プロジェクト:軍事史/出典と文献(草案)

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ここでは出典と参考文献の解説を行います。軍事史向けにウィキペディアの公式の方針を要約したもので、基本的に相反するものではありません。

出典と参考文献

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なぜ出典を明記するのか?

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ウィキペディアでは、信頼できる情報源(WP:RS)を参考にし、他の編集者が確認できるようにすることになっています。これは検証可能性(WP:V)といって、ウィキペディア全体の基本的原則です。

なにせ、誰でも編集できる百科事典です。出典を明記(WP:CITE)することで、利用者は記事に含まれる情報が信頼できるものであり、出版された出典があることを確認できます。これによって独自研究(WP:NOR)、デマ、その他のフェイク情報の公表に利用されることがないようにしています。また、記事の改善という点で、利用者が追加調査し、その執筆活動や研究を助けるためには情報源が必要です。そうして出来上がった記事は精度の高い、Wikipedia:良質な記事になります。

❝引用のボタン

ビジュアルエディターを使う場合、引用ボタンから引用を追加できます。この引用いんようとは引用(quotation)のことを指しているわけではありません。論文で使用される参照さんしょう(citation)を用いず、ウィキペディアでは脚注きゃくちゅう(footnote)の部分で注釈ちゅうしゃく(annotation)と出典しゅってん(reference)と記述され、引用ボタンはこれらを補佐します。分野ごとの差異こそあれ、大抵の場合は出典が参照のことを指します。このような脚注が広まったのは、ウィキペディアが紙媒体ではないためと言われています [要出典]

いつ明記するのか?

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ウィキペディアにおける基礎の1つとして心に留めるべきことは、掲載されるものすべてが論争や異議の対象となる可能性があるため、それぞれのファクト(事実)は検証可能でなければならないということです。出典の明記(CITE)では個別参照こべつさんしょう(inline citation)によって、出典付けする必要があるすべての場面において情報源(資料)の詳細を記載することになっています。以下の一覧はWikipedia:良質な記事で必要とされる標準的な基準のラインです。

このうち、最初の段落で語られているように、少なくとも1つの情報源が必要であることを示唆しさしています。ただし、上述したように論争、異議に備えて、複数の情報源があった方が良いに越したことはないので、出典の出番となります。基本的に出典とは、その段落の最後に付与されます。複数の出典を使う場合、その手前に出典が付与された箇所まで、さかのぼった文章を含むことになります。段落の末尾にある出典とは、その段落に含まれるすべての文章をカバーします。最後に出典を付与することで、どこから参照したのかという曖昧さがなくなり、他の編集者を含めて利用者が記事を読みやすくなります[1]。 ...(このように)

出典が異なるページ番号が使用されている場合、それらすべてを必ず記入してください。これはページ範囲またはページグループとして記入することも可能です。すべての文章にことごとく出典があると利用者にとって邪魔になってしまうかもしれません。しかし、可能な限り出典を付ける文章の範囲を小さくしておくことは重要です。その段落で語られている内容が別々の情報源によって、別々のことが語られている場合、それに応じて出典を分けます。そこで個別に出典を付与したり、節(セクション)の最後に出典を付与したりするケースが出てくるかもしれません。これらはバランスよく整える必要があります。また、その逆で、複数の情報源で同じことが取り上げられている場合は一括参照いっかつさんしょう(general reference)として出典を列挙もできます。

  • 単一のページを参考:p. 15.
  • ページ範囲またはページグループ:pp. 56-58, 72-79.
  • 一括参照:クレフェルト 2006, pp. 158–161; ハワード 2010, pp. 287–288; マクニール 2002, p. 198.

統計、出典、公表された主張など、段落内の情報が同様に論議を呼びそうな場合、その要素の近くに出典を置くことが必然的に望ましくなります。そういった分野の書籍を読み漁った経験に基づき、論議を呼びそうな情報だと気づいたならば、該当文章の近くと段落の最後に同じ出典を重複して置くことも視野に入れてください。

何に付けるべきか?

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2017年から2019年にかけて大規模な工事を行ったグラーツ大学図書館

何に出典付けするべきかを知ることはウィキペディアに投稿したい編集者にとって重要です。公式な方針、検証可能性(V)、独自研究(NOR)があるからです。

記事の中で必要に応じて出典を付けることにより、これらの方針による複雑さを回避できます。「出典を示す責任は掲載を希望する側に」とあるように証明責任しょうめいせきにんは掲載したい編集者が受け持つことを忘れないでください。余談ですが、信頼できる情報源(RS)はインターネットからアクセスできる必要はありません。日本語である必要もありません。情報源は静嘉堂文庫など専門図書館でしか利用できない場合があります。なぜなら、原本がアクセスが制限されているからといって、検証可能性を満たせないとは言い切れません。信頼できる情報源の本質からいえば、専門家や研究者によって執筆、査読さどく(refereeing)を経て公表されたものを使用するからです。

原則として、信頼できる情報源に基づくべきですが、以下のような状況は特に出典が必要になる可能性があります。

  • 検証可能性(V)が疑われ、要出典、または類似した問題を示すテンプレートがすでに付けられた文章
  • 一般的な知識ではなく、異議が出そうな文章(例:不明瞭な事柄、定説とは異なる記述、日付、統計)。軍事史においては、軍事目標、指揮官の意図、死傷率、兵力数、参加した陣営、部隊の呼称、戦闘の結果、戦争犯罪の疑惑などが該当します。
  • 論争の的となる記述(民族の問題、宗教の論争、地政学的な紛争、存命人物の伝記に関するもの)
  • 引用文を記事に入れた場合
  • 分析や公表された新たな見解

何を信頼するのか?

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出典の明記(CITE)は読んでいただけましたか?…学位が高い専門家や研究者は専門家から査読(refereeing)を経た二次資料が望ましい、ということです。

そういった権威のある専門家や研究者は、論文や発表に権威付けが出来るということです。それらを理解していただいたなら、次の段階です。

では、権威のある専門家や研究者とは何か?…それは発表した論文や研究が他の人に引用された回数、引用回数いんようかいすう(times cited)が多い専門家や研究者のことです。インパクトファクターでは、h指数が高いなどと表現します。しかし、ウィキペディアでは、そこまで厳格に執筆しなければならない、ということではありません。あくまで(例えば、揉めるような議題で)望ましい、ということです。

商業市場向けに書かれた「一般向け」書籍の中には、研究者や専門家が「一般的に」受け入れていない通史に対して、意見や見解を述べ、異なる結論を導き出すこともあります。そうした新しい切り口も受け入れられる必要があります。商業向けであっても、出版社の編集者による監視の下で出版された情報源は信頼できると見なされるということです。それが明らかに不当な売名、宣伝を目的としたものでなく、検証可能性(V)を満たし、独自研究(NOR)とならないならば、Wikipedia:非主流学説(私論)として受け入れることも視野に入れます。

  • 専門書の通史に対する異論:山本太郎の著作(2018年)によると...という主張もある[2]
  • 一般説に対する専門家の新説:柴裕之(2017年)によれば岡崎城が織田氏によって攻略され、松平広忠が降伏の証として竹千代を差し出した説がある[3]

こういった帰属性を明らかにすることは、「世界で最初の...という説もある」、「...という論評家もいる」といった言葉を濁さない避けたい言葉を使うことになりません。

どの資料が良いのか?

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ドア・オープン・トロント英語版で公開されたメディア内部

最新の出来事や最近のトピックでは、一時的に認められる場合がありますが、本来であれば「専門家による公表物」でなければなりません。

報道機関や政府の公表物というものは情報の隠蔽いんぺい、ごまかしといった要素が介在かいざいします。そのため、特殊なケースを除き軍事史に関する記事は、評判の高い専門家や研究者による出版済みの二次資料を主にベースとすることを目標にしています。出典にアクセス可能な文献の掲載がなければ、{{出典の明記}}テンプレートを追加します。いくつかの参考文献が掲載されているにもかかわらず、脚注を用いていなければ、{{参照方法}}テンプレートを使い、正確な記事にしなければなりません。

公的機関の情報開示など、高品質の一次資料の使用も認められています。しかし、これには独自研究にあたる可能性があることに留意し、正しく使用する必要があります。一次資料に基づいた記述が疑わしいと思ったならば、入手可能な文献、特に内容を調査し、権威的な専門家や重要な発表を行う研究者による文献など、多くの情報源を特定することで、独自研究を排除できます。調査が難しい場合であれば、{{一次資料}}や{{Primary source inline}}を使って注意を促すこともできますが、それ以外の方法も検討してください。あなた自身が可能であれば、一次資料以外の情報源を頼りに記事を書き、それらが手元にあると望ましいとされています。

三次資料は専門的ではないから排除すべきでしょうか?―そんなことはありません。原典が別言語の場合、三次資料がよりこなれた翻訳をしていることだってあります。報道機関による発表は査読や編集の確認を受けた二次資料の要素を満たしていますが、その原典の言語が異なる場合、三次資料の方が中立的な観点(POV)で記述されている可能性があります。また、三次資料の方が一般的に認知されていることを取り扱っていることさえあります。最新の情報に基づいて書かれた記事には、最近の出来事であることを示すテンプレートを貼って注意喚起します。これが時間の経過とともに研究が進み、二次資料や三次資料が発表される頃に置き換え、つまり将来的な更新を検討すべきです。

要出典を付けられたら

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公開査読(open peer review)という概念が生まれつつあります

他の編集者があなたの記事に{{要出典}}や{{出典の明記}}のようなテンプレートを付けたからといって、まず「あわてるな!」と冷静になってください。これは簡単な方法で解決できます。まず、単にテンプレートを削除したり、差し戻しで対応してはいけません。指摘された箇所に出典を追加する対処を行うだけです。あなた自身がレッテルを貼られたと受け取っても、信頼できる情報源を示し、個別参照で記事に追加することで内容が確かであることを表明してください。これだけで解決するはずです。

それでもノートで異論が出るようであれば、論争の解決に従ってください。井戸端で過去に同じような議論がないか検索し、それを紹介するのも良いでしょう。参加者が少なければ、コメント依頼で意見を募ります。強制ではありませんが、他の分野にも波及はきゅうすることであれば、井戸端へ議論の場を移すことを提案しても良いでしょう。合意形成に努めて、全てが失敗した場合には、長い休憩を取りましょう[注釈 1]。時間が解決してくれることもあります。他の編集者の投稿が絶対に誤っており、自分自身の編集が絶対に正しいという理由だけで、安易に荒らし呼ばわりしないでください。

注釈
  1. ^ 日本語版には存在しないen:Wikipedia:NoticeboardWikipedia:井戸端に相当するようです。しかし、Wikipedia:裁定委員会はありませんので、当プロジェクトやPortalでの告知、プロジェクト:検証/依頼への投稿も検討してみてください。

要出典の使いどころ

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要出典を使うことが推奨される例を紹介します。

慌てず、落ち着いて。大きなことを動かすには時間がかかるものです。

出典を追加して記事の改善をしようとしているとき、不注意で誤った出典付けにならないよう注意する必要があります。どういうことかと言いますと、段落の最後に出典を追加すると、その最後の文章だけでなく、その段落全体(それ手前の出典付けがある箇所まで)を裏付ける情報源と見なされるからです。そのようなケースでは、残りの文章に追加の出典を探す必要があるかもしれません。すぐに出典を探せない場合、要出典を付けるのが最善です。

要出典を付けられるような事態とは自身の編集に問題があるのかもしれず、悪い例を紹介します。

  • 統計や日付が含まれている所(例:戦いの日付、部隊の数、死者、負傷者など)
  • 全ての引用「en:wn:Nuts!」(それが辞書に掲載される著名なものでも)
  • 話の流れと違う見解
  • 反論されそうな事柄、信じられないような事柄(例:ミハエル・ヴィットマンは戦車200台を撃破した)
  • 地政学、政治、人種、宗教など物議を醸し出す問題を取り上げる(例:アレキサンダー大王はギリシャ人かマケドニア人か)

出典が必要ないところ、逆に必要なところ。

  • 記事の導入部(リードセクション)は基本的に出典付けは必要ありません。なぜなら、導入部とは出典付けされた本文の要約にすぎないからです。すなわち、導入は記事内の出典付けされた文章によって保証されなければなりません。導入部に出典を付ける必要がある場合は、検証可能性(V)とバランスを取ってください。
  • Infobox(基礎情報)に記入する内容は検証可能でなければなりません。基本的に導入部のガイドラインと同様です。

出典の付け方

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参考文献は記事の最後に置きます。これは記事内容を保証しますが、これだけでは記事内の文言にリンクしません。スタブまたは数段落の短い記事であれば、1つまたは2つの参考文献が記載されていれば問題ありません。

そうでない場合、個別参照(inline citation)を用いて記事内の文章に追加します。バンクーバー方式と呼ばれる方法の最後に番号を付与して、脚注(footnote)にて番号ごとの出典を明記(CITE)します。主に科学分野で広まった手法です。他には括弧内引用かっこないいんよう(parenthetical referencing)があります。これはハーバード方式と呼ばれ、著者名と発表年、出版された年を括弧内に記入するものです。ウィキペディアでは、どちらの手法も認められています。ただし、事前に合意がない限り、どちらかに統一するだけの編集はしないでください。

記述スタイル
記事の本文をハーバード方式の{{Tl|Harv}}で記載{{Harv|クレフェルト|2006|pp=123-134}}。

記事の本文をバンクーバー方式の{{Tl|Sfn}}で記載{{Sfn|クレフェルト|2006|p=1}}。

バンクーバー方式の数字は自動的に振られます。[[ローマ軍団|レギオン]]はローマ歩兵の標準戦闘隊形でイタリア半島を席巻した{{Sfn|片岡|2009}}、のように。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
== 参考文献 ==
* {{Cite book |和書
| author = マーチン・ファン・クレフェルト
| authorlink = マーチン・ファン・クレフェルト
| translator = 佐藤佐三郎
| title = [[補給戦]] : 何が勝敗を決定するのか
| publisher = [[中央公論新社]]
| year = 2006
| isbn = 4-12-204690-4
| ref = {{SfnRef|クレフェルト|2006}}
}}
* {{Cite book
| 和書
| editor = 片岡徹也
| title = 軍事の事典
| publisher = [[東京堂出版]]
| year = 2009
| page = 170
| ncid = BA90815049
| ref = {{SfnRef|片岡|2009}}
}}
ここでは引数ref=に{{Tl|Sfnref}}を使っていますが、かつて使われた{{Tl|Harvid}}でも同様の役割でした。
生成されるテキスト
記事の本文をハーバード方式の{{Harv}}で記載(クレフェルト 2006, pp. 123–134)。

記事の本文をバンクーバー方式の{{Sfn}}で記載[1]

バンクーバー方式の数字は自動的に振られます。レギオンはローマ歩兵の標準戦闘隊形でイタリア半島を席巻した[2]、のように。

脚注
出典
参考文献
  • マーチン・ファン・クレフェルト 著、佐藤佐三郎 訳『補給戦 : 何が勝敗を決定するのか』中央公論新社、2006年。ISBN 4-12-204690-4 
  • 片岡徹也 編『軍事の事典』東京堂出版、2009年、170頁。 NCID BA90815049 

ここでは引数ref=に{{Sfnref}}を使っていますが、かつて使われた{{Harvid}}でも同様の役割でした。

{{Sfn}}(Shortened FootNote)の方が数字だけなので、シンプルに見えることから、このバンクーバー方式が好まれることもありますが、1つだけ注意してください。Sfnテンプレートを連続させると、このようになります[4][5][6]。一括参照(general reference)を使うようなシーンがそう多くないとはいえ、以下のように括弧が付かない{{Harvnb}}で1つにまとめる記述方法もあります[1]

<ref>{{Harvnb|クレフェルト|2006|pp=158–161}}; {{Harvnb|ハワード|2010|pp=287–288}}; {{Harvnb|マクニール|2002|p=198}}</ref>

出典
  1. ^ クレフェルト 2006, pp. 158–161; ハワード 2010, pp. 287–288; マクニール 2002, p. 198
参考文献

出典テンプレートの基本

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デジタルオブジェクト識別子

上述のように漢字文化圏の人名の場合は「姓名(名字)」、それ以外の人名の場合は「ラストネーム」を使用します。{{Cite book}}で|author=引数を使わず、|last=|first=引数を使用するとCreveld, Martin Vanとラストネームが先頭に来るようになります。著者が複数人いたり、編集者(ed.; editor)が複数人いたり、翻訳者名(trans.; translator)も表示させたいといった場合は{{Sfn|クレフェルト|佐藤|2006|p=111}}のようにもできます。ただし、漢字文化圏の場合、「姓名」も「出版年」も重複する可能性があるため、「個人名(名前)」を含めた「フルネーム」にする場合もあります。

こうした出典テンプレートは情報源の詳細を記入すれば、マジックリンクによって検索を容易にします。裏を返せばISBN(国際標準図書番号)がないような1960年代半ばより古い書籍の場合、Wikipedia:出典テンプレート#恒久的識別子のいずれかの使用を推奨します。いずれかを使うことで、あなた以外の編集者が検索しやすいようになり、検証可能性(V)を満たす要素となります。論文や雑誌の場合、ISSN(国際標準逐次刊行物番号)を使用できます。

論文や雑誌などであれば、{{Cite journal}}の方が適切です。こちらには|journal=という引数が追加され、論文集や誌名を記入できるので、論文名や章名を|title=引数にできます。この章名(チャプター)には応用があります。もし、あなたがインターネットを通じて参考文献の一部しか参照していない場合、ページ数がわからないこともあるでしょう。そういった場合は、章名を記入すると他の編集者が探しやすくなります。{{Cite book}}であれば|chapter=、SfnやHarvであれば|loc=を使用します。これは電子書籍でも使えます。詳しくはWikipedia:出典を明記する/電子書籍を参照してください。

記載すべき情報

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恒久的識別子を探す作業がわからない、出典テンプレートの使い方がわからないといった場合は、「著者名」「書名」「発行所名」「刊行年」の4つを最低限あげておいてください。出典の表記方法は国や分野で異なるとはいえ、論文の場合には「発行所名」に代わって「掲載書誌名」を記入し、外国語文献の場合には「刊行地名」を書くこともあります。ウェブサイトの場合、{{Cite web}}を使うことが望ましく、閲覧した「年月日」が必須入力となっていますが、少なくとも「URL」「表題」「発行所名」も記入してください。

上の書籍例は日本語のものなので、英語であれば、|language=enを追加している場合もあります。また、出典テンプレートは単一のページを参考にしているなら|page=、複数のページをまたがって参考にしている場合には|pages=といった引数も指定できますが、同一の参考文献をもとに複数の段落や文章に出典付けを行うのであれば、{{Harv}}や{{Sfn}}で|p=または|pp=といった引数を指定します。

注釈の使い方

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記事に注釈(annotation)を加える場合、{{Notelist}}を使います。

注釈とは、脚注以下に置いても構いませんし、節(セクション)として独立させても問題ありません。以下のことを注釈に加えるに値します。

  • 本文で記載するには詳細すぎる、または、読み手にとってわかりづらい情報の説明文。
  • 記事内で特殊な情報と特定の情報源を結びつける説明(簡単な資料も完全な出典も)
  • 手短に記した出典が脚注に使われている場合に完全な出典情報の掲載
  • 執筆時に参考にして役立ったが、記事の内容に直接的には関係していない一般的な参考資料や参考文献
ナポレオンは側近に口述筆記させた膨大な回想録を残した[注 1]
注釈
  1. ^ en:ラス・カーズの『en:セント=ヘレナ覚書』は日本語訳が刊行されている(小宮正弘編訳、潮出版社、2006年3月、ISBN 978-4-267-01710-0)。ほか、ナポレオンの従僕のen:ルイ・ジョゼフ・ナルシス・マルシャン(1791年-1876年)の回想も抄訳されている(『ナポレオン最期の日 皇帝従僕マルシャンの回想』(藪崎利美訳、MK出版社、2007年、ISBN 9784990208219)。

このように注釈を使うことで詳細文献(further reading)または関連文献を紹介する方法もありますが、本文中で語られていると明らかに冗長じょうちょうです。こういった注釈は適切な使い方と言えます。その主題に関するさらなる情報源があるということを利用者に知らせることで、あなた自身がそれを手にとってウィキペディアに投稿せずとも他の編集者が挑戦するかもしれません。また、参考文献によっては、研究者や専門家が詳細文献を紹介している事例もあり、それらはよほどの理由がない限り、ウィキペディアでも紹介する価値があります。詳細文献の数が多ければ、詳細文献のセクションを作ることも検討してください。

ありがちな注釈の誤用

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残念なことに軍事史では、注釈を余談雑記帳のような明らかな誤用(misuse)を行い、出典の明記(CITE)から逃れようとする傾向があります。

本来、注釈とは研究者や専門家による補足、言語的や時代的な問題に関する重要な説明(comment)のことです。ウィキペディアにおける注釈とは、Help:脚注#スタイルと用法にある通り、「記事の文章が注釈によって可読性が損なわれるというシーンに限定される」とされています。その注釈が出典であるなら、出典へ書き換えてください。また、可読性を損ねることがないなら、記事の文章中へ組み込むべきです。出典のない注釈には{{要出典}}や{{要出典範囲}}を付けます。ノートに一言添えることを推奨しますが、それが「出典を示す責任は掲載を希望する側に」という原則にのっとり、以下のような注意喚起テンプレートを先に記事へ追加することも問題ないでしょう。ただし、役に立つ注釈であると説明したい編集者がいるかもしれません。無視することなく、ノートで合意形成に努めてください。

{{注意|この注釈は[[Wikipedia:出典の明記|出典の明記]]がされていません。[[注釈]]とは専門家による見解・解説であり、[[余談]]や[[雑記帳]]ではありません。本文に組み込むか、出典を追加する必要があります。意義がある場合、[[{{TALKPAGENAME}}]]で表明してください。}}

注:このテンプレートではプロジェクトのノートになっていますが、軍事史全体の問題でなければプロジェクトではなく、当該の記事のノートで議論してください。

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