モノフルオロ酢酸(モノフルオロさくさん)は化学式C2H3FO2化学物質で、カルボン酸の一種である。フルオロ酢酸(fluoroacetic acid)、gifblaar poison とも呼ばれる。

モノフルオロ酢酸
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  炭素, C
  水素, H
  酸素, O
  フッ素, F
識別情報
CAS登録番号 144-49-0 チェック
PubChem 5237
ChemSpider 10205670
UNII AP1JV9U41M チェック
EC番号 205-631-7
国連/北米番号 2642
KEGG C06108
ChEBI
ChEMBL CHEMBL509273
RTECS番号 AH5950000
バイルシュタイン 1739053
Gmelin参照 25730
3DMet B00905
特性
化学式 C2H3FO2
モル質量 78.04 g mol−1
外観 白色の固体
密度 1.369 g/cm3
融点

35.2 °C, 308 K, 95 °F

沸点

165 °C, 438 K, 329 °F

への溶解度 水とエタノールに溶ける
危険性
GHSピクトグラム 腐食性物質急性毒性(高毒性)水生環境への有害性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H300, H314, H400
Pフレーズ P260, P264, P270, P273, P280, P301+310, P301+330+331, P303+361+353, P304+340, P305+351+338, P310, P321, P330, P363
主な危険性 強い毒性と腐食性
半数致死量 LD50 7 mg/kg (ラット, 経口)
関連する物質
関連物質
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酢酸のメチル基を構成する水素の1つが、フッ素原子に置き換わったものである。

日本では毒物及び劇物取締法(毒劇法)により、特定毒物に指定される物質である。

毒性

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フッ素の原子半径は小さいため、モノフルオロ酢酸は酢酸と間違えられて好気性代謝(酸素呼吸)の経路に取り込まれる。やがてフルオロクエン酸へと変換を受け、これが細胞の主たるエネルギー生産手段であるクエン酸回路を阻害、結果としてその生物を死に至らしめる[1]

この毒性は、上記代謝に依存する生物であれば動物、植物を問わない。

用途

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モノフルオロ酢酸ナトリウム(別名:1080)が殺鼠剤に、モノフルオロ酢酸アミド殺虫剤に使われる。

いずれもモノフルオロ酢酸の単体と同様、上記の法律で特定毒物に指定されている。

所在

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南半球を中心に、モノフルオロ酢酸塩(カリウム塩)を含む有毒植物が産する。別名の由来となった gifblaar (カイナンボク科、学名:Dichapetalum cymosum) は、南アフリカ等のアフリカ南部産の有毒植物である。この植物の周囲の土壌には上述の物質が含まれるため、他の植物は全く生育できず、土が剥き出しになるほどである。有機フッ素化合物が天然に存在する数少ない例の一つである。

脚注

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関連する物質

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