マ・レイニーのブラックボトム (映画)
『マ・レイニーのブラックボトム』(原題: Ma Rainey's Black Bottom)は、2020年に配信されたアメリカ合衆国のドラマ映画。監督はジョージ・C・ウルフ、主演はヴィオラ・デイヴィスが務めた。本作はオーガスト・ウィルソンが1982年に発表した戯曲『Ma Rainey's Black Bottom』を原作としている。また、本作はチャドウィック・ボーズマンの遺作となった[1]。
マ・レイニーのブラックボトム | |
---|---|
Ma Rainey's Black Bottom | |
監督 | ジョージ・C・ウルフ |
脚本 | ルーベン・サンチャゴ=ハドソン |
原作 | オーガスト・ウィルソン『Ma Rainey's Black Bottom』 |
製作 |
トッド・ブラック デンゼル・ワシントン ダニー・ウルフ |
出演者 |
ヴィオラ・デイヴィス チャドウィック・ボーズマン グリン・ターマン コールマン・ドミンゴ |
音楽 | ブランフォード・マルサリス |
撮影 | トビアス・A・シュリッスラー |
編集 | アンドリュー・モンドシェイン |
製作会社 | Netflix |
配給 | Netflix |
公開 | 2020年12月18日 |
上映時間 | 94分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
概略
編集1927年のシカゴ。野心家のトランペッター、レヴィーが所属するバンドは「ブルースの母」と呼ばれた伝説的歌手、マ・レイニーのレコーディングに参加した。レコーディングが進むにつれて、マ・レイニーは白人のマネジャーやプロデューサーと激しく衝突するようになり、スタジオ内がピリピリとした雰囲気になった。揉め事やトラブルが発生するたび、レヴィーたちはリハーサル用の部屋で待機を命じられた。待機中、レヴィーは自らの思いを他のメンバーに吐露し始めたが、それをきっかけにバンドの運命が大きく変わることになった。
キャスト
編集※括弧内は日本語吹替。
- マ・レイニー:ヴィオラ・デイヴィス(五十嵐麗)
- レヴィー:チャドウィック・ボーズマン(佐藤せつじ)
- トレド:グリン・ターマン(小林操)
- カトラー:コールマン・ドミンゴ(宝亀克寿)
- スロー・ドラッグ:マイケル・ポッツ(樋浦勉)
- ダッシー・メイ:テイラー・ペイジ(阿部彬名)
- シルヴェスター:デューサン・ブラウン(山口智広)
- スターディヴァント:ジョニー・コイン(福沢良一)
- アーヴィン:ジェレミー・シェイモス(牛山茂)
製作
編集2015年9月17日、デンゼル・ワシントンがHBOと共同で戯曲『Ma Rainey's Black Bottom』の映画化を進めており、ワシントン自らメガホンを取ると報じられた[2]。その後、本作の企画はHBOの手を離れ、Netflixによって進められた。2019年6月、ワシントンに代わってジョージ・C・ウルフが監督を務めることになると共に、ヴィオラ・デイヴィス、チャドウィック・ボーズマン、グリン・ターマン、マイケル・ポッツ、コールマン・ドミンゴが起用された[3]。同月19日、ブランフォード・マルサリスが本作で使用される楽曲を手がけるとの報道があった[4]。7月2日、テイラー・ペイジ、ジョニー・コイン、ジェレミー・シェイモス、デューサン・ブラウンがキャスト入りした[5]。同月上旬、本作の主要撮影がペンシルベニア州のピッツバーグで始まった[6]。
マーケティング
編集2020年10月1日、本作の劇中写真が初めて公開された[7]。18日、本作のポスターが公開された[8]。19日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[9]。
評価
編集本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには277件のレビューがあり、批評家支持率は98%、平均点は10点満点で8.2点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「ヴィオラ・デイヴィスとチャドウィック・ボーズマンのエネルギッシュな名演のお陰で、『マ・レイニーのブラックボトム』はブルース界の伝説だけではなく、黒人文化全体に対して心からの敬意を払った作品に仕上がっている。」となっている[10]。また、Metacriticには46件のレビューがあり、加重平均値は87/100となっている[11]。
受賞・ノミネート
編集賞 | 発表日 | カテゴリ | 対象 | 結果 | 出典 |
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ボストン映画批評家協会賞 | 2020年12月13日 | アンサンブル・キャスト賞 | 受賞 | [12] | |
ボストン・オンライン映画批評家協会賞 | 2020年12月19日 | アンサンブル演技賞 | 受賞 | [13] | |
ロサンゼルス映画批評家協会賞 | 2020年12月20日 | 主演男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | 受賞 | [14] |
主演女優賞 | ヴィオラ・デイヴィス | 次点 | |||
助演男優賞 | グリン・ターマン | 受賞 | |||
シカゴ映画批評家協会賞 | 2020年12月21日 | 主演男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | 受賞 | [15][16] |
主演女優賞 | ヴィオラ・デイヴィス | ノミネート | |||
作曲賞 | ブランフォード・マルサリス | ノミネート | |||
衣装デザイン賞 | ノミネート | ||||
全米映画批評家協会賞 | 2021年1月9日 | 主演男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | 2位 | [17] |
主演女優賞 | ヴィオラ・デイヴィス | 2位 | |||
助演男優賞 | グリン・ターマン | 2位 | |||
ゴッサム・インディペンデント映画賞 | 2021年1月11日 | 男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | ノミネート | [18][19] |
サンディエゴ映画批評家協会賞 | 2021年1月11日 | 主演男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | ノミネート | [20][21] |
主演女優賞 | ヴィオラ・デイヴィス | ノミネート | |||
脚色賞 | ルーベン・サンチャゴ=ハドソン | ノミネート | |||
音楽賞 | ノミネート | ||||
衣装デザイン賞 | ノミネート | ||||
サンフランシスコ映画批評家協会賞 | 2021年1月18日 | 主演男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | 受賞 | [22] |
主演女優賞 | ヴィオラ・デイヴィス | ノミネート | |||
脚色賞 | ルーベン・サンチャゴ=ハドソン | ノミネート | |||
美術賞 | ノミネート | ||||
オンライン映画批評家協会賞 | 2021年1月25日 | 主演男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | ノミネート | [23][24] |
主演女優賞 | ヴィオラ・デイヴィス | ノミネート | |||
脚色賞 | ルーベン・サンチャゴ=ハドソン | ノミネート | |||
ニューヨーク映画批評家オンライン賞 | 2021年1月26日 | 音楽賞 | 受賞 | [25] | |
ユタ映画批評家協会賞 | 2021年2月13日 | 主演男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | 次点タイ | [26] |
ゴールデングローブ賞 | 2021年2月28日 | 主演男優賞 (ドラマ部門) | チャドウィック・ボーズマン | 受賞 | [27][28] |
主演女優賞 (ドラマ部門) | ヴィオラ・デイヴィス | ノミネート | |||
全米映画俳優組合賞 | 2021年4月4日 | キャスト賞 | ヴィオラ・デイヴィス、チャドウィック・ボーズマン、グリン・ターマン、ジョニー・コイン、マイケル・ポッツ、コールマン・ドミンゴ | ノミネート | [29][30] |
主演男優賞 | チャドウィック・ボーズマン | 受賞 | |||
主演女優賞 | ヴィオラ・デイヴィス | 受賞 |
出典
編集- ^ “First Look: Viola Davis and Chadwick Boseman in ‘Ma Rainey’s Black Bottom’”. The New York Times (2020年9月30日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “Denzel Washington to Direct August Wilson Play for HBO in Broad Deal”. Hollywood Reporter (2015年9月17日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “Viola Davis, Chadwick Boseman & More To Star In Denzel Washington Netflix Pic Adaptation Of August Wilson’s ‘Ma Rainey’s Black Bottom’”. Deadline.com (2019年6月19日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “Branford Marsalis to Score George C. Wolfe’s ‘Ma Rainey’s Black Bottom’”. Film Music Reporter (2019年6月19日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “‘Ma Rainey’s Black Bottom’: Taylour Paige, Jonny Coyne & More Join Denzel Washington-Produced August Wilson Adaptation”. Deadline.com (2019年7月2日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “August Wilson's 'Ma Rainey's Black Bottom' prepping exteriors on Pittsburgh's North Side”. Pittsburgh Post-Gazette (2019年7月1日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “‘Ma Rainey’s Black Bottom’ First Look Offers a Glimpse of Chadwick Boseman in His Final Role”. /Film (2020年10月1日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “Ma Rainey's Black Bottom Character Posters Include Chadwick Boseman's Last Role”. Screen Rant (2020年10月18日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “Ma Rainey's Black Bottom Official Trailer Netflix”. YouTube (2020年10月19日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “Ma Rainey's Black Bottom”. Rotten Tomatoes. 2021年3月8日閲覧。
- ^ “Ma Rainey's Black Bottom (2020)”. Metacritic. 2021年3月8日閲覧。
- ^ “‘Nomadland’ Named Best Picture at Boston Society of Film Critics Awards, Paul Raci and Yuh-jung Youn Among Winners”. Variety (2020年12月13日). 2020年12月13日閲覧。
- ^ “2020 AWARDS”. ボストン・オンライン映画批評家協会 (2020年12月19日). 2020年12月20日閲覧。
- ^ “46th Annual Los Angeles Film Critics Association Awards”. LAFCA (2020年12月20日). 2020年12月21日閲覧。
- ^ “CHLOÉ ZHAO’S NOMADLAND LEADS CHICAGO FILM CRITICS ASSOCIATION 2020 AWARD NOMINATIONS”. Chicago Society of Film Critics (2020年12月18日). 2020年12月19日閲覧。
- ^ “NOMADLAND LEADS CHICAGO FILM CRITICS ASSOCIATION 2020 AWARDS, WINS FIVE HONORS”. Chicago Society of Film Critics (2020年12月21日). 2020年12月22日閲覧。
- ^ “‘Nomadland’ & Delroy Lindo Win Key 2020 National Society Of Film Critics Honors”. The Playlist (2021年1月9日). 2021年1月12日閲覧。
- ^ “Gotham Award Nominations 2020: ‘First Cow,’ ‘Nomadland,’ and All Best Picture Noms by Women”. Indiewire (2020年11月12日). 2020年11月13日閲覧。
- ^ “‘Nomadland’ Wins Best Feature at the Gothams, Ahmed and Beharie Upset in Acting Categories”. Variety (2021年1月11日). 2021年1月12日閲覧。
- ^ “2020 San Diego Film Critics Society’s Award Nominations”. San Diego Film Critics Society (2021年1月8日). 2021年1月12日閲覧。
- ^ “2020 San Diego Film Critics Society Award Winners”. San Diego Film Critics Society (2021年1月11日). 2021年1月12日閲覧。
- ^ “SFBAFCC 2020 AWARDS”. SFBAFCC (2021年1月18日). 2021年1月19日閲覧。
- ^ “OFCS PRESENTS: 24TH ANNUAL NOMINATIONS FOR 2020”. オンライン映画批評家協会 (2021年1月19日). 2021年1月30日閲覧。
- ^ “OFCS PRESENTS: 24TH ANNUAL AWARDS FOR 2020”. オンライン映画批評家協会 (2021年1月25日). 2021年1月30日閲覧。
- ^ “‘Minari’ Tops New York Film Critics Online Awards, Ellen Burstyn and Yuh-Jung Youn Tie for Supporting Actress (EXCLUSIVE)”. Variety (2021年1月26日). 2021年2月4日閲覧。
- ^ “2020”. Utah Film Critics Association. 2021年2月14日閲覧。
- ^ “【ゴールデングローブ賞】映画部門でNetflixが圧勝 「Mank マンク」が最多6部門ノミネート”. 映画.com (2021年2月4日). 2021年3月2日閲覧。
- ^ “ゴールデン・グローブ賞『ノマドランド』が作品賞!受賞結果全リスト”. シネマトゥデイ (2021年3月1日). 2021年3月2日閲覧。
- ^ “2021 SAG Awards: The Complete Nominations List”. Variety (2021年2月4日). 2021年4月5日閲覧。
- ^ “SAG Awards 2021: The Complete Winners List”. Variety (2021年4月4日). 2021年4月5日閲覧。