ジョーイ・ギャロ (野球)

イタリア系アメリカ人の野球選手 (1993 - )

ジョセフ・ニコラス・ギャロJoseph Nicholas Gallo, 1993年11月19日 - )は、 アメリカ合衆国ネバダ州ヘンダーソン出身のプロ野球選手外野手内野手)。右投左打。MLBワシントン・ナショナルズ所属。愛称はピコ・デ・ギャロPico De Gallo[1]

ジョーイ・ギャロ
Joey Gallo
ワシントン・ナショナルズ #24
テキサス・レンジャーズ時代
(2017年7月17日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ネバダ州ヘンダーソン
生年月日 (1993-11-19) 1993年11月19日(30歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
235 lb =約106.6 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手一塁手
プロ入り 2012年 MLBドラフト1巡目追補
初出場 2015年6月2日
年俸 $5,000,000(2024年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

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プロ入りとレンジャーズ時代

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2012年MLBドラフト1巡目追補(全体39位)でテキサス・レンジャーズから指名されプロ入り。この年は傘下のルーキー級アリゾナリーグ・レンジャーズでプロデビュー。A-級スポケーン・インディアンス英語版でもプレーし、2球団合計で59試合に出場して打率.272、22本塁打、52打点、6盗塁を記録した。

2013年はルーキー級アリゾナリーグ・レンジャーズとA級ヒッコリー・クロウダッズでプレーし、2球団合計で111試合に出場して打率.251、40本塁打、88打点、15盗塁を記録した。マイナーリーグ史上、10代で40本塁打以上を記録したのは1962年以来51年ぶりだった[2]。オフにはラスベガストロイ・トゥロウィツキージェイソン・ジアンビと共にトレーニングに励んだ[3]

2014年はA+級マートルビーチ・ペリカンズとAA級フリスコ・ラフライダーズでプレーし、2球団合計で126試合に出場して打率.271、42本塁打、106打点、7盗塁を記録した。また、この年の7月13日に行われたオールスター・フューチャーズゲームでは6回裏に右翼最深部に展示してあった車のフロントガラスに直撃する逆転の2点本塁打を放ち、MVPに選出された[4]

2015年はAA級フリスコで開幕を迎え、6月2日にメジャー初昇格を果たしてアクティブ・ロースター入りした[5]。同日のシカゴ・ホワイトソックス戦にて「6番・三塁手」で先発出場し、4打数3安打、1本塁打、4打点、1四球の鮮烈なメジャーデビューを飾った[6]。一方で、6月5日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦では1試合4三振を喫した[7]。6月30日にジョシュ・ハミルトン故障者リストからの復帰により、AAA級ラウンドロック・エクスプレスへ降格した。9月1日にロースター拡大に伴って再昇格した。最終的には36試合に出場し、打率は.204、6本塁打、14打点を記録した。

2016年はシーズンのほとんどをマイナーリーグで過ごした。メジャーでは17試合の出場で打率.040、1本塁打、1打点、1盗塁に留まった。

2017年スプリングトレーニングで結果を残したことでロースターに登録され、様々な守備位置で出場した。145試合の出場で打率.209、41本塁打(リーグ3位)、80打点を記録した。フライボール率(54.2%)とハードヒット率(46.4%)はリーグトップで、コンタクト率(59.1%)は最下位だった[8]

2018年は148試合に出場して打率.206、40本塁打(リーグ3位)、92打点を記録した。コンタクト率(61.7%)はまたもリーグ最下位だった[9]

2019年は4月21日に自身初となるプレイヤー・オブ・ザ・ウィークを獲得した[10]。5月8日のピッツバーグ・パイレーツ戦で通算100号本塁打を放った[11]。通算377試合での達成はア・リーグ史上最速、MLB歴代3位の記録となった。また、100本塁打に対し単打は93本しか打っておらず、単打通算100本よりも先に100本塁打に到達したMLB史上初の選手となった[12]。5月30日のロイヤルズ戦では自身初の満塁本塁打を放った[13]オールスターゲームに初めて選出され、7回に代打で出場してジャイアンツのウィル・スミスから初球本塁打を記録した[14]

2021年7月4日に控え野手として通算2度目となるオールスターゲームに選出された[15]。オールスターゲーム前日の7月12日に開催されたホームランダービーに出場したが、第1ラウンドでロッキーズのトレバー・ストーリーに敗れて敗退した[16]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは5回裏に右翼手で先発出場していたヤンキースのアーロン・ジャッジに変わって守備について途中出場した[17]

ヤンキース時代

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ニューヨーク・ヤンキース時代
(2022年)

2021年7月29日にグレン・オットエセキエル・デュラントレバー・ハウバー英語版ジョシュ・スミスとのトレードで、ジョエリー・ロドリゲスと金銭と共にニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[18]

2022年は82試合に出場したが、打率.159、12本塁打、24打点に留まった。

ドジャース時代

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2022年8月2日にクレイトン・ビーターとのトレードで、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍した[19]。 オフの11月6日にFAとなった[20]

ツインズ時代

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2022年12月20日にミネソタ・ツインズと1100万ドルの単年契約を結んだ[21][22]

2023年オフの11月3日にFAとなった[23]

ナショナルズ時代

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2024年1月28日にワシントン・ナショナルズと500万ドルの単年契約を結んだ[24]

選手としての特徴

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アッパースウィングで本塁打と三振を量産する長距離砲[25]。毎年30本塁打以上を期待できるが低打率で三振も多く、2021年には両リーグワーストとなる213三振を喫してしまった。しかし選球眼は良く、同年の111四球は対照的にア・リーグ最高となっており、このシーズンでは出塁率が打率を1割5分以上も上回る特異な記録を残している。

守備では肩が強く、高校時代には投手として90mph台半ばを計測している[26]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2015 TEX 36 123 108 16 22 3 1 6 45 14 3 0 0 0 15 3 0 57 0 .204 .301 .417 .717
2016 17 30 25 2 1 0 0 1 4 1 1 0 0 0 5 0 0 19 0 .040 .200 .160 .360
2017 145 532 449 85 94 18 3 41 241 80 7 2 0 0 75 1 8 196 3 .209 .333 .537 .869
2018 148 577 500 82 103 24 1 40 249 92 3 4 0 0 74 4 3 207 3 .206 .312 .498 .810
2019 70 297 241 54 61 15 1 22 144 49 4 2 1 1 52 4 2 114 0 .253 .389 .598 .986
2020 57 226 193 23 35 8 0 10 73 26 2 0 0 0 29 2 4 79 0 .181 .301 .378 .679
2021 95 388 310 57 69 6 1 25 152 55 6 0 0 0 74 4 4 125 3 .223 .379 .490 .869
NYY 58 228 188 33 30 7 0 13 76 22 0 0 0 1 37 1 2 88 3 .160 .303 .404 .707
'21計 153 616 498 90 99 13 1 38 228 77 6 0 0 1 111 5 6 213 6 .199 .351 .458 .808
2022 82 273 233 32 37 4 1 12 79 24 2 0 0 0 40 0 0 106 0 .159 .282 .339 .621
LAD 44 137 117 16 19 4 1 7 46 23 1 0 0 1 16 0 3 57 0 .162 .277 .393 .670
'22計 126 410 350 48 56 8 2 19 125 47 3 0 0 1 56 0 3 163 0 .160 .280 .357 .637
2023 MIN 111 332 282 39 50 9 1 21 124 40 1 1 0 0 48 1 2 142 3 .177 .301 .440 .741
MLB:9年 863 3143 2646 439 521 98 10 198 1233 426 30 9 1 3 465 20 28 1190 15 .197 .323 .466 .789
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

MLBポストシーズン打撃成績

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O
P
S
2021 NYY ALWC 1 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
2022 LAD NLDS 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 ,000
出場:2回 2 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績

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内野守備


一塁(1B) 三塁(3B)
























2015 TEX - 15 8 21 5 2 .853
2016 1 11 0 1 3 .917 5 3 6 0 0 1.000
2017 59 458 17 2 48 .996 72 47 126 13 18 .930
2018 35 248 15 1 29 .996 -
2022 LAD 1 1 0 0 0 1.000 -
2023 MIN 51 265 19 0 27 1.000 -
MLB 147 983 51 4 107 .996 92 58 153 18 20 .921
外野守備


左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2015 TEX 19 20 1 0 0 1.000 1 1 0 0 0 1.000 -
2017 18 34 2 1 1 .973 - -
2018 85 125 3 1 0 .992 15 34 0 0 0 1.000 16 35 5 1 1 .976
2019 34 63 4 1 0 .985 38 79 4 3 1 .965 -
2020 - 1 0 0 0 0 ---- 53 120 3 0 1 1.000
2021 - - 83 181 9 4 3 .979
NYY 51 87 5 3 0 .968 - 9 11 0 0 0 1.000
'21計 51 87 5 3 0 .968 - 92 192 9 4 3 .980
2022 45 53 1 1 0 .982 1 2 0 0 0 1.000 38 53 1 0 0 1.000
LAD 32 47 2 1 0 .980 - 10 8 0 0 0 1.000
'22計 77 100 3 2 0 .981 1 2 0 0 0 1.000 48 61 1 0 0 1.000
2023 MIN 51 64 2 2 1 .971 11 9 0 0 0 1.000 10 16 0 0 0 1.000
MLB 335 493 20 10 2 .981 67 125 4 3 1 .977 219 424 18 5 5 .989
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

表彰

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MiLB
MLB

記録

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MiLB
MLB

背番号

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  • 13(2015年 - 2022年途中、2023年)
  • 12(2022年途中 - 同年終了)
  • 24(2024年 - )

脚注

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  1. ^ Joey Gallo Stats, Fantasy & News” (英語). MLB.com. 2021年7月29日閲覧。
  2. ^ Seiner, Jake (August 31, 2013). “Gallo makes history with 40th homer”. Milb.com. September 24, 2015閲覧。
  3. ^ Slugging prospect Gallo works out with two All-Stars | texasrangers.com: News”. Mlb.mlb.com (December 9, 2013). September 24, 2015閲覧。
  4. ^ Joey Gallo earns Futures Game MVP honors afterleading Team USA to victory - HardballTalk”. nbcsports.com (July 13, 2014). September 24, 2015閲覧。
  5. ^ Grant: Why Rangers feel time is right for Joey Gallo to join big club”. dallasnews.com (June 2, 2015). September 24, 2015閲覧。
  6. ^ Sullivan, T.R. (June 2, 2015). “Gallo homers in second big league at-bat”. MLB.com. June 2, 2015閲覧。
  7. ^ Grant, Evan. Why Rangers aren’t concerned about Joey Gallo’s first ‘Golden Sombrero’. Dallas Morning News June 6, 2015. アーカイブされたコピー”. 2015年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月10日閲覧。 Accessed September 24, 2015.
  8. ^ Major League Leaderboards » 2017 » Batters » Plate Discipline Statistics | FanGraphs Baseball”. www.fangraphs.com. 2019年5月9日閲覧。
  9. ^ Major League Leaderboards » 2018 » Batters » Plate Discipline Statistics | FanGraphs Baseball”. www.fangraphs.com. 2019年5月9日閲覧。
  10. ^ Yelich, Gallo power way to POTW honors”. MLB.com. 2019年5月9日閲覧。
  11. ^ 史上初の珍記録が誕生! レ軍大砲が通算100単打の前に100本塁打達成”. Full-count. 2019年5月9日閲覧。
  12. ^ 「単打100本未満で100本塁打」は、単なる史上初ではなく異次元の記録”. Yahoo!ニュース. 2019年5月12日閲覧。
  13. ^ Career years earn Gallo, Minor 1st All-Star nods”. MLB.com. 2019年7月10日閲覧。
  14. ^ Gallo's 111.5-mph blast sets All-Star mark”. MLB.com. 2019年7月10日閲覧。
  15. ^ Sarah Langs, Thomas Harrigan (July 11, 2021). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  16. ^ Andrew Simon, Matt Kelly, Shanthi Sepe-Chepuru (July 12, 2021). “Round-by-round breakdown of an epic Derby” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  17. ^ Kennedi Landry (July 14, 2021). “'Just special': Rangers trio represents in ASG” (英語). MLB.com. July 31, 2021閲覧。
  18. ^ Yankees Finalizing Deal To Acquire Joey Gallo, Joely Rodriguez” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月29日閲覧。
  19. ^ Dodgers Acquire Joey Gallo” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年8月2日閲覧。
  20. ^ 131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (November 6, 2022). November 14, 2022閲覧。
  21. ^ Twins sign Joey Gallo to one-year contract” (英語). MLB.com. 2022年12月20日閲覧。
  22. ^ Twins Sign Joey Gallo To One-Year Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年12月20日閲覧。
  23. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (November 3, 2023). November 9, 2023閲覧。
  24. ^ WASHINGTON NATIONALS AGREE TO TERMS WITH JOEY GALLO” (英語). MLB.com. 2024年1月28日閲覧。
  25. ^ 「注目ルーキー14人 将来性診断」『月刊スラッガー』2015年10月号 日本スポーツ企画出版社 39頁
  26. ^ 「テキサス・レンジャーズ」『2015MLB選手名鑑全30球団コンプリートガイド』 日本スポーツ企画出版社 65頁

関連項目

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外部リンク

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