ペヨトル工房
ペヨトル工房(ペヨトルこうぼう、Atelier Peyotl)は、かつて幻想文学及び芸術系書籍の出版や、『夜想』(やそう)をはじめとするサブカルチャー雑誌を刊行していた日本の出版社。主宰者は今野裕一。
歴史
編集解散まで
編集ペヨトル工房は今野裕一によって1978年7月に創立された。「ペヨトル」という社名は、幻覚剤として用いられるペヨーテというサボテンのフランス語名 Peyotl に由来する(より直接的には、アントナン・アルトーの『タラユマラ』から採られた)。
幻想文学や映画、演劇、音楽等の芸術全般に関する書籍を出版するとともに、『夜想』、『銀星倶楽部』、『EOS』、『WAVE』(西武百貨店と共同製作)、『Ur』といった先鋭的な雑誌を発行。他の出版社が扱わないマイナーな海外文学や芸術に関する書籍・雑誌を世に送り出し、1980年代のサブカルチャーに大きな影響を与えた。
1998年7月に出版を休止し、2000年4月30日をもって解散した。解散によって在庫の書籍は裁断処分されるところであったが、ファンによる運動の結果、在庫の大半はペヨトル工房と関係の深い書店に引き取られた。
ペヨトル工房の誕生から解散に至る歴史は、2001年に今野裕一によって『ペヨトル興亡史―ボクが出版をやめたわけ』としてまとめられている。
Studio Parabolica
編集ペヨトル工房の解散後、ミルキィ・イソベらのペヨトル工房の関係者によって、雑誌『夜想』[1]、『2-:+』(2minus) が[2]、 Studio Parabolica(ステュディオ・パラボリカ)から発行されている。
出版物一覧
編集冊数が多いため、伸縮型のメニューとして掲載する。
ペヨトル工房 出版物リスト
- 雑誌
- 『夜想』第1期 1978年〜1998年休刊 全35号+2
- 『Ur』(1990〜1998年 全13号
- 『WAVE』1983年〜1993年 全37号
- 『銀星倶楽部』1984〜1994年 全19号
- 『EOS』1982年〜1983年 #0〜#4 全4号
- 土井典『葡萄色の乳房』(1986/06) ISBN 978-4893420473
- 内藤礼『ひとつの場所』(1995/08) ISBN 978-4893421906
- 森園みるく『楽園』(1998/03) ISBN 978-4893422354
- 草間彌生
- 『ウッドストック陰茎斬り (ファロスカッター) 』(1988) ISBN 978-4893420763
- 『傷みのシャンデリア』(1989/01) ISBN 978-4893420855
- レーモン・ルーセル『ロクス・ソルス』 (1987/05) ISBN 978-4893420596
- 加門七海『平将門は神になれたか』(ウル叢書) (1993/07) ISBN 978-4893421968
- 堀江卓『矢車剣之助』1984年 ISBN 978-4893420299
- アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ『みだらな扉』(1987/01) ISBN 978-4893420589
- コリン・ウィルスン『精神寄生体』 (1988/12) ISBN 978-4893420817
- 陰溝蝿児『夢幻城殺人事件―陰溝蝿児初期作品集』 (1995/10) ISBN 978-4893422231
- 宮西計三
- 『リリカ』(1994/10)、ISBN 978-4893422101
- 『エステル』1997/12) ISBN 978-4893421456
- 『マイラ-蒼い蝙蝠の顛末記』(1999/11) ISBN 978-4893422415
- J・G・バラード『クラッシュ』(1992/02) ISBN 978-4893421692
- 鄭義信『千年の孤独―新宿梁山泊戯曲集』(1989) ISBN 978-4893420954
- 須永朝彦
- 『世紀末少年誌』(1989/02) ISBN 978-4893420886
- 『血のアラベスク―吸血鬼読本』 (1993/04) ISBN 978-4893421913
- ジャン・コクトー他『ライターズ・アット・ワーク』(1989/05) ISBN 978-4893420923 - 作家へのインタビュー集
- 幻の名盤解放同盟
- 『夜、因果者の夜』1997/11 ISBN 978-4893422323
- 『ディープ歌謡―The dark side of Japanese pops』(ウル叢書) (1997/02) ISBN 978-4893422293
- 友成純一『内臓幻想』(ウル叢書) 1993/4 ISBN 978-4893421920
- 天野天街『星ノ天狗・御姉妹』1995.8 ISBN 978-4893422224
脚注
編集- ^ 夜想 yaso & parabolica-bis Studio Parabolica
- ^ 2-:+ ____2minus Studio Parabolica
参考文献
編集- 今野裕一『ペヨトル興亡史―ボクが出版をやめたわけ』冬弓舎、2001年7月。ISBN 978-4925220040
関連項目
編集外部リンク
編集- 2minus ____ Studio Parabolica - Studio Parabolica 公式サイト
- 夜想 yaso & parabolica-bis - 『夜想』公式ページ(Studio Parabolica 公式サイト内)
- パラボリカ・ビス+夜想 (@https://x.com/yaso_peyotl) - X(旧Twitter)