丸山信号場
丸山信号場(まるやましんごうじょう)は、かつて群馬県碓氷郡松井田町大字横川(現・同県安中市松井田町横川)に存在した、日本国有鉄道(国鉄)信越本線の信号場である。
丸山信号場 | |
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信号所跡地に建つ変電所跡(2009年6月) | |
まるやま Maruyama | |
◄横川 (1.8 km) (4.3 km) 熊ノ平► | |
所在地 | 群馬県碓氷郡松井田町大字横川(現・同県安中市松井田町横川) |
所属事業者 | 日本国有鉄道(国鉄) |
所属路線 | 信越本線 |
キロ程 | 31.5 km(高崎起点) |
電報略号 | マル |
駅構造 | 複線単線の接続点 |
開業年月日 | 1901年(明治34年)4月 |
廃止年月日 | 1966年(昭和41年)7月2日 |
歴史
編集当信号場より熊ノ平駅を経て矢ヶ崎信号場に至る区間は、かつて鉄道院・鉄道省・国鉄・JRを通じての最急勾配区間である66.7 ‰の勾配区間であり、1893年(明治26年)4月1日より1963年(昭和38年)9月30日まで国鉄唯一のアプト式鉄道にて運行されていた。当信号場は66.7 ‰の勾配区間の起点に位置しており、ラックレールのエントランス(開始地点)が設けられ、横川駅 - 軽井沢駅間の直流電化後には集電用の第三軌条が設けられた。また、熊ノ平駅までの単線区間の閉塞境界としての役割も担っていた。
1963年(昭和38年)7月15日に同区間をより直線的に結ぶ粘着式鉄道の新線が開通し、1966年(昭和41年)7月2日に廃止された。
年表
編集- 1885年(明治18年)10月15日:丸山信号所として開設。
- 1893年(明治26年)4月1日:当信号所を含む横川駅 - 軽井沢駅間が開業。当初はアプト式で単線。
- 1901年(明治34年)4月:横川駅 - 当信号所間が複線化。
- 1912年(明治45年)5月11日:横川駅 - 軽井沢駅間が電化(直流600 V・第三軌条方式)。
- 1922年(大正11年)4月1日:丸山信号場に変更[1]。
- 1963年(昭和38年)
- 1966年(昭和41年)7月2日:当信号場が廃止[1]。
- 2005年(平成17年)3月22日:シェルパくんが開業し、まるやま駅が開設される(通常運行開始は26日から)。
- 2011年(平成23年)
- 2013年(平成25年)3月27日:新造機関車導入により当駅からとうげのゆ駅まで(全区間)の運行を再開。
構造
編集横川方が複線、軽井沢方が単線の複線始終端形信号場である。軽井沢方面に安全側線を1本備える。また、横川方面(碓氷峠の反対側)に200‰の勾配を付けた非常時退避用(万一列車が何らかの事由により逆行した場合、引き込んで自然停車させるため)の長さ350 mの側線を設けていたが、これは昭和初期に撤去されている。
周辺
編集丸山変電所
編集当信号場の東側には丸山変電所跡がある[3]。建物が2棟あり、西の軽井沢側が機械室、東の横川側が蓄電池室。1912年(明治45年)碓氷峠区間の電化時に設置、1963年(昭和38年)のアプト式廃止後は放棄され建物は荒廃していたが、2001年(平成13年)から2002年(平成14年)にかけて修復工事が行われ、ほぼ建築当初の外見に戻された。横川駅そばにある碓氷峠鉄道文化むらの鉄道資料館内に、屋根がつぶれている状態の丸山変電所が写った空中写真が2020年9月現在掲示されている。2棟とも「旧碓氷峠鉄道施設」の構成物件として、1994年(平成6年)に国の重要文化財に指定された[4][5]。
その他
編集まるやま駅
編集シェルパくんはぶんかむら駅から旧信越本線の線路を使い、当駅を経由しとうげのゆ駅まで運行している。なお当駅・当路線は鉄道事業法に基づくものではない。
ホームは上下線の間にあるが、下り線にだけ接している1面1線である。また、25‰の勾配とカーブの上に設置されている。とうげのゆ行の列車のみ丸山変電所を見学できるように3分停車し、ぶんかむら行の列車はこの駅を通過する。当駅で折り返す列車を除き、当駅から乗車することはできない。
2011年5月に機関車(DB201)が故障し急勾配区間での運行ができなくなったため、ぶんかむら駅から当駅までリース機(MR1503)による折り返し運行となったが、2013年3月27日に新造機関車MR1106が導入され全区間の運行が再開された[6]。
隣の駅
編集脚注
編集- ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、574頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ “【丸山変電所内部公開・文化財保護課】(2018年)”. 安中市公式Twitter. 2020年12月5日閲覧。
- ^ “観光スポット > 旧丸山変電所”. 安中市. 2020年12月5日閲覧。
- ^ “旧碓氷峠鉄道施設 旧丸山変電所機械室 文化遺産オンライン”. 文化庁. 2020年12月5日閲覧。
- ^ “旧碓氷峠鉄道施設 旧丸山変電所蓄電池室 文化遺産オンライン”. 文化庁. 2020年12月5日閲覧。
- ^ 新「シェルパくん」登場。 2017年9月15日時点でのアーカイブ。