヒドに対して過剰量の四臭化炭素とトリフェニルホスフィンを作用させることにより、ジブロモオレフィンへの変換が行える。これをブチルリチウムで処理することにより、元のアルデヒドに比べて一炭素増炭したアルキンが合成できる(コーリー・フックス反応)。

出典

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  1. ^ carbon tetrabromide – Compound Summary”. PubChem Compound. USA: National Center for Biotechnology Information (26 March 2005). 18 June 2012閲覧。
  2. ^ Carbon compounds: carbon tetrabromide”. 22 February 2013閲覧。
  3. ^ a b NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0106

関連項目

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外部リンク

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