不来内

宮城県黒川郡大郷町の大字
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不来内(こずない、英語: Kozunai)は、宮城県黒川郡大郷町にある大字であり、旧大谷郷不来内村、旧黒川郡不来内村、旧黒川郡大谷村不来内、旧黒川郡大郷村不来内に相当する。郵便番号は981-3512[2]

不来内
大字
不来内の集落
地図北緯38度26分14.312秒 東経141度3分8.359秒 / 北緯38.43730889度 東経141.05232194度 / 38.43730889; 141.05232194座標: 北緯38度26分14.312秒 東経141度3分8.359秒 / 北緯38.43730889度 東経141.05232194度 / 38.43730889; 141.05232194
日本の旗 日本
都道府県 宮城県の旗 宮城県
黒川郡
市町村 大郷町
地域 大谷東部地域[1]
人口情報2020年10月現在[1]
 人口 176 人
 世帯数 59 世帯
設置日 1889年明治22年)
4月1日
郵便番号 981-3512[2]
市外局番 022[3]
ナンバープレート 宮城
運輸局住所コード[4] 04806-0368
町字ID[5] 5000
ウィキポータル 日本の町・字
宮城県の旗 ウィキポータル 宮城県
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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地理

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不来内の田園風景

大郷町の東部に位置し、山崎・味明・羽生・川内と共に大谷東部地域に属する[1]。北部は山崎と、東部は松島町幡谷と、南東部は松島町初原と、南西部は味明と、西部は山崎および味明と接する[1]。宮城県道241号竹谷大和線以北一帯に農地が分布し、竹谷大和線以南に集落および丘陵が分布する[1]。農地は規制により保全され、原則農業利用以外への転用を禁じられている[1]

行政区は大郷町例規「大郷町行政区長設置条例」によれば、不来内の大部分が第4区に、残部が味明とともに、第3区に属する[6]

小字

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仙台法務局の「黒川郡大郷町登記所備付地図データ」(2024年10月5日時点)およびデジタル庁公表のアドレス・ベース・レジストリの「宮城県町字マスターデータセット」(2024年8月13日時点)および運輸局公表の「東北運輸局宮城運輸支局住所コード表」(2024年11月1日時点)によれば、不来内の小字は以下の通りである[7][4][5]

大字 小字 出典
町字マスター 運輸局コード 登記
不来内 字泉田
字一本松山
字一本木山
字堰場
字横沢
字沖ノ前
字間振沢
字宮下
字金井尻
字後沢
字向田
字行沢
字行沢迎
字山下
字山神
字舟付場
字小屋ノ入[注 1]
字小待井
字上要害 ×
字新泉田
字新田前
字深谷下
字深谷沢
字清五郎
字西沢 ×
字石保呂
字増切場
字太師堂
字大沢
字沢田
字沢田下
字沢田山
字鍛冶谷沢
字竹下
字中谷地
字仲沢 ×
字長沢
字堤下
字天神下
字天神原
字東一本木山
字東沢
字湯殿下
字藤方
字藤方沢
字堂屋ケ沢[注 2]
字堂屋場
字内畑
字南一本松山
字南沢 ×
字日影
字八合
字北一本松山
字北一本木山
字北橋
字本宮
字門前
字要害下
字獺沢[注 3]
字獺沢入[注 4]

明治期の小字

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宮城県各村字調書によると明治17,18年頃の不来内村の小字は以下の通りである。

  • 泉田
  • 城口
  • 沢田山
  • 沢田
  • 增切場
  • 金井尻
  • 沢田下
  • 向田
  • 内畑
  • 上要害
  • 沖ノ前
  • 天神原
  • 石保呂
  • 山下
  • 行沢向
  • 大沢
  • 行沢
  • 小待井
  • 藤方
  • 藤方沢
  • 堤下
  • 堂屋ケ沢
  • 間振沢
  • 壱本木山
  • 壱本松山
  • 日影
  • 八合
  • 山ノ神
  • 小屋ノ入
  • 北橋
  • 堰場
  • 行屋下
  • 門前
  • 永沢
  • 長沢
  • 堂屋場
  • 中谷地
  • 要害下
  • 横沢
  • 伊加江
  • 大師堂
  • 後沢
  • 清五郎
  • 竹下
  • 稲荷崎
  • 鍛冶谷沢
  • 的場
  • 鳥打場
  • 舟付場
  • 新田前
  • 深谷沢
  • 獺沢入
  • 獺沢
  • 深谷下

歴史

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鎌倉期から戦国期には、黒川郡とは別置の行政区である大谷保に含まれており、菅原氏や留守氏などの支配を経て、戦国末期には葛西氏の支配を受けた[8]。その後、葛西氏が滅亡し、慶長元年から慶長9年まで和久宗是の知行となった[8]

江戸期には、他の大谷の村々、高城郷、宮戸浜とともに、高城代官所の支配下におかれた[8]

安永風土記には、「こぢない」とある[9]

沿革

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  • 明治3年 - 大谷郷が廃止され、黒川郡に属す[10]
  • 明治5年 - 不来内村が羽生村・山崎村・味明村とともに第4大区第7小区に属する[11]
  • 1874年(明治7年)4月 - 不来内村が他の大谷の村々とともに第3大区小4区に属する[12]
  • 1889年(明治22年)4月 - 大谷11か村のうち土橋村・鶉崎村・東成田村・川内村・味明村・山崎村・羽生村・中村および不来内村の9か村が合併し、大谷村が成立。これに伴い、不来内村は大谷村の大字不来内となる。
  • 1954年(昭和29年) - 大谷村が粕川村・大松沢村と合併し、大郷村が成立。これに伴い、不来内は大郷村の大字となる。
  • 1971年(昭和46年) - 集団電話開通。水道敷設。
  • 2019年(令和元年) 10月 - 令和元年東日本台風で浸水害を受ける[13]

地名の由来

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凹地や谷間の沢という意味をもつアイヌ語の「コツナイ」が転訛して、不来内の地名が成立したと考えられている[9]。現に往古、不来内の地には品井沼が北から入り込んでいた[9]

施設

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大郷町公民館不来内分館
  • 大郷町公民館不来内分館(不来内字舟付場28-5)[14]

統計

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人口

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人口・世帯数の推移

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以下は2010年から2020年における不来内の人口推移を表すグラフである[1]。なお、10年間の人口の増加率は-29.9%で大郷町内で最小の増加率であった

2010年 251人
2011年 237人
2012年 236人
2013年 228人
2014年 222人
2015年 218人
2016年 210人
2017年 201人
2018年 182人
2019年 173人
2020年 176人

以下は2010年から2020年における不来内の世帯数推移を表すグラフである[1]。なお、10年間の世帯数の増加率は-9.2%で大郷町内で最小の増加率であった[1]

2010年 65世帯
2011年 66世帯
2012年 66世帯
2013年 66世帯
2014年 66世帯
2015年 66世帯
2016年 65世帯
2017年 65世帯
2018年 57世帯
2019年 57世帯
2020年 59世帯

高齢化率と若年人口率

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以下は2010年から2020年における不来内の高齢化率を表すグラフである[1]。なお、2020年の高齢化率は47.2%で大郷町内では成田川の次に大きい数値となった[1]

2010年 31.9%
2011年 31.2%
2012年 30.5%
2013年 32.0%
2014年 32.9%
2015年 32.1%
2016年 36.2%
2017年 38.8%
2018年 41.2%
2019年 43.9%
2020年 47.2%

以下は2010年から2020年における不来内の若年人口率を表すグラフである[1]。なお、2020年の若年人口率は5.7%で大郷町内では吉ケ沢、中粕川の次に小さい数値となった[1]

2010年 13.1%
2011年 11.8%
2012年 11.4%
2013年 11.4%
2014年 9.5%
2015年 9.6%
2016年 8.6%
2017年 8.0%
2018年 7.1%
2019年 4.6%
2020年 5.7%

交通

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道路

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大郷町不来内における宮城県道241号竹谷大和線。
一般県道
宮城県道241号竹谷大和線
町道
不来内横沢線[1]

鉄道

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域内に鉄道駅は存在しないが、最寄駅としては東日本旅客鉄道品井沼駅が挙げられる。

教育

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小・中学校の学区

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大郷町例規「大郷町立小学校及び中学校の通学区域に関する規則」によれば、不来内の小・中学校の学区は以下の通りとなる[15]

大字 字・番地 小学校 中学校
不来内 全域 大郷町立大郷小学校 大郷町立大郷中学校

脚注

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注釈

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  1. ^ 運輸局住所コード表には字小屋の入とある。
  2. ^ 運輸局住所コード表には字堂屋ヶ沢とある。
  3. ^ 運輸局住所コード表には獺沢とある。
  4. ^ 運輸局住所コード表には獺沢入とある。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 地域別構造” (pdf). 大郷町. 2024年9月16日閲覧。
  2. ^ a b 宮城県” (pdf). 日本郵便グループ. 2024年5月31日閲覧。
  3. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2025年1月12日閲覧。
  4. ^ a b 自動車登録関係コード検索システム”. 国土交通省. 2024年9月16日閲覧。
  5. ^ a b 宮城県 町字マスター データセット”. デジタル庁. 2025年1月11日閲覧。
  6. ^ 大郷町行政区長設置条例”. 大郷町 (2020年4月1日). 2025年1月11日閲覧。
  7. ^ 黒川郡大郷町(仙台地方法務局)登記所備付地図データ”. G空間情報センター. 一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会 (2024年10月5日). 2025年1月13日閲覧。
  8. ^ a b c 角川日本地名大辞典 1979, p. 131.
  9. ^ a b c 角川日本地名大辞典 1979, p. 244.
  10. ^ 角川日本地名大辞典 1979, p. 132.
  11. ^ 大郷町史 1980, p. 650.
  12. ^ 大郷町史 1980, p. 651.
  13. ^ 仙台地方振興事務所 農業農村整備部計画調整班: “台風第19号による被害状況(14日時点)”. 宮城県 (2019年10月18日). 2024年9月16日閲覧。
  14. ^ 指定避難所一覧”. 大郷町 (2022年2月14日). 2025年1月11日閲覧。
  15. ^ 大郷町立小学校及び中学校の通学区域に関する規則”. 大郷町. 2024年10月6日閲覧。

参考文献

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  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 4 宮城県、角川書店、1979年12月1日。ISBN 4040010302 
  • 大郷町史編纂委員会 編『大郷町史』武田寿雄、1980年5月7日。