バレンセン
バレンセン(英: Valencene)は、柑橘類に含まれるセスキテルペンの一種である。バレンシアオレンジなどから安価に採取できる[2]。グレープフルーツの香気成分であり[3]、ココアにも含まれる。複数の異性体があるが、柑橘類からは(+)-バレンセンが発見されている[1]。ファルネシル二リン酸からCVS酵素 (CVS (enzyme)) により生合成される。飲料などのフレーバーに0.9ppm以下程度使用されるほか、ノートカトンの合成原料にもなる[4]。
バレンセン | |
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(3R,4aS,5R)-4a,5-dimethyl-3-(prop-1-en-2-yl)-1,2,3,4,4a,5,6,7-octahydronaphthalene | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 4630-07-3 |
PubChem | 9855795 |
ChemSpider | 8031495 |
UNII | 96H21P91IG |
ChEBI | |
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特性 | |
化学式 | C15H24 |
モル質量 | 204.35 g mol−1 |
外観 | 無色の液体 |
匂い | 弱い柑橘系の香り |
沸点 |
123 °C, 396 K, 253 °F (at 11 mmHg) |
水への溶解度 | 不溶[1] |
有機溶媒への溶解度 | アルコール、油類に可溶[1] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
脚注
編集- ^ a b c 『合成香料 化学と商品知識』p.23
- ^ Furusawa, Mai; Toshihiro Hashimoto; Yoshiaki Noma; Yoshinori Asakawa (November 2005). “Highly Efficient Production of Nootkatone, the Grapefruit Aroma from Valencene, by Biotransformation”. Chem. Pharm. Bull. 53 (11): 1513–1514. doi:10.1248/cpb.53.1513. PMID 16272746.
- ^ 香りのミニ知識(長谷川香料)
- ^ M. M. Bomgardner (July 16, 2012). “Fragrances 101. A Fortuitous Field of Flavors and Fragrances”. Chemical & Engineering News 90 (29) .
参考文献
編集- 印藤元一『合成香料 化学と商品知識』化学工業日報社、2005年。ISBN 4-87326-460-X。