デス・ドゥーム
デス・ドゥーム(Death/Doom)は、エクストリームメタルの一種。
デス・ドゥーム | |
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様式的起源 |
デスメタル ドゥームメタル |
文化的起源 |
1980年代後期 様々な地域で |
使用楽器 | |
派生ジャンル |
ゴシック・メタル フューネラル・ドゥーム |
地域的なスタイル | |
イギリス アメリカ合衆国 フィンランド オランダ |
概要
編集ドゥームメタルのゆっくりとしたテンポ、悲観的な雰囲気といった特徴と、デスメタルの深いグロウルヴォイスとツーバスといった特徴を組み合わせたもの[1]。このジャンルは1980年代半ばに現れ、1990年代にある程度の人気を博した[1]。また、デス・ドゥームは密接に関連したジャンルであるフューネラル・ドゥームや、よりメロディアスでロマンチックなサウンドを持つゴシックメタルを生み出すこととなる。
歴史
編集デス・ドゥームの起源は、1980年代半ばまで遡ることができる。当時、Dream Deathのような初期の先駆者がトラディショナル・ドゥームメタルの音と、スラッシュメタルや新しく出来たばかりのデスメタルシーンの音像との融合を試み始めていた[2]。オートプシー、Winter、パラダイス・ロスト、マイ・ダイイング・ブライドやアナセマなどのバンドによる初期の作品は[注 1]、1980年代半ばのセルティック・フロストやキャンドルマスのサウンドと女性ヴォーカル[3]やキーボードを組み合わせたものであった。また、マイ・ダイイング・ブライドはヴァイオリンを使用することもあった。
これらのバンドの影響は、Within Temptation、Lacuna Coil、The Gathering、Celestial Season、Saturnusといったバンドにみることができる[1][4]。シーンの先駆者の多くは、より受け入れられやすい音楽性を取るために、初期のサウンドを放棄した[1]。そのため、デス・ドゥームというジャンルはこの10年間の終わりごろにはあまり人気がなくなったようにも見えたが、その音楽性はフューネラル・ドゥームという1990年代半ばに現れた関連性のあるジャンルに形を変えて生き残った[注 2]。
著名なバンド
編集脚注
編集注釈
編集- ^ パラダイス・ロスト、マイ・ダイイング・ブライド、アナセマらは、当時ピースヴィル・レコードに所属していたことから、ピースヴィル・スリーという名でも知られている。
- ^ このようなフューネラル・ドゥームバンドとしては、Thergothon、Unholy、Skepticismらのようなフィンランドのバンドがいる[5]。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q Tracey, Ciaran (March 2006). "Doom/Death: United in Grief" , Terrorizer #142, pp.54-55.
- ^ Bardin, Olivier (May 2006). "Forgotten Doom: Raiders of the Lost Art", Terrorizer #144, p.56
- ^ a b c d e f g h i Purcell, Nathalie J. (2003). Death Metal Music: The Passion and Politics of a Subculture. McFarland & Company. pp. 23. ISBN 0-7864-1585-1 April 2008閲覧。
- ^ Metal Hammer #173
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