NHK上方漫才コンテスト
NHK上方漫才コンテスト(エヌエイチケイかみがたまんざいコンテスト)は、NHK大阪放送局の主催により、1971年から毎年開催されている若手上方漫才家のための演芸コンクール。
NHK上方漫才コンテスト | |
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受賞対象 | 結成10年未満のプロの芸人 |
開催日 | 原則毎年2月最終、ないしは3月の第1・2金曜日 |
会場 | NHK大阪ホール[注 1] |
国 | 日本 |
主催 | NHK大阪放送局(NHK) |
司会 | 司会者の項を参照 |
報酬 | 優勝トロフィー、賞金50万円 |
初回 | 1971年 |
最新回 | 2024年 |
最新受賞者 | フースーヤ |
公式サイト | NHK上方漫才コンテスト |
現在は年度によるが、原則2月最終金曜日[注 2]、または3月の第1・2金曜日のいずれか(概ねNHKのど自慢チャンピオン大会の前日)にNHK大阪ホールで開催される[注 3]。
概要
編集関西(第53回から過去に関西で活動したコンビ/グループもOKに。)を拠点に活躍する結成10年以内のコンビ/グループを対象に、「漫才」「コント」「ピン芸」等のジャンルを問わず、有望な若手を発掘し、育成することを目的としたコンテストである。
在阪放送局主催の若手を対象にした演芸の賞では最も歴史ある大会である。
今大会で最優秀賞(優勝)を受賞した歴代の漫才師には中田カウス・ボタン、オール阪神・巨人、太平サブロー・シロー、トミーズ、ますだおかだ、フットボールアワー、笑い飯、銀シャリ、かまいたち、和牛などが飾り、優秀賞(準優勝)にはレツゴー三匹、海原千里・万里、ザ・ぼんち、島田紳助・松本竜介、ダウンタウン、ハイヒール、矢野・兵動、海原やすよ・ともこ、チュートリアル、麒麟、千鳥,、フースーヤなど上方漫才界に名を刻んだ漫才師や現在も第一線で活躍する漫才師が受賞している。
審査
編集2009年の第39回までは、一般的なコンクールと同様に出場コンビがそれぞれ漫才ネタを1本ずつ披露し、全部の演目終了後に審査員の厳正な審査のうえ、最優秀賞(初期は優秀話術賞)1組、優秀賞2組(当初は優秀努力賞と優秀敢闘賞をそれぞれ1組ずつ)を決定していた。大会名は「上方漫才コンテスト」となっているがジャンルは制限されておらず、コントや漫談なども参加できるフリースタイルな大会である。2017年度の優勝(最優秀賞)に選ばれたゆりやんレトリィバァもピン芸人だった[6]。
2010年の第40回からはそれまでの方式を見直し、以下の方式となった。
- 全応募コンビの中からまず予選大会を行い、その中で上位6組(第48回は8組)が決勝大会に進出する。
- 出場6組は本番前に組み合わせ抽選会を行って、3組ずつ(第48回は4組ずつ)2つのブロックに分けて1次審査を行い、その1次審査を勝ち上がった各ブロック1組ずつ(2組)の対戦による決勝審査を行うトーナメント方式。
- ネタの披露時間は1次審査は4分/組、決勝審査は8分/組(第48回は4分/組)。近年の演芸コンテストにおいてはショートネタが多くなったことから、より出場者の実力を試すという点で決勝審査では寄席などで行う時間に近い長時間のネタを披露できるようになった。
- 演目終了後、審査員の投票(2010年から2013年は7人、2014年以降は6人)により、最多得票を得たコンビの勝ち抜けとなる。第44回以降は、審査員に加えて、前述の審査員1枠削減の代わりとして、各ブロックおよび決勝審査終了後に行われたデータ放送による視聴者の投票で最も多く得票数を集めたコンビに視聴者票として1票が加わった。
- 実質的に優勝者が「最優秀賞」、準優勝者が「優秀賞」で、優秀賞相当の入賞が1枠減である。優勝者(最優秀賞受賞者)にはトロフィーと賞金50万円が贈られる[7]。
- 第40回から第43回までの優勝(最優秀賞)コンビは、近畿2府4県で撮影された「関西、たっぷり(NHK関西のキャッチフレーズ)」のアイキャッチ(関西地区限定)にも出演していた。
歴代受賞者/本選進出者(新人賞)
編集司会者
編集- 第31回(2001年) - 白鳥哲也アナウンサー、大桃美代子
- 第35回(2005年) - 伊藤雄彦アナウンサー、塚原愛アナウンサー
- 第36回(2006年) - RENA、小寺康雄アナウンサー
- 第37回(2007年) - U.K.、田代杏子アナウンサー
- 第38回(2008年) - U.K.、堀あかり
- 第39回(2009年) - 三倉茉奈・佳奈
- 第40回(2010年) - 陣内智則、大沢あかね
- 第41回(2011年) - 陣内智則、安田美沙子
- 第42回(2012年) - 陣内智則、岡本玲
- 第43回(2013年) - 陣内智則、吉木りさ
- 第44回(2014年) - 千原兄弟、荒木美和アナウンサー
- 第45回(2015年) - 千原兄弟、柳ゆり菜
- 第46回(2016年) - 千原兄弟、吉岡里帆
- 第47回(2017年) - 千原兄弟、朝比奈彩
- 第48回(2018年) - 千原兄弟、髙橋ひかる
- 第49回(2019年) - 千原兄弟、田中真琴
- 第50回(2020年) - 千原兄弟[注 4]
- 第51回(2021年) - 千原兄弟
- 第52回(2022年) - 千原兄弟
- 第53回(2023年) - 千原兄弟
- 第54回(2024年) - 千原兄弟、佐々木久美
放送される時期
編集近畿地方では基本的には2月最終金曜日、または3月の第1か第2金曜(概ね「NHKのど自慢チャンピオン大会」の前日に開催されることが多い)19時30分から20時45分(2007年 - 2012年は「かんさい特集」の時間枠相当)に公開生放送され、その他の地方では4月中旬ごろにミッドナイトチャンネルの枠で再放送される[注 3]。第51回(2021年)からはNHKプラス・ご当地プラスによる見逃し配信も行われる[8]。
関連番組
編集- 若者たちはいま「泣き笑い漫才コンテスト」(NHK総合テレビ/1975年7月29日放送)
- 東西若手漫才競演(NHK総合テレビ)
- NHK総合テレビにて1970年代~1980年代にかけて本牧亭にてNHK主催の「NHK漫才コンクール」、NHK大阪放送局主催の「NHK上方漫才コンテスト」の優秀成績者が一堂に会する演芸番組。漫才ブーム前夜の1978年度(1978年3月21日放送)にはツービートと島田紳助・松本竜介が初めて共演した[9]。
脚注
編集注釈
編集- ^ 第48回はNHK大阪放送局 T-2スタジオで開催。
- ^ 2016年の第46回は東日本大震災5周年、及びリオデジャネイロオリンピック女子サッカーアジア最終予選中継の都合により2月最終金曜(2月26日)に開催。2017年も、金曜日20時台が全国放送の定時番組『歴史秘話ヒストリア』を基本的に編成(最終週は地域別に差し替える場合、または左記番組のアンコールを放送する)しているため、その都合上2月最終金曜の2月25日開催予定。
- ^ a b 2021年の第51回は新型コロナウイルスの感染拡大および緊急事態宣言の発令を受け、予選含めての延期となり[1]、本戦は8月30日の開催(収録)、放送は9月16日19時30分からに決定した[2][3]。しかし、放送当日、直前に石川県で震度5弱を観測する地震が発生し、『NHKニュース7』が20時まで延長したため、放送が急遽延期された[4]。放送日時が再度設定され、同月23日22時から放送された[5]。
- ^ 当初は松井玲奈も司会者の予定であったが、新型コロナウイルス感染症に伴い開催が延期となり、千原兄弟のみが司会を務めることになった。
出典
編集- ^ “「第51回NHK上方漫才コンテスト」が開催延期に”. お笑いナタリー (ナターシャ). (2021年1月26日) 2021年9月16日閲覧。
- ^ “第51回NHK上方漫才コンテスト 開催決定”. NHK関西ブログ (2021年8月6日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ “「第51回NHK上方漫才コンテスト」放送日時が決定”. お笑いナタリー (ナターシャ). (2021年8月20日) 2021年9月16日閲覧。
- ^ “NHK上方漫才コンテスト、放送を急きょ延期 石川県で最大震度5弱を観測した地震の影響で”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2021年9月16日) 2021年9月16日閲覧。
- ^ “NHK延期の「上方漫才コンテスト」放送決定 優勝はビスケットブラザーズ”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2021年9月18日) 2021年9月18日閲覧。
- ^ “ゆりやんレトリィバァ『NHK上方漫才コンテスト』優勝 女性ピン芸人初の快挙”. ORICON NEWS (2017年2月24日). 2017年2月25日閲覧。
- ^ “ウーマンラッシュアワー、東京進出に弾み『NHK上方漫才コンテスト』優勝”. ORICON STYLE (2013年3月2日). 2013年3月14日閲覧。
- ^ “「NHK上方漫才コンテスト」9月23日に放送決定、地震ニュースで休止になっていた”. お笑いナタリー (2021年9月17日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ 2008年6月23日放送『クイズ!紳助くん』(朝日放送)での島田紳助の発言に、ビートたけし著『浅草キッド』、206頁の記述を補足。