ヴァル・マクダーミド
ヴァル・マクダーミド(Val McDermid、1955年6月4日 - )は、スコットランド出身の女性推理作家。代表作はトニー・ヒル博士が主人公のサスペンス小説のシリーズ。
ヴァル・マクダーミド (Val McDermid) | |
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ヴァル・マクダーミド(2007) | |
誕生 |
1955年6月4日(69歳) スコットランド ファイフ |
職業 | 小説家 |
言語 | 英語 |
国籍 | スコットランド |
最終学歴 | オックスフォード大学 |
活動期間 | 1987年 - |
ジャンル | ミステリ |
主な受賞歴 |
ゴールド・ダガー賞 1998年 Star Struck |
デビュー作 | "Report for Murder" |
公式サイト | http://www.valmcdermid.com |
ウィキポータル 文学 |
経歴
編集スコットランド東部、ファイフのカークカルディ出身。地元の公立カークカルディ高校卒業後、オックスフォード大学セント・ヒルダ・カレッジで学ぶ。卒業後はジャーナリストとなり、劇作家だった時期もある。1987年、リンゼイ・ゴードン・シリーズの第1作『Report for Murder 』を上梓し注目される。
作品概要
編集マクダーミドの著作に登場するキャラクターで有名なのは、レズビアンのジャーナリスト、リンゼイ・ゴードンや、私立探偵ケイト・ブラナガン、性機能障害に悩む心理学者トニー・ヒルなどである。1995年に始まったトニー・ヒル&キャロル・ジョーダンシリーズの第9作『殺しの儀式』(原題:The Mermaids Singing )でCWA賞のゴールド・ダガー賞を受賞する。暴力描写などが特に優れているとされる同シリーズは「ワイヤー・イン・ザ・ブラッド」のタイトルでテレビドラマ化された[注 1]。
マクダーミドの作品はタータン・ノワールと呼ばれるスコットランド風のミステリとされる[1]。新聞に小説以外の記事を寄稿したり、BBCラジオ4やBBCラジオ・スコットランドに出演することもある[2]。
ハーパー・リーの『アラバマ物語』を好きな小説の一つに挙げている。また、ディテクションクラブのメンバーである。
マクダーミド・スタンド
編集地元カークカルディのプロサッカークラブ、レイス・ロバーズのスタークス・パークに、マクダーミドが出資したマクダーミド・スタンドがある。新刊を出す時には度々看板に広告を出し、同クラブのスカウトを務めていたマクダーミドの父親はその試みを光栄に思っていた[3]。スタンドのスポンサーになった翌年にクラブの取締役会の1人になった。
私生活
編集マクダーミドはレズビアンである。人工授精で授かった息子キャメロンの後見人を前パートナーと務めている。レイス・ロバーズのサポーターである[2][4]。現在は3匹の猫とマンチェスターとノーサンバーランドに暮らしている[5]。
作品リスト
編集シリーズ作品
編集- リンゼイ・ゴードン シリーズ
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- Report for Murder (1987)
- Common Murder (1989)
- Final Edition (1991)
- Union Jack (1993)
- Booked for Murder (1996)
- Hostage to Murder (2003)
- ケイト・ブラナガン シリーズ
# 邦題 原題 刊行年
刊行年月
訳者 出版社
1 ロック・ビート・マンチェスター Dead Beat 1992年 1998年4月 森沢麻里 集英社文庫 2 Kick Back 1993年 3 Crack Down 1994年 4 Clean Break 1995年 5 Blue Genes 1996年 6 Star Struck 1998年
- トニー・ヒル&キャロル・ジョーダン シリーズ
# 邦題 原題 刊行年
刊行年月
訳者 出版社
1 殺しの儀式 The Mermaids Singing 1995年 1997年4月 森沢麻里 集英社文庫 2 殺しの四重奏 The Wire in the Blood 1997年 1999年6月 森沢麻里 集英社文庫 3 殺しの迷路 The Last Temptation 2002年 2004年7月 森沢麻里 集英社文庫 4 殺しの仮面 The Torment of Others 2004年 2006年4月 宮内もと子 集英社文庫 5 Beneath the Bleeding 2007年 6 Fever of the Bone 2009年 7 The Retribution 2011年
シリーズ外作品
編集# | 邦題 | 原題 | 刊行年 |
刊行年月 |
訳者 | 出版社 |
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1 | 女に向いている職業―女性私立探偵たちの仕事と生活(ノンフィクション) | A Suitable Job for a Woman | 1994年 | 1997年11月 | 高橋佳奈子 | 朝日新聞社 |
2 | (短編集) | The Writing on the Wall | 1997年 | |||
3 | 処刑の方程式 | A Place of Execution | 1999年 | 2000年12月 | 森沢麻里 | 集英社文庫 |
4 | シャドウ・キラー | Killing the Shadows | 2000年 | 2001年9月 | 森沢麻里 | 集英社文庫 |
5 | 過去からの殺意 | The Distant Echo | 2003年 | 2005年3月 | 宮内もと子 | 集英社文庫 |
6 | 壁に書かれた預言(短編集) | Stranded | 2005年 | 2008年2月 | 宮内もと子 | 集英社文庫 |
7 | The Grave Tattoo | 2006年 | ||||
8 | 迷宮の淵から | A Darker Domain | 2008年 | 2012年6月 | 横山啓明 | 集英社文庫 |
9 | Trick of the Dark | 2010年 |
受賞・ノミネート歴
編集- 1994年:"Crack Down" でCWA賞ゴールド・ダガー賞ノミネート
- 1995年:『殺しの儀式』でゴールド・ダガー賞受賞
- 1998年:"Star Struck" でフランス犯罪小説大賞受賞
- 1999年:『処刑の方程式』でゴールド・ダガー賞ノミネート
- 2000年:『処刑の方程式』でバリー賞英国ミステリ賞受賞
- 2001年:『処刑の方程式』でマカヴィティ賞長編賞受賞、アンソニー賞長編賞受賞、ディリス賞受賞、エドガー賞 長編賞ノミネート
- 2002年:『シャドウ・キラー』でバリー賞英国ミステリ賞ノミネート
- 2004年:『過去からの殺意』でバリー賞英国ミステリ賞受賞、『殺しの仮面』でゴールド・ダガー賞ノミネート
- 2010年:CWA賞ダイヤモンド・ダガー賞(功労賞)受賞
- 2011年:"Fever at the Bone" でバリー賞ペーパーバック賞ノミネート
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “Val McDermid - News & Events - Round the World”. ValMcDermid.com. 2007年7月9日閲覧。
- ^ a b “Val McDermid - Biography”. ValMcDermid.com. 2007年7月9日閲覧。
- ^ “Dining In The Streets Of Raith”. valmcdermid.com. 29 October 2011閲覧。
- ^ Mina, Denise (February 2002). “Denise Mina talks to Val McDermid”. Sunday Herald. オリジナルの2007年9月28日時点におけるアーカイブ。 2007年7月9日閲覧。
- ^ Flockhart, Susan (May 2004). “Murder In Mind”. Sunday Herald 2007年7月18日閲覧。
外部リンク
編集- Welcome to the official website of the celebrated and best selling Scottish crime writer Val McDermid… 公式ウェブサイト
- ヴァル・マクダーミド - Contemporary Writers (British Council)
- Val McDermid talks about the novels that have influenced her in the Guardian bookshop challenge
- ヴァル・マクダーミド - IMDb