中性子源
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中性子源とは中性子を発生するものである。
中性子の発生方法
編集それぞれの方法に一長一短がある。
原子炉
編集原子炉から核分裂反応によって生成された中性子を照射する。日本国内の代表的な原子炉中性子源としては京都大学のKURや日本原子力研究開発機構のJRR-3等がある。
- 利点
- 安定して中性子を発生することができる。
- 欠点
- 装置が大掛かりになるため、建設費や維持管理費が高価
加速器
編集加速器によって加速された粒子線(陽子線や電子線など)をターゲットに照射して核反応あるいは核破砕反応を起こし、それによって中性子を発生させる[1]。
- 利点
- 安定して中性子を発生することができる。高エネルギーの中性子を発生することができる。
- 欠点
- 装置が大掛かりになるため、建設費や維持管理費が高価
核融合反応
編集焦電核融合やフューザーのような慣性静電閉じ込め核融合を使用して重水素の雰囲気中に高電圧を印加する事により核融合反応を生じて中性子を発生させる[2][3]。
- 利点
- 比較的小型の装置で中性子を発生することができる。
- 欠点
- 高エネルギーの中性子の発生が困難
放射性同位体
編集放射性同位体の崩壊によって発生した中性子を利用する。(α、n)反応を利用した241Am-9Beなどの(α、n)中性子源[4]、(γ、n)反応を利用した226Ra-9Beなどの光中性子源[5]や自発核分裂を利用した252Cf nなどの自発核分裂源などがある[6]。
- 利点
- 電源が無くても利用できる。
- 欠点
- 放射線同位体の厳重な管理が必要で厳重に遮蔽する必要がある。高エネルギーの中性子を発生することが困難。
用途
編集脚注
編集- ^ 鬼柳善明、「加速器中性子源とその応用」 『日本物理学会講演概要集』 2017年 72.1巻 セッションID:20aH12-2, p.562-563, doi:10.11316/jpsgaiyo.72.1.0_562, 日本物理学会
- ^ 吉川潔, 増田開, 代谷誠治 ほか、「超小型放電型核融合中性子源開発研究の現状と地雷探査への応用」 『計測と制御』 2006年 45巻 6号 p.535-540, doi:10.11499/sicejl1962.45.535, 計測自動制御学会
- ^ NISHIGAKI, Takuma, et al. 「慣性静電閉じ込め核融合(IECF)装置における中性子発生領域の研究」 『Journal of Advanced Science.』 2011年 22巻 3+4号 p.38-41, doi:10.2978/jsas.22.38, Society of Advanced Science.
- ^ 前畑京介「中性子の基礎物理」『医学物理』第42巻第2号、2022年、p.69
- ^ 石川勇「Ⅲ.中性子源1.RI中性子」『Radioisotopes』第45巻第10号、1996年、p.647
- ^ 和田延夫、「252Cf同位体中性子源を用いる熱中性子ラジオグラフィ」 『RADIOISOTOPES』 1981年 30巻 3号 p.177-185, doi:10.3769/radioisotopes.30.3_177, 日本中性子科学会
- ^ 最新型の爆弾検知器で空港セキュリティーは向上するか
- ^ 炉物理教科書:中級編(原子炉物理 (シリーズ:現代核科学の基礎))(2008年4月 日本原子力学会 制作)