ヤコブ・ファン・ヘームスケルク (海防戦艦)


竣工当時の「ヤコブ・ファン・ヘームスケルク」
艦歴
発注 アムステルダム造船所
起工 1904年
進水 1906年9月22日
就役 1908年
退役
その後 1975年解体処分
除籍 1972年
前級 マールテン・ハーペルソン・トロンプ
次級 デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン
性能諸元
排水量 常備:4,920トン
満載:-トン
全長 98.0m
-m(水線長)
全幅 15.19m
吃水 5.69m
機関 ヤーロー石炭専焼缶6基
+三段膨張式レシプロ機関2基2軸推進
最大
出力
6,400hp
最大
速力
16.5ノット
航続
距離
10ノット/3,300海里(石炭:680トン)
乗員 340名
兵装 クルップ C/94 24cm(40口径)単装砲2基
クルップ 1866年型 15cm(40口径)単装砲6基
1895年型 7.5cm(40口径)単装砲6基
1879年型 3.7cm(23口径)単装砲4基
45cm水中魚雷発射管単装2基
装甲 クルップ鋼製
舷側:102~152mm
甲板:51mm
主砲塔:102mm(前盾)
主砲バーベット部:192mm(甲板上部)、152mm(甲板下部)
副砲塔:-mm
司令塔:194mm

ヤコブ・ファン・ヘームスケルク (Hr. Ms. Jacob van Heemskerck) は、オランダ海軍海防戦艦

艦形

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船体形状はこの当時の列強主力艦と同じく、排水量に比較して凌波性を良くするために乾舷が高められた平甲板型船体を採用している。水面下に衝角の付く艦首から全く傾斜のない艦首甲板上に「クルップ 1902年型 24cm(40口径)砲」を収めた主砲塔が1基、司令塔を下部に組み込み、両脇に船橋(ブリッジ)を持つ箱型の艦橋、簡素な単脚式の前檣、1本煙突の周囲には煙管型の通風筒が立ち、煙突の後部は艦載艇置き場となっており、2本1組で片舷2組ずつのボート・ダビットにより運用される。簡素な単脚式の後檣、そこから一段下がって後部甲板上に後ろ向きの24cm単装主砲塔の順である。副砲の15cm単装砲は単装砲架で片舷3基ずつ計6基を装備した。副砲は首尾線方向への射界を少しでも得るために船体の一部を切り欠いている。この武装配置により艦首尾方向に24cm砲1門、15cm砲2門が、舷側方向に24cm砲2門、15cm砲3門が指向できた。

主砲

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主砲は「クルップ 1902年型 24cm(40口径)砲」を採用した。その性能は170kgの砲弾を、最大仰角20度で14,630mまで届かせられた。この砲を新設計の単装砲塔に収めた。俯仰能力は仰角20度・俯角4度である。旋回角度は単体首尾線方向を0度として左右120度の旋回角度を持つ、主砲身の俯仰・砲塔の旋回・砲弾の揚弾・装填は主に水圧で行われ、補助に人力を必要とした。発射速度は2分間に1発が発射できた。

艦歴

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1905年8月15日、アムステルダム工廠で起工[1]。1906年9月22日進水[1]。1908年4月22日竣工[1]。建造費は約466万グルデンであった[1]

「ヤコブ・ファン・ヘームスケルク」は西インド諸島に配備された[1]。1908年にはオランダとベネズエラの間で紛争が発生しており、「ヤコブ・ファン・ヘームスケルク」と巡洋艦「ヘルダーラント」、「フリースラント」が派遣されて11月1日よりベネズエラ沿岸の巡回を開始した[2]。「ヤコブ・ファン・ヘームスケルク」は12月9日にベネズエラの沿岸警備艇を拿捕した[1]

本国に戻っていた間には、1910年5月にエドワード7世の葬儀に参列するヘンドリク王子を運び[3]、1911年にジョージ5世戴冠記念観艦式に派遣された[4]

戦間期に行われた改装では副砲2門の撤去と水上機揚収クレーンの装備がなされ、次いでボフォース40mm機関砲2門搭載の浮砲台「エイマイデン (Ijmuiden)」となった[5]。浮砲台としては1939年4月19日に再就役し、エイマイデンに配置された[5]

第二次世界大戦でドイツがオランダに侵攻すると、1940年5月14日に自沈[5]。7月16日に艦を浮揚したドイツ軍は対空砲台へと改装し、「ウンディーネ (Undine)」と命名した[5]

戦後はオランダに返還され、宿泊艦「ネプトゥヌス (Neptunus)」となる[5]。1963年5月10日解役[5]。1974年まで海軍士官学校で使用された後、1975年に解体のため売却された[5]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 『海防戦艦』308ページ
  2. ^ Jantinus Mulder, Protected cruiser Gelderland, pp. 40-41
  3. ^ 『海防戦艦』308-309ページ
  4. ^ Jantinus Mulder, Protected cruiser Gelderland, p. 41
  5. ^ a b c d e f g 『海防戦艦』309ページ

参考文献

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  • 橋本若路『海防戦艦 設計・建造・運用 1872~1938』イカロス出版、2022年、ISBN 978-4-8022-1172-7
  • Jantinus Mulder, Protected cruiser Gelderland, Lanasta, 2015, ISBN 978-90-8616-195-9
  • 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)
  • 「Conway All The World's Fightingships 1906–1921」(Conway)
  • 「Conway All The World's Fightingships 1922-1946」(Conway)
  • 「Jane's Fighting Ships Of World War I」(Jane)

関連項目

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外部リンク

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