三極座標
三極座標(さんきょくざひょう、英: tripolar coordinates)は、三角形を基準とする座標の一つである[1][2][3][4][5][6]。三極座標では△ABCに対して点の座標はと定義される[7]。現在、三極座標はほとんど使われない[8]。
関係式
編集レオンハルト・オイラーは三極座標 において、次の関係式が成り立つことを示した[9]。ただし は三角形の三辺。 和算家は次の式を六斜術と呼んだ[10]。
円と直線
編集比
編集について、三極座標 を満たす点 の個数は、 によって決定される[11]。
- が三角形を作れる(三角不等式を満たす)とき、2つ存在する。この二点は三極連合を成すと言われる[2]。
- が退化した三角形を作る(どれか2つの和が残り一つの値に等しい)とき1つ存在する。
- が三角形を作れない場合、存在しない。
たとえば を満たす点は二つの等力点である。
例
編集以下にいくつかの三角形の中心の三極座標を挙げる[7][12]。ただし は外接円の半径。
点 | 三極座標 |
---|---|
内心 | |
重心 | |
外心 | |
垂心 |
一般に重心座標で と表される点と頂点の距離の自乗は次の式で求める事ができる[10]。
出典
編集- ^ 『英和数学新字典』開新堂、1902年、69頁。doi:10.11501/826188。
- ^ a b Eugène Rouché,Charles de Comberousse 著、小倉金之助 訳『初等幾何学 第1巻 平面之部,Traité de géométrie. 7. éd』山海堂書店、1913年、566,633頁。doi:10.11501/930885 。
- ^ Gallatly, William『The modern geometry of the triangle』Cornell University Library、London, F. Hodgson、1910年、9頁 。
- ^ Bates, G. N. (1902-07). “Tripolar Coordinates” (英語). The Mathematical Gazette 2 (34): 183–188. doi:10.2307/3602490. ISSN 0025-5572 .
- ^ “Relating Trilinear and Tripolar Coordinates for a Triangle - Wolfram Demonstrations Project” (英語). demonstrations.wolfram.com. 2024年8月10日閲覧。
- ^ サーモン 著、小倉金之助 訳『解析幾何学 : 円錐曲線』山海堂、1914年、199頁。doi:10.11501/952208。
- ^ a b Weisstein, Eric W.. “Tripolar Coordinates” (英語). MathWorld. 2024年8月10日閲覧。
- ^ AP Hatzipolakis, F van Lamoen, B Wolk en P Yiu. Concurrency of Four Euler, 2001. voor Forum Geometricorum 1, blz 59-68, hier beschikbaar
- ^ Leonhard Euler『De symptomatibus quatuor punctorum, in eodem plano sitorum』Acta Acad. Sci. 。
- ^ a b 一松, 信、畔柳, 和生『重心座標による幾何学』現代数学社、2014年 。
- ^ BottemaO.; ErneReinie 著、BottemaO. 編(英語)『The Distances from a Point to the Vertices of a Triangle』Springer、2008年、1–5頁。doi:10.1007/978-0-387-78131-0_8。ISBN 978-0-387-78131-0 。
- ^ “三角形の五心と頂点までの距離”. 高校数学の美しい物語 (2021年3月7日). 2024年8月10日閲覧。