ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ
『ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ』(Five Live Yardbirds)は、イギリスのロック・バンド、ヤードバーズが1964年に録音・発表したライブ・アルバム。バンドの公式デビュー・アルバムに当たる。
『ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ』 | ||||
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ヤードバーズ の ライブ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1964年3月 ロンドン マーキー・クラブ | |||
ジャンル | ブルースロック | |||
時間 | ||||
レーベル | EMI/コロムビア・グラモフォン・カンパニー | |||
プロデュース | ジョルジオ・ゴメルスキー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
ヤードバーズ アルバム 年表 | ||||
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背景
編集ヤードバーズは正式デビュー前の1963年末から1964年初頭に、アメリカのブルース・ミュージシャン、サニー・ボーイ・ウィリアムソンII世のイギリス・ツアーでバック・バンドを務め[1]、当時のライブ録音は、ヤードバーズがアメリカでブレイクを果たした後の1966年にアルバム『サニー・ボーイ・ウィリアムソン&ザ・ヤードバーズ』として発表された[2]。その後、EMI傘下の「コロムビア」との契約を得て、1964年3月に本作のライブ録音が行われた[1]。詳細な録音日は不明で、録音が行われたマーキー・クラブの公式サイトでは3月13日録音[3]、クリス・ウェルチによる書籍『Clapton - Updated Edition: The Ultimate Illustrated History』では3月20日録音[4]とされている。そして、同年6月発売のデビュー・シングル「アイ・ウィッシュ・ユー・ウッド」(ビリー・ボーイ・アーノルドのカヴァー)、10月発売のセカンド・シングル「グッド・モーニング・リトル・スクールガール」(サニー・ボーイ・ウィリアムソンI世のカヴァー)を経て、12月に本作がリリースされた[5]。
本作のためのライブ録音では、「アイ・ウィッシュ・ユー・ウッド」もセットリストに入っていたが、ポール・サミュエル=スミスが誤ってテープから消してしまったため、未収録になったという[4]。また、本作に収録された「グッド・モーニング・リトル・スクールガール」のライブ録音は、シングル・ヴァージョンとは異なり、エリック・クラプトンとサミュエル=スミスがリード・ボーカルを担当した[5]。
本作は当時アメリカでは発売されず[5]、クラプトン脱退後の1965年11月に発売されたアメリカ企画のアルバム『ハヴィング・ア・レイヴ・アップ』には、本作から「スモークスタック・ライトニング」、「リスペクタブル」、「アイム・ア・マン」、「ヒア・ティス」の4曲が収録された[6]。
評価
編集ヤードバーズ脱退後のクラプトンを自分のバンドに迎えたジョン・メイオールは、本作について「何曲かでエリックのギター・ソロを聴くことができ、実にワイルドだ。しかし、テクニックというか技巧面では取るに足りない。あまりにも平凡だ」と批判的なコメントを残している[7]。一方、Bruce Ederはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「演奏の面でも音質の面でも、1960年代中期としては最良のライブ・レコードである」と評している[8]。
収録曲
編集- トゥー・マッチ・モンキー・ビジネス - Too Much Monkey Business (Chuck Berry) - 3:52
- アイ・ガット・ラヴ・イフ・ユー・ウォント・イット - I Got Love If You Want It (Slim Harpo) - 2:40
- スモークスタック・ライトニング - Smokestack Lightnin' (Howlin' Wolf) - 5:35
- グッド・モーニング・リトル・スクールガール - Good Morning Little Schoolgirl (Sonny Boy Williamson) - 2:44
- リスペクタブル - Respectable (O'Kelly Isley, Ronald Isley, Rudolph Isley) - 5:35
- ファイヴ・ロング・イヤーズ - Five Long Years (Eddie Boyd) - 5:21
- プリティ・ガール - Pretty Girl (Ellas McDaniel) - 3:00
- ルイーズ - Louise (John Lee Hooker) - 3:43
- アイム・ア・マン - I'm a Man (E. McDaniel) - 4:33
- ヒア・ティス - Here 'Tis (E. McDaniel) - 5:11
2000年リマスターCD (VICP-61097)ボーナス・トラック
編集11. - 14.は1964年2月(1963年11月の説もある)のデモ録音、15.は1963年12月のライブ録音[5]。これら5曲は、2006年再発CD (VICP-63565)にも収録された。
- ベイビー・ホワッツ・ロング - Baby What's Wrong (Jimmy Reed) - 2:38
- ブーム・ブーム - Boom Boom (J. L. Hooker) - 2:25
- ハニー・イン・ユア・ヒップス - Honey in Your Hips (Keith Relf) - 2:19
- トーキング・バウト・ユー - Talking 'Bout You (C. Berry) - 1:57
- ハニー・イン・ユア・ヒップス(ライヴ) - Honey in Your Hips (Live) (K. Relf) - 2:25
参加ミュージシャン
編集脚注
編集- ^ a b Deming, Mark. “The Yardbirds Biography, Songs, & Albums”. AllMusic. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Unterberger, Richie. “Sonny Boy Williamson & the Yardbirds - Sonny Boy Williamson II, The Yardbirds”. AllMusic. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Yardbirds, the - Five Live Yardbirds”. The Marquee Club. 2022年5月15日閲覧。
- ^ a b Welch, Chris (2016-05). Clapton - Updated Edition: The Ultimate Illustrated History. Voyageur Press. pp. 39-41. ISBN 9780760350195
- ^ a b c d 2000年再発CD (VICP-61097)ライナーノーツ(小松﨑健郎)
- ^ Reiff, Corbin (2016年2月16日). “The Yardbirds replaced, reused, and revolutionized on Having A Rave Up”. The A.V. Club. G/O Media. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “The Yardbirds: The Clapton Years Part 3”. Goldmine. Project M Group (2009年4月9日). 2022年5月15日閲覧。
- ^ Eder, Bruce. “Five Live Yardbirds - The Yardbirds”. AllMusic. 2022年5月15日閲覧。
外部リンク
編集- ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ - Discogs (発売一覧)