マスカレード (レオン・ラッセルの曲)
「マスカレード」(原題: This Masquerade) は、1972年にレオン・ラッセルが発表した楽曲。1976年にジョージ・ベンソンのカバー・バージョンが大ヒットし、グラミー賞を獲得した。その他にも数多くのカバーがある。
「マスカレード」 | ||||
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ジョージ・ベンソン の シングル | ||||
初出アルバム『ブリージン』 | ||||
B面 | "Lady" | |||
リリース | ||||
規格 | 7" | |||
ジャンル | R&B/ジャズ | |||
時間 | ||||
レーベル | ワーナー・ブラザース・レコード | |||
作詞・作曲 | レオン・ラッセル | |||
プロデュース | トミー・リピューマ | |||
ジョージ・ベンソン シングル 年表 | ||||
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レオン・ラッセルのオリジナル
編集1972年6月に発表されたアルバム『カーニー (Carney)』の収録曲。同アルバムからのシングル『タイト・ロープ』のB面にも収録された。
同年発表された『タイト・ロープ』の日本盤シングルのB面にも収録されたが、当初は曲名が「マスカラード」と表記されていた(シェルターレコード SFL-1754)。後にジョージ・ベンソンがヒットした1977年には、「マスカレード」をA面にして、B面に「ソング・フォー・ユー」を収めた日本盤シングルも発売された(シェルターレコード FD-2038)。
彼の遺作となったアルバム『ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で』(2017年発売)には、新しいアレンジのセルフ・カバーが収録されている[1]。
ジョージ・ベンソンによるカバー
編集1976年、ジャズ・ギタリストでボーカリストでもあるジョージ・ベンソンが、代表作となったアルバム『ブリージン (Breezin')』に収録した「マスカレード」は、ポップやR&Bのチャートでトップ10入りするヒット曲となった。この曲は、ベンソンにとって初めてリリースしたシングルであった。この曲がアメリカ合衆国のチャートに登場したのは、ベンソンのバージョンだけである。このバージョンは、『ビルボード』誌のBillboard Hot 100 で10位、Hot Soul Singles で3位に達した。『キャッシュボックス』誌のトップ100では、12位まで上昇した[2]。「マスカレード」が最も成功したのはカナダにおいてであり、RPMのポップ・シングル・チャートとアダルト・コンテンポラリー・チャートで8位に達した[3][4]。
1977年の第19回グラミー賞において、ベンソンのバージョンは最優秀レコード賞を受賞し、最優秀楽曲賞と最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞にもノミネートされた。
その他のカバー・バージョン
編集- ヘレン・レディは、1972年のアルバム『I Am Woman』にこの曲を取り上げ、1978年のライブ・アルバム『Live in London』にも収録している。
- カーペンターズもこの曲を録音しており、1973年のアルバム『ナウ・アンド・ゼン』に収録し、1974年のシングル「プリーズ・ミスター・ポストマン」のB面にも入れた。アルバム『ナウ・アンド・ゼン』とは別に、テレビ番組でエラ・フィッツジェラルドと一緒に演奏したメドレーの中でもこの曲が取り上げられ、このメドレーは後にコンピレーション・アルバム『レインボウ・コネクション〜アズ・タイム・ゴーズ・バイ』に収録された。
- ローランド・カークは、1977年のアルバム『カーカトロン』で、テナー・サクソフォーンの演奏をフィーチャーしたカバーを発表した[5]。
- シャーリー・バッシーもこの曲を録音しており、1982年のアルバム『All By Myself』に収録している。
- イタリアの歌手 ミーナ・マッツィーニは、1988年のアルバム『Ridi Pagliaccio』にこの曲を収録している。
- ミア・マルティーニは、1991年にこの曲のライブ・バージョンを録音している。
- サクソフォーン奏者のデイヴィッド・サンボーンも、1995年のプロジェクト「Pearls」の中で、この曲を録音した[6]。
- ワイドスプレッド・パニックは、2009年にテキサス州オースティンにおけるハロウィンのコンサートのアンコールを、「マスカレード」で始めた。
- ウクライナのボーカル・バンド(アカペラ・グループ)ManSound は、この曲で始まる三部作(トリロジー)を、アルバム『If It’s Magic』(2004年)に収録している[7]。
- クロアチアのソウル・ディーバ、ラドイカ・シュヴェルコは、2009年にクロアチア・ラジオテレビのビッグ・バンドとともに行なったコンザートのライブ・アルバムにこの曲を収録した。
このほか、ヘイグッド・ハーディ、ウィリー・ネルソン、セルジオ・メンデスとブラジル'77、ノー・マーシー、ロバート・グーレ、ボブ・バーグ、ケニー・ロジャースなども、この曲を演奏している。
大衆文化の中で
編集ラッセルのオリジナルは、映画『エクソシスト』の監督ウィリアム・フリードキンの心理スリラー映画『BUG/バグ』のサウンドトラックに使用されている。サウンドトラック・アルバム『Bug』は、2007年5月22日にリリースされた。
映画『幸せのちから』でも使用された。
脚注
編集- ^ “レオン・ラッセル、生前最後のレコーディング音源が9月にリリース”. BARKS. Japan Music Network (2017年8月26日). 2017年11月4日閲覧。
- ^ CASH BOX Top 100 Singles Week ending AUGUST 28, 1976 Archived 2016年6月2日, at the Wayback Machine.
- ^ RPM Top Singles - Volume 25, No. 23, September 04 1976
- ^ RPM MOR Playlist
- ^ Rahsaan Roland Kirk - Kirkatron (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Pearls - オールミュージック
- ^ “ManSound home”. Mansound.com.ua. 2014年5月24日閲覧。