シデ語
シデ語(シデご)は、アナトリア半島南西部のパンフィリア地方(今のトルコのアンタルヤ県)の海岸地帯の町であるシデーで使われていた言語。インド・ヨーロッパ語族のアナトリア語派に属するが、アナトリア語派の諸言語のうちで、もっとも資料が乏しい。
シデ語 | |
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話される国 | シデー |
話者数 | — |
言語系統 | |
表記体系 | シデ文字 |
言語コード | |
ISO 639-3 |
xsd |
Linguist List |
xsd |
Glottolog |
side1240 [1] |
概要
編集シデ語の碑文はシデーおよび隣接するセレウケイアから10個ほどが見つかっており、うち3つはギリシア語との2言語碑文である[2]。紀元前3世紀以降のものと考えられている。ほかに紀元前5-4世紀ごろの貨幣の刻文がいくつか残る[3]。
シデ語は -s で属格を表し、これは楔形文字ルウィ語 -assi-、リュキア語 -h、カリア語 -ś、ピシディア語 -s と同様にアナトリア語派の形容詞接尾辞 *-āsso/ī- に由来すると考えられる[4]。
- poloniw podors 「アポッロドーロスの(子)アポッローニウス」
「神」を意味する語 maśara(複数与格「神々に」)は、楔形文字ルウィ語 māššan(i)-、リュキア語 maha(na)-、ミリヤ語 masa-、カリア語 mso-(?) などに対応すると考えられる。おなじアナトリア語派でもヒッタイト語、パラー語、リュディア語とは異なっており、シデ語がルウィ語に近いことを示す[5]。
文字
編集脚注
編集参考文献
編集- Adiego, Ignacio J (2007). The Carian Language. Brill. ISBN 9004152814
- Hawkins, Shane (2010). “Greek and Other Languages in Asia Minor to the Classical Period”. In Egbert J. Bakker. A Companion to the Ancient Greek Language. Blackwell Publishing. pp. 213-227. ISBN 1444317407
- Melchert, H. Craig (1995). “Indo-European Languages of Anatolia”. In Jack M. Sasson. Civilizations of the Ancient Near East. 4. Charles Scribner's Sons. pp. 2151-2159. ISBN 0684197235
- Swiggers, Pierre; Jenniges, Wolfgang (1996). “The Anatolian Alphabets”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. pp. 281-287. ISBN 0195079930
外部リンク
編集- 『シデ文字』地球ことば村・世界の文字 。