ブリアンションの定理
ブリアンションの定理(ブリアンションのていり)は、フランスの数学者シャルル・ブリアンション(Charles Julien Brianchon)が発表した幾何学に関する定理[1][2][3][4][5][6]。一つの円錐曲線に接する六つの接線により構成された六角形がP1P2P3P4P5P6だとすると、直線P1P4,P2P5,P3P6は一点で交わる[7][8][9][10][11][12][13]。双対の定理はパスカルの定理である。
ブリアンションの定理は一般に4n+2角形に一般化され、2n本が共点であるとき残りの一本も同じ点で交わる(メビウスにより発見された)[2][14]。
退化
編集六角形を三角形に退化させると、円錐曲線は、その三角形の内接円錐曲線になる。特に楕円の場合、内接楕円になる。このときP1P4,P2P5,P3P6の交点はブリアンション点または核心と呼ばれる[15]。
証明
編集円の場合のブリアンションの定理は根軸を応用して証明される[16]。任意の長さMNの線分を接点を起点として接線上にとる。このとき接点でない方の線分の端と、反対の接線の、接点でない方の線分の端で、接線に接する円を描く。このようにして出来た3円の根軸はピトーの定理から六角形の頂点と反対の点を結んだ直線だと分かる。根軸定理より、この3線は、一点(根心)で交わる。
関連項目
編集出典
編集- ^ “平面幾何の美しい定理4つ”. 高校数学の美しい物語 (2021年3月7日). 2024年6月30日閲覧。
- ^ a b Weisstein, Eric W.. “Brianchon's Theorem” (英語). mathworld.wolfram.com. 2024年6月30日閲覧。
- ^ “brianchon's theorem”. Bing. 2024年6月30日閲覧。
- ^ 法則の辞典,世界大百科事典内言及. “ブリアンションの定理とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年6月30日閲覧。
- ^ “Brianchon theorem - Encyclopedia of Mathematics”. encyclopediaofmath.org. 2024年6月30日閲覧。
- ^ (English) The Penguin dictionary of curious and interesting geometry
- ^ Graustein, William C. (1920). Introduction To Higher Geometry
- ^ Casey, John (1886). A sequel to the first six books of the Elements of Euclid, containing an easy introduction to modern geometry, with numerous examples. University of California Libraries. Dublin : Hodges, Figgis & co.
- ^ A. S. Smogorzhevskii (1961). The Ruler In Geometrical Constructions (Popular Lectures In Mathematics Vol. 5)
- ^ Rupp, Charles A. (1929). “An Extension of Pascal's Theorem”. Transactions of the American Mathematical Society 31 (3): 580–594. doi:10.2307/1989535. ISSN 0002-9947 .
- ^ “Modern geometry; an elementary treatise on the geometry of the triangle and the circle” (英語). HathiTrust. 2024年6月30日閲覧。
- ^ Ogilvy, C. Stanley (Charles Stanley) (1990). Excursions in geometry. Internet Archive. New York : Dover Publications. ISBN 978-0-486-26530-8
- ^ “Geometry Revisited” (英語). Cambridge Core. 2024年6月30日閲覧。
- ^ Möbius, August Ferdinand; Baltzer, Richard; Klein, Felix; Scheibner, W. (Wilhelm) (1885). Gesammelte Werke. University of Michigan. Leipzig: S. Hirzel
- ^ 一松信 編『重心座標による幾何学』(初版)現代数学社、京都市、2014年。ISBN 978-4-7687-0437-0。
- ^ “Brianchon”. users.math.uoc.gr. 2024年6月30日閲覧。