デイヴ・ロジャース

イタリアのミュージシャン

デイヴ・ロジャース(Dave Rodgers、本名:ジャンカルロ・パスクィーニ(Giancarlo Pasquini)、1963年2月21日 - )は、イタリアマントヴァ出身(在住)のユーロビートミュージシャンシンガーソングライター音楽プロデューサーレコーディング・エンジニア2020年現在は、レコードレーベル「Dave Rodgers Music」の主宰者である。身長174cm

デイヴ・ロジャース
(Dave Rodgers)
出生名 Giancarlo Pasquini
(ジャンカルロ・パスクィーニ)
別名 The Big Brother
Marco Manzi
Alkogan
Robert Stone
Patrick Holley
Derek Simon
Robert Newman
Jill Sander
Mario Ross
Action Man
生誕 (1963-02-21) 1963年2月21日(61歳)
出身地 イタリアの旗 イタリアマントヴァ
ジャンル ディスコ
ハイエナジー
ユーロビート
ポップ・ロック
ハードロック
ユーロダンス
イタロダンス
テクノ
職業 シンガーソングライター
音楽プロデューサー
レコーディング・エンジニア
活動期間 1981年 - 現在
レーベル Time Records(1985年 - 1990年
Discomagic(1980年代 - 1990年)
Flea Records(1990年 - 1991年
A-BEAT C(1990年 - 2010年
SUN FIRE RECORDS(2010年 - 2018年)
Dave Rodgers Music(2018年 - 現在)
共同作業者 ALEPH
Rodgers, Contini & Sinclaire
Hinoky Team
公式サイト Dave Rodgers Official Site

概要

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本国やヨーロッパ諸国においては、1980年代のイタロ・ディスコユーロビートを代表するバンド・「ALEPH」のヴォーカリストとして、『Fly To Me』(1985年)や『Fire On The Moon』(1986年)などのヒット曲で高い知名度を誇る。

日本でも、上述のヒット曲が『THAT'S EUROBEAT』などのコンピレーションで取り上げられたことにより「ALEPH」メンバーとしての活動で名を上げた後、1990年代に流行したダンス・パラパラで使われたユーロビートのコンピレーションアルバム『SUPER EUROBEAT』への楽曲提供のほか、1990年代中頃よりTMN安室奈美恵などのJ-POPのプロデューサーとして楽曲のアレンジメントに携わり、日本におけるユーロビートの流行を牽引した。流行の最盛期となる1995年頃には、市場がほぼ日本のみのJ-POPにおいて、安室奈美恵『太陽のSEASON』(1995年)やV6MUSIC FOR THE PEOPLE』(1995年)といった数十万枚の売り上げのヒット曲を連発するなど、日本において最も大きな商業的成功を収めたユーロビートミュージシャンの一人でもある。

略歴

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1984年、バンド「ALEPH」のヴォーカルとして、本名名義で『IN YOUR EYES』(1984年)でデビュー。同年、マウロ・ファリーナの誘いでユーロビートの世界へ入る。

1985年、TIME Recordsより『Fly to Me』(1985年)でメジャーデビュー。イタリア国外での販売もなされたこの作品より「Dave Rodgers」の芸名を使い始める。2作目の『Fly to Me』と3作目の『Fire On The Moon』(1986年)が欧州各国のチャートにランクインするヒット曲となり、Alephはイタロ・ディスコを代表するバンドの一つとなった[注 1]

1987年、デイヴ・ロジャース名義のデビュー曲『RICH AND FAMOUS』を発表。一方、ALEPH名義では1990年に活動を停止するまで『Big Brother』(1988年)など次々とヒットを重ね、ファリーナが抜けた後のTIME Recordsのメインソングライターとなる。また、この頃からDISCOMAGIC社を中心とした数多くのユーロビート系アーティストへ楽曲の提供・プロデュースを手掛けるようになった[注 2]

1990年、クリエイティヴ面におけるレーベル上層部との対立や金銭における待遇面での不満などからTIME Recordsを脱退[1]、FLEA Recordsに移籍[注 3]。同年には、スラッシュメタルバンド・BULLDOZERのヴォーカリストであり、DISCOMAGIC社のA&Rでもあったアルベルト・コンティーニと共に、当時FLEA Recordsに在籍していたソングライター陣[注 4]と共に、A-BEAT C(正式にはRodgers & Contini Recordsの中の1レーベル[注 5])を設立した。

1991年、ユーロビートシンガーであるドミノ[注 6]と結婚し、同年10月19日には一人息子のフェデリーコが誕生。「Dave and Domino」としての活動も行っていたが、2004年頃に離婚。息子のフェデリーコも、「FREDDY RODGERS」として後に歌手デビューを果たしている[注 7]

1992年アンドレア・レオナルディ、コンティーニと共にユニット「RODGERS, CONTINI & SINCLAIRE」を結成[注 8]。この名義で数曲発表した。

1990年代以降は日本市場に重点を置いた活動を行い、ユーロビートのコンピレーションアルバムへの楽曲提供と並行に、多数の日本人ポップミュージシャンのユーロビートアレンジを手掛ける。

1992年9月23日にカヴァーアルバム『TMN SONG MEETS DISCO STYLE』を発表。『Get Wild』をはじめ、TM NETWORKの楽曲を全編英詞に書き直し、ユーロビートのアレンジに仕上げた。

1993年には『GET WILD MEETS TECHNO STYLE』を発表。それをきっかけにハウス、テクノ、ラップ等のコンピレーションアルバム『HOUSE REVOLUTION』シリーズにBULLDOZER、DJ ZORRO、MMMなどのアーティスト、グループに、テクノハウス、ハイパーテクノ等の楽曲提供、プロデュースを手掛けることになる。

1995年9月27日、THE ALFEE高見沢俊彦と共同で、『the ALFEE MEETS dance』を発表した。DAVE RODGERS project名義で、デイヴと妻のドミノのヴォーカル、高見沢はトータルプロデュースとギターでの参加であった。当時のフライヤーやCDジャーナル等では、「こぶしを上げずに腰を振れ」というキャッチコピーが記載されていた[2]

1990年代後半には安室奈美恵MAXV6などの楽曲のプロデュースを数多く手がけたことで、日本で商業的に大きな成功を収めたユーロビート作家となり、avex traxとは約10年もの長期独占契約を結んでいた[注 9]。アニメ『頭文字D』では、「SPACE BOY」をはじめ他アーティストへの提供曲を含む多くの楽曲が劇中に使用されている。

2010年、アーティスト兼プロデューサーのFuturaと共に新レーベル「SUN FIRE RECORDS」を設立、活動を開始した。2011年7月11日には、Futuraと婚約していることをfacebook上で自ら明かしていた。2015年11月、facebookのプロフィールを「シングル」に変更したが、2016年1月20日、またfacebook上でFuturaとの結婚を発表。

2016年1月1日、Alephのデビュー30周年を記念し、『FLY TO ME』をリメイクした『FLY TO ME 2016』を「Aleph feat. Dave Rodgers」の名義でYouTubeに公開。

2018年、「SUN FIRE RECORDS」を離脱し、「Dave Rodgers Music」を創設。新規楽曲に加えて、A.BEAT-C時代のリメイク楽曲や他レーベルのカヴァー楽曲を積極的にリリースしており、POWERFUL T.、NORMA SHEFFIELDなど「SUN FIRE RECORDS」に移籍したアーティストやヴォーカリストのほかにも、ドミノ、KAIOH(フェデリーコ)、NUAGEなど「GoGo's Music」に移籍したアーティストや、BRIAN ICE(ファブリツィオ・リッツォロ)、MICKEY B.、エネリー・ゴードンなどユーロビートの新曲を発表していなかったアーティストが多数参加している。

デイヴ・ロジャース名義における代表曲

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あくまでデイヴ・ロジャース名義の代表曲であり、全てではない。他名義の代表曲も省略する。
他名義の曲も含め、「Category:デイブ・ロジャースが制作した楽曲 」も参照のこと。

  • SUN CITY
    『MAHARAJA NIGHT HI-NRG REVOLUTION VOL.12』収録。ALEPH時代の「BIG BROTHER」をモチーフとしたアンサーソング的な楽曲。ゲストとしてジェニファー・バトゥンがギター演奏で参加。ジェニファーは同曲以降デイヴをはじめA.BEAT-Cのアーティストによる複数楽曲でもギターを演奏している。
  • NOTHING CHANGED
    『SUPER EUROBEAT VOL.52』収録。UBの「あの頃のまま」をカヴァーした曲。後にレーベルメイトのノーマ・シェフィールドもカバーした。
  • MUSIC FOR THE PEOPLE
    『SUPER EUROBEAT VOL.65』収録。V6のセルフカヴァー。ジェニファー・バトゥンとタッグを組んでいる。
  • SPACE BOY
    『SUPER EUROBEAT VOL.87』収録。アニメ『頭文字D』シリーズの作中のBGMとして最初に起用された。
  • KINGDOM OF ROCK
    『SUPER EUROBEAT VOL.89』収録。V6のセルフカヴァー。テレビ朝日系列の『タモリ倶楽部』のミニコーナーである「空耳アワー」で紹介された。
  • DEJA VU
    『EUROMACH 2』収録。EXTENDED版は『SUPER EUROBEAT presents 頭文字 D SUPER EURO BEST』に収録されている。
  • WHEELS OF FIRE
    『SUPER EUROBEAT VOL.115』収録。
  • WILD REPUTATION 2005
    『SUPER EUROBEAT VOL.156』収録。原曲をTHE BIG BROTHER名義で自身が歌っている。
  • ELDORADO
    『SUPER EUROBEAT VOL.162』収録。
  • DISCO FIRE
    『SUPER EUROBEAT presents INITIAL D BATTLE STAGE 2』収録。『SUPER EUROBEAT VOL.169』に収録されたNEO名義の同タイトルの楽曲をセルフカヴァーしたもの。

他、多数。

脚注

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注釈

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  1. ^ この当時は、パスクィーニの作家名義として「Manzi-Bellini」を使用していたが、Alephのオリジナルメンバーとして記載されているMarco Manzi(マルコ・マンツィ、キーボード)とDonato Bellini(ドナート・ベルリーニ、ギター)の関係や、Alephがいつごろからパスクィーニ、ファリーナ、ローラン・ジェルメッティによるプロジェクトとなったのか、そもそもパスクィーニ以外のオリジナルメンバーは実在したのかどうかは定かではない。
  2. ^ この時期より、従来の「Manzi-Bellini」名義も引き続き併用する傍ら、本名名義における作詞・作曲を始めるようになる。
  3. ^ この当時は、作家名義として本名以外にもAlkogan、プロデューサー及び制作者名義としてFrankie Lee & Felix the Fox(Felix The Foxとセットは少なく、基本的にはFrankie Leeのみ。)を使用していた。
  4. ^ マルコ・グリネッリ、ルイージ・ライモンディ、ジーノ・カリア、サンドロ・オリーヴァ、ファブリツィオ・リッツォロ、フランコ・ディアフェリアなど。いずれも当時FLEA Recordsのプロデューサーを務めていたFrankie Leeの作品に関わっていた。
  5. ^ その後、「Rodgers & Contini Records」の中には、ドミノとサンドロ・オリーヴァの二名を中心とするレーベル「GOGO'S MUSIC」も含んだ体制となっていた(近年リリースされたSUPER EUROBEAT(VOL.175以降)のブックレットの各楽曲の著作権表示に記載がある)。しかし、2010年以降は、A-BEAT Cレーベルからの新規楽曲のリリースを事実上停止。Dave Rodgers Music設立までは、Rodgers & Contini Recordsと系列関係にないレーベルであるSUN FIRE RECORDSより新規楽曲をリリースしていた。
  6. ^ 『KING AND QUEEN』(1991年)や『PARA PARA』(1994年)を歌っていた時期の「King&Queen」のヴォーカリストとしても知られる。
  7. ^ その後、FREDDY R.を経て「KAIOH」に改名し、母・ドミノが主宰するGoGo's Musicに移籍して活動を続け、本名名義でも楽曲制作を行っている。父のデイヴとは共同制作も続けており、デイヴの新曲や過去の曲のリメイク曲などをデイヴのYouTubeチャンネルで発表している。
  8. ^ 2019年現在、自身のレーベル・SinclaireStyleを主宰している。
  9. ^ デイヴは大のロック好きとしても知られており、avex社のコンピレーションアルバム「SUPER EUROBEAT」シリーズにDEEP PURPLE等のグループのカヴァー曲が幾つか収録されている。

出典

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関連項目

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外部リンク

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