大阪国際見本市会場
大阪国際見本市会場(おおさかこくさいみほんいちかいじょう)は、大阪市住之江区南港北一丁目にある国際展示場。一般財団法人大阪国際経済振興センターが運営する。1985年(昭和60年)に同市港区田中三丁目の八幡屋公園から移転・開場した。愛称はインテックス大阪(Intex Osaka= International Exhibition Center)[2]。
大阪国際見本市会場 (インテックス大阪) | |
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全景 | |
情報 | |
用途 | 展示場 |
設計者 | 大阪市都市整備局、東畑建築事務所[1] |
施工 | 大林組、松村組、鹿島建設、奥村組[1] |
建築主 | 大阪市[1] |
管理運営 | 大阪国際経済振興センター[1] |
構造形式 | S造、RC造[1] |
敷地面積 | 128,986 m² [1] |
延床面積 | 132,709 m² [1] |
階数 |
センタービル 地下1階、地上2階 5号棟 地上3階 1-4・6・7号棟 地上1階[1] |
竣工 | 1985年3月[1] |
所在地 |
〒559-0034 大阪市住之江区南港北一丁目-5-102 |
座標 | 北緯34度38分15.4秒 東経135度25分10.7秒 / 北緯34.637611度 東経135.419639度座標: 北緯34度38分15.4秒 東経135度25分10.7秒 / 北緯34.637611度 東経135.419639度 |
前史
編集本町橋
編集1935年(昭和10年)に大阪市東区内本町橋詰町(現:中央区本町橋)の大阪府立貿易館(1930年まで大阪府立商品陳列所)を解体して、国際見本市会館を新築することが決定した[3]。なお、解体された1917年(大正6年)竣工の建物は広島県物産陳列館(現:原爆ドーム)と同じヤン・レッツェルの設計による[3]。
国際見本市会館の新築工事は日中戦争勃発のため中断されていたが[3]、1950年(昭和25年)に再開され、1951年(昭和26年)に竣工した[4]。なお、国際見本市会館は1958年(昭和33年)と1970年(昭和45年)に増築されて大阪コクサイホテルとなり[4]、1999年(平成11年)に閉館、2003年(平成15年)に解体された。跡地には2006年(平成18年)にシティプラザ大阪が竣工している。
1954年(昭和29年)4月、日本で初めての国際見本市となる「日本国際見本市」(第4回から大阪国際見本市に改称)が本町橋の国際見本市会館と、大阪市港区の八幡屋公園付近の港会場の2か所で開催された。翌年は東京で開催し、以降、国際見本市は隔年ごとに東京と大阪で開催されることになった[5]。
八幡屋公園
編集1923年(大正12年)に開園した八幡屋公園には中核施設として大阪市立運動場が設置されていた。1951年(昭和26年)に大阪運動場として再興され[6]、同年には大阪港の修築工事の一環で安治川運河(八幡屋運河)が埋め立てられた。なお、最寄駅の駅名に採用されている朝潮橋は安治川運河に架かっていたみなと通の橋である。
1956年(昭和31年)、大阪市は八幡屋公園に恒久展示場として大阪国際見本市港会場1号館を開設。1959年(昭和34年)には2号館を、1968年(昭和43年)には3号館を増設した。その後も仮設展示館の増設を重ね、1984年(昭和59年)の第16回大阪国際見本市の開催時には、仮設展示館6館と合わせて展示館9館、展示面積55,984平方メートルとなり、1985年(昭和60年)に現在地に移転するまで大阪における大型見本市の拠点会場であった。この間、陸上競技場は同市東住吉区東長居町(現:長居公園)に新築移転している(長居陸上競技場)[6]。
現在地への移転後、直ちに恒久展示場3館の解体撤去が行われたが、仮設展示館6館は1986年(昭和61年)の第13回日本国際工作機械見本市にも使用された[7]。跡地は八幡屋公園として再整備されるとともに、一部は阪神高速16号大阪港線の敷地に利用されている。
施設概要
編集「インテックスプラザ」(ドーム状の屋根空間)、「スカイプラザ」(開放空間)という名称の広場の周囲に1号館から6号館まで「コ」の字の形に6つの展示館が配置されている。内、5号館は主たるAゾーンと従たるBゾーン、6号館は各々同程度の規模であるA, B, C, Dの4つのゾーンで構成されている。また3号館には付帯展示場として屋外展示場が設けられている。
- 敷地面積 128,986m²
- 延床面積 132,709m²
- 総展示面積 70,000m²
総展示面積は日本国内では東京ビッグサイト(東京都)、幕張メッセ(千葉県)に次いで3番目、西日本では最大である[8]。所在地は大阪市住之江区南港北1-5-102。
- 1号館(展示面積5,087.0m²)
- 正面入口(西ゲート)右手にあり、位置が他の展示館より入口手前に向かって突出している。
- 2号館(展示面積6,729.0m²)
- 1号館の奥にある。2号館と1号館の間には自動販売機コーナーやベンチが設置されている。
- 3号館(屋内展示面積5,119.0m²、屋外展示面積2,900.0m²)
- 2号館の奥にあり、屋外展示場を併設する。屋外展示場は駐車区画が引かれており、搬入出作業車両の駐車場としても使用される。館内は柱のない無柱空間である。また天井高が15mと他の展示館より高い。
- 4号館(展示面積6,729.0m²)
- 正面から見て3号館の左手にある。
- 5号館(Aゾーン展示面積4,728.0m²、Bゾーン面積1,625.0m²)
- インテックスプラザを挟んで2号館の隣にある。Aゾーンは地上1階の無柱空間、Bゾーンは地上3階。Aゾーンでコンサートなどの催しを行う際にBゾーンはバックヤードとしての利用が可能。Bゾーン2階には300名収容の国際会議ホール、各種控室などを備えている。施設管理棟的役割のセンタービルと連絡通路で直結している。
- 6号館(Aゾーン展示面積9,679.5m²、Bゾーン展示面積9,679.5m²、Cゾーン展示面積10,535.0m²、Dゾーン展示面積10,167.0m²)
- 3号館および4号館の奥にある。全館中最大規模の建屋を4つの展示ゾーンに区切っている。地上階に通路を挟みA/Bゾーン、上階にC/Dゾーンがある。屋上には900台収容の来場者用駐車場を備える。
センタービル、5号館Bゾーン2F、6号館、および1,2号館間、4,5号館間に会議室、ホール等諸室が存在するが、国際会議ホールを除き、各展示場利用時のみ使用可能であり、単独での使用はできない。
ギャラリー
編集-
1号館西側外観
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2号館北側外観
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3号館北側外観
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4号館北側外観(搬入出口)
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5号館南側外観
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6号館1階通路
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6号館外観
屋上が駐車場になっている
主な催し物
編集- 大阪オートメッセ
- 大阪モーターショー
- 大阪モーターサイクルショー
- 食博覧会(1985年から4年ごとに開催。2021年は中止[9])
- 外食産業フェア
- バリアフリー展
- JP情報・印刷産業展
- 中小企業総合展
- 関西設計・製造ソリューション展
- インターモールド(金型加工技術展)
- ホテル・レストラン・ショー in関西・FOODEX JAPAN in関西
- ビューティーワールドジャパン大阪
- こみっくトレジャー、コミックシティ、関西コミティア等の大小様々な同人誌即売会
- スクフェス感謝祭
- フリマ王国、満腹王国などテレビ大阪・テレビ大阪サービスの企画・主導・主催により運営される一連のイベント
- RADIO CRAZY(毎年12月下旬に開催されているロックフェス。FM802主催)
他、様々な催しが開かれている。
- ドームツアーを行っていたGLAYは大阪ドーム(京セラドーム大阪)で2004年に発生した振動問題により2005年は本会場で公演を行った(「GLAY OSAKA 4DAYS.SPECIAL 2005“WHITE ROAD”」2005年3月)。
- 2007年には阪神タイガース「ファン感謝の集い」が開催された。これは、例年ファン感謝デーを開催している阪神甲子園球場が改修工事により使用できなかったことに伴うものである。
- 2011年(第1回大会)から開催している大阪マラソンのゴール地点であったが、2019年にコースが変更されてゴール地点ではなくなった。なお、マラソンの併催イベント「大阪マラソンEXPO」は引き続き本会場で開催されている。
国際会議等実績
編集- 2012年(平成24年):Sibos
- 2019年(令和元年):第14回20か国・地域首脳会合 (G20)
交通機関
編集鉄道
編集- Osaka Metro中央線
- コスモスクエア駅下車 徒歩9分
- ニュートラム南港ポートタウン線
- 中ふ頭駅下車 徒歩5分、トレードセンター前駅下車徒歩8分
バス
編集エリア放送
編集2013年4月12日と4月13日に開催された「第39回ジャンボびっくり見本市」では、ホワイトスペースを利用する近畿管内初のエリア放送としてワンセグ放送が実施された[10]。
会場内に地上一般放送局1局が設置されていた。
免許人 | 局名 | 呼出符号 | 物理ch | 周波数 | 空中線電力 | 業務区域 |
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ジャンボびっくり見本市協催委員会 | ジャンボびっくり見本市エリア放送 | JOXZ7AA-AREA | 49ch | 689.142857MHz | 0.0046mW | インテックス大阪6号館C棟、D棟 |
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i “BCS賞受賞作品 第27回受賞作品(1986年) インテックス大阪(大阪国際見本市新会場)”. 一般社団法人日本建築業連合会. 2022年4月7日閲覧。
- ^ 「インデックス」は誤記。
- ^ a b c 後々田寿徳「大阪博物場―「楽園」の盛衰」『東北芸術工科大学紀要』第16巻、東北芸術工科大学、2009年、26-50頁、2024年12月9日閲覧。
- ^ a b “大林組八十年史、第三編 戦後の再建と新発展の時代、第二章 前進―自立再建への道、第二節 好転―企業の投資意欲上昇”. 大林組 (1972年). 2024年12月9日閲覧。
- ^ 国際見本市事始め - web版 イベントマーケティング、2019年7月9日。
- ^ a b “八幡屋公園HISTORY”. 一般財団法人 大阪スポーツみどり財団. 2024年12月9日閲覧。
- ^ 大阪国際見本市委員会四十年の歩み(大阪国際見本市委員会 編『大阪国際見本市委員会四十年の歩み』1994年)
- ^ 大阪における現状 補足資料 (PDF) 大阪市
- ^ “「食博覧会・大阪2021」開催中止のお知らせ(2020年6月16日)”. 食博覧会実行委員会. 2020年7月11日閲覧。
- ^ “総務省|近畿総合通信局|近畿管内初のエリア放送を行う地上一般放送局に予備免許”. 2013年4月1日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- インテックス大阪
- 食博覧会・大阪
- インテックス大阪 INTEX OSAKA (@intex_osaka) - X(旧Twitter)
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