ソットサス
ソットサス(Sottsass、2016年3月24日 - )は、フランスの競走馬・種牡馬[1]。主な勝ち鞍は2019年のジョッケクルブ賞、2020年のガネー賞、凱旋門賞。
ソットサス | ||||||||||||||||||
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ピーター・ブラント(White Birch Farm代表)の勝負服 | ||||||||||||||||||
欧字表記 | Sottsass[1] | |||||||||||||||||
品種 | サラブレッド | |||||||||||||||||
性別 | 牡 | |||||||||||||||||
毛色 | 栗毛 | |||||||||||||||||
生誕 | 2016年3月24日 | |||||||||||||||||
父 | Siyouni | |||||||||||||||||
母 | Starlet's Sister | |||||||||||||||||
母の父 | Galileo | |||||||||||||||||
生国 | フランス | |||||||||||||||||
生産者 | Ecurie Des Monceaux[1] | |||||||||||||||||
馬主 | White Birch Farm[1] | |||||||||||||||||
調教師 | ジャン=クロード・ルジェ( フランス)[1] | |||||||||||||||||
競走成績 | ||||||||||||||||||
生涯成績 | 12戦6勝 | |||||||||||||||||
獲得賞金 | €3,280,109[2] | |||||||||||||||||
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経歴
編集デビュー前~2歳(2018年)
編集2016年3月24日に誕生。翌2017年8月のアルカナ社ドーヴィル1歳馬セールに上場され、馬主エージェントのOceanic Bloodstockによって34万ユーロで落札された[3]。
姉のシスターチャーリーも米国移籍前に所属していたジャン=クロード・ルジェ厩舎に入厩し、2018年8月にドーヴィル競馬場でデビュー。初戦は4着に敗れたが、約2ヶ月後の2戦目の未勝利戦を3馬身差で制し、初勝利を挙げる[1]。
3歳(2019年)
編集初戦のフォルス賞こそ5着に敗れたが、次戦のリステッド競走を6馬身半差で圧勝する。ここまでの全4戦でクリストフ・スミヨンが手綱を取っており、ジョッケクルブ賞(仏ダービー)にもスミヨン騎乗で出走を予定していたが、スミヨンが優先騎乗契約を結ぶアーガー・ハーン4世の所有馬で名牝ザルカヴァの子であるザルカラニ(Zarkallani)の参戦が急遽決まったため、直前でクリスチャン・デムーロに乗り替わった[4]。レースでは中団に位置し、直線でスパートすると残り200m地点で仏2000ギニー馬パーシャンキングを交わして先頭に立ち、そのまま押し切って優勝。勝ちタイムはトレヴが保持していたシャンティイ競馬場2100mのレコード2分3秒77を塗り替える2分2秒90の高速決着だった[5]。
秋の始動戦ニエル賞も直線で狭いスペースを割って抜け出して快勝し、重賞連勝を果たした[6]。本番の凱旋門賞には地元フランスの3歳馬としてただ一頭出走し、3連覇を狙うエネイブルのジョン・ゴスデン調教師からも有力なライバルとして名指しされていた[7]。レースは重馬場で行われ、ヴァルトガイスト、エネイブルに次ぐ3着に入った。
4歳(2020年)
編集初戦は新型コロナウイルスの影響で5月に延期したアルクール賞[注 1]に出走するも5着に終わった。翌月のガネー賞[注 2]では前走シャンティイ賞を制覇したウェイトゥパリスに勝利した。
夏にG3を挟んで秋初戦はアイリッシュチャンピオンステークスは、騎手の国境を越えた移動が制限されている影響で主戦のクリスチャン・デムーロに代わりコリン・キーンを鞍上に迎えるも、連覇を目指すマジカルに届かず4着。
再びデムーロ騎手が手綱を握る2度目となる凱旋門賞では、ブックメーカー各社がジョン・ゴスデン調教師のエネイブル、ストラディバリウスに次ぐオッズとなり[8]、現地でも3番人気となる程[9]、地元フランスの中で最有力候補として挙げられた。当日の不良馬場に合わせて、装蹄方法を変えて出走した[10]。逃げると目されていた馬が出走を回避したため、ペルシアンキングが逃げ馬となった[10]。前半の1400メートルを1分35秒72で通過するスローペースとなった[10]。道中は3番手に位置しており、直線残り200メートル過ぎで先頭となると[10]、ドイツダービー馬のインスウープらの後続をかわして優勝。鞍上のクリスチャン・デムーロ、調教師のジャン=クロード・ルジェ調教師と共にこれが凱旋門賞初制覇となった[11]。
レース後、ブリーダーズカップ・ターフへの出走を示唆したが、2日後に引退を発表[10]。クールモアスタッドにて種牡馬として供用することになった[12]。
種牡馬入り後
編集引退後の2021年よりアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入りした。
2022年に初年度産駒が誕生し、2024年にデビューしている。
競走成績
編集以下の内容は、Racing Post[1]の情報に基づく。
出走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離 | 着順 | 騎手 | 着差 | 1着(2着)馬 |
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2018. 8.21 | ドーヴィル | 未勝利 | 芝1600m | 4着 | C.スミヨン | 8馬身1/4 | Lone Peak | |
10.26 | クレールフォンテーヌ | 未勝利 | 芝1600m | 1着 | C.スミヨン | 3馬身 | (Flop Shot) | |
2019. 4. 7 | パリロンシャン | ラフォルス賞 | G3 | 芝1800m | 5着 | C.スミヨン | 2馬身3/4 | Shaman |
5. 2 | シャンティイ | シュレンヌ賞 | L | 芝2000m | 1着 | C.スミヨン | 6馬身1/2 | (Battle Of Toro) |
6. 2 | シャンティイ | ジョッケクルブ賞 | G1 | 芝2100m | 1着 | C.デムーロ | 2馬身 | (Persian King) |
9.15 | パリロンシャン | ニエル賞 | G2 | 芝2400m | 1着 | C.デムーロ | 1馬身1/4 | (Mutamakina) |
10. 6 | パリロンシャン | 凱旋門賞 | G1 | 芝2400m | 3着 | C.デムーロ | 3馬身1/2 | Waldgeist |
2020. 5.11 | パリロンシャン | アルクール賞 | G2 | 芝2000m | 5着 | C.デムーロ | 1馬身 | Shaman |
6.14 | シャンティイ | ガネー賞 | G1 | 芝2100m | 1着 | C.デムーロ | アタマ | (Way to Paris) |
8.15 | ドーヴィル | ゴントートビロン賞 | G3 | 芝2000m | 2着 | C.デムーロ | クビ | Skalleti |
9.12 | レパーズタウン | 愛チャンピオンS | G1 | 芝10f | 4着 | C.キーン | 2馬身 | Magical |
10. 4 | パリロンシャン | 凱旋門賞 | G1 | 芝2400m | 1着 | C.デムーロ | クビ | (In Swoop) |
血統表
編集ソットサスの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ヌレイエフ系 |
[§ 2] | ||
父 Siyouni 2007 鹿毛 |
父の父 Pivotal1993 栗毛 |
Polar Falcon | Nureyev | |
Marie d'Argonne | ||||
Fearless Revival | Cozzene | |||
Stufida | ||||
父の母 Sichilla2002 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | ||
Razyana | ||||
Slipstream Queen | Conquistador Cielo | |||
Country Queen | ||||
母 Starlet's Sister 2009 栗毛 |
Galileo 1998 鹿毛 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | |
Fairy Bridge | ||||
Urban Sea | Miswaki | |||
Allegretta | ||||
母の母 Premiere Creation1997 栗毛 |
Green Tune | Green Dancer | ||
Soundings | ||||
Allwaki | Miswaki | |||
Alloy | ||||
母系(F-No.) | 16号族(FN:16-h) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Miswaki4×4=12.50%、Mr. Prospector5×5×5×5=12.50%、Northern Dancer5×5×4=12.50%、Special5×5=6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
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脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g “Sottsass”. Racing post. 2019年9月18日閲覧。
- ^ “Sottsass Thoroughbred Horse Profile”. Racing And Sports. 2019年9月18日閲覧。
- ^ “August Yearling Sale 2017”. ARQANA. 2019年9月18日閲覧。
- ^ “ソットサスがペルシアンキングを負かして仏ダービー優勝(フランス)”. 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2019年6月6日). 2019年9月18日閲覧。
- ^ “Siyouni産駒のソットサスが仏ダービー制覇!”. ニューワールドレーシングクラブ株式会社 (2019年6月3日). 2019年9月18日閲覧。
- ^ “【仏・ニエル賞】仏ダービー馬ソットサスが内から抜け出しV/海外競馬レース結果”. netkeiba.com (2019年9月16日). 2019年9月18日閲覧。
- ^ “エネイブル3連覇へ余裕のゴスデン師/凱旋門賞”. JRA-VAN ver. World (2019年10月4日). 2019年10月7日閲覧。
- ^ “ブックメーカーオッズ:2020年凱旋門賞 海外競馬発売 JRA”. jra.jp. 2020年10月6日閲覧。
- ^ “オッズ | 2020凱旋門賞”. JRA-VAN Ver.World. 2020年10月6日閲覧。
- ^ a b c d e 『優駿』2020年11月号 通巻923号 67-69頁
- ^ “【凱旋門賞】Cデムーロ、9月死去の父に捧ぐ初制覇 ソットサス“1強”撃破で大金星 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年10月6日閲覧。
- ^ “Sottsass heading to stud after Arc success” (英語). At The Races. 2020年10月6日閲覧。
- ^ 凱旋門賞馬ソットサスが日本で種牡馬に…日本軽種馬協会が発表!全弟はシンエンペラー日刊スポーツ、2024年10月26日配信・閲覧
参考文献
編集- 『優駿』 2020年11月号 通巻923号、中央競馬ピーアール・センター、2020年10月25日。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post