テトラブロモエタン: Tetrabromoethane)は、ハロゲン化炭化水素の一種である。TBEとも略記される。

テトラブロモエタン
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識別情報
略称 TBE[3]
CAS登録番号 79-27-6 チェック
PubChem 6588
ChemSpider 6339 ×
EC番号 201-191-5
国連/北米番号 2504
MeSH 1,1,2,2-tetrabromoethane
RTECS番号 KI8225000
バイルシュタイン 1098321
特性
化学式 C2H2Br4
モル質量 345.65 g mol−1
外観 黄色の液体
匂い 刺激臭
密度 2.967 g mL−1
融点

°C, 273 K, 32 °F

沸点

243.5 °C, 517 K, 470 °F

への溶解度 678mg/L(25°C)[2]
有機溶媒[2]への溶解度 エーテルクロロホルムエタノール酢酸アニリンに混和
ベンゼンアセトンに可溶
四塩化炭素に微溶
蒸気圧 5.32Pa (24℃)[2]
屈折率 (nD) 1.637
熱化学
標準定圧モル比熱, Cpo 165.7 J K−1 mol−1
危険性
安全データシート(外部リンク) hells-confetti.com
GHSピクトグラム 急性毒性(高毒性)
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H319, H330, H412
Pフレーズ P260, P273, P284, P305+351+338, P310
EU分類 猛毒 T+
EU Index 602-016-00-9
NFPA 704
1
3
1
Rフレーズ R26, R36, R52/53
Sフレーズ (S1/2), S24, S27, S45
引火点 97℃
発火点 335℃
許容曝露限界 TWA 1 ppm (14 mg/m3)[3]
半数致死量 LD50
  • 1200mg/kg(ラット、経口)
  • 5250mg/kg(ラット、経皮)
関連する物質
関連するアルカン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1つの炭素原子に3つの臭素原子が結合すると熱力学的に不安定になるため、1,1,1,2-テトラブロモエタンとはならず、2つの炭素原子に臭素原子が2つずつ結合する1,1,2,2-テトラブロモエタンの形をとる。

4つの臭素原子が結合することにより、3 g/mLと、有機化合物の中では高い密度を持つ[4]。室温では液体で、その比重を生かし重液選鉱比重選鉱の一種)に利用される。石灰石ドロマイトなどはテトラブロモエタンに浮き、閃亜鉛鉱方鉛鉱黄鉄鉱などは沈殿する。液相をとる温度範囲が比較的広いこと、および蒸気圧が低いことから、ブロモホルムの代用としても使用される[4]。このほか、ワックスなどの溶媒難燃剤触媒などの用途もある[5]。摂取により急性中毒を生じることが知られている[6]

脚注

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  1. ^ 1,1,2,2-tetrabromoethane - Compound Summary”. PubChem Compound. USA: National Center for Biotechnology Information (26 March 2005). 20 June 2012閲覧。
  2. ^ a b c d 1,1,2,2-テトラブロモエタン東京化成工業
  3. ^ a b c d NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0009
  4. ^ a b Organic based heavy liquids, heavyliquids.com
  5. ^ 東賢一『建築に使われる化学物質事典』風土社、2006年5月1日、276頁。ISBN 4-938894-80-7 
  6. ^ A B van Haaften (1969). “Acute tetrabromoethane (acetylene tetrabromide) intoxication in man”. American Industrial Hygiene Association 30 (3): 251–256. doi:10.1080/0002889698506042. http://www.curehunter.com/public/pubmed5793994.do.