アンヴラキコス湾
アンヴラキコス湾(ギリシア語: Αμβρακικός κόλπος / Amvrakikós kólpos; 英: Ambracian Gulf)は、ギリシャ北西部にあるイオニア海の湾。「アンブラキア湾」「アルタ湾」「アクティウム湾」などの名でも呼ばれる。
アンヴラキコス湾 | |
---|---|
スペースシャトルから撮影された湾(1994年11月) | |
位置 | イオニア海(地中海) |
座標 | 北緯38度58分 東経20度58分 / 北緯38.967度 東経20.967度座標: 北緯38度58分 東経20度58分 / 北緯38.967度 東経20.967度 |
国 | ギリシャ |
延長 | 40 km (25 mi) |
最大幅 | 15 km (9.3 mi) |
長さ約40km、幅約15kmのこの湾は、ギリシャで最大の閉鎖性湾のひとつである。沿岸には、プレヴェザ、ヴォニツァ、アンフィロヒアなどの都市がある。
名称
編集アンヴラキコス湾(アンブラキア湾)の名は、沿岸にあった古代都市アンブラキアに由来する。アルタ湾(英: Gulf of Arta)という別名は、アンブラキアの後身に当たる中世以来の都市アルタに由来する。
アクティウム湾(英: Gulf of Actium)の名は、湾口にある岬の古代の名称アクティウム(現代ギリシャ語ではアクティオ)から採られている。
地理
編集湾口は幅700mほどの海峡となっており、北にプレヴェザ、南にアクティオ(古代のアクティウム)の街がある。2つの都市は海底トンネルで結ばれている。
ルロス川とアラフトス川が湾に流入している。湾は浅く、沿岸は三角江(エスチュアリー)の一部をなしており、多数の沼が広がっている。このため水温はイオニア海より暖かく、塩分濃度はイオニア海より低い。ボラやシタビラメ、ウナギなどの水産資源に恵まれている。
一帯には2つの河川の三角州、ヨシ原、淡水湿地、湿潤草地、季節性浸水地、ラグーン、砂嘴、塩性湿地、河畔林などがあり、ニシハイイロペリカンなどの豊富な種類の爬虫類、両生類、水鳥、猛禽類が生息している。1975年にラムサール条約に登録された[1]。
歴史
編集アンヴラキコス湾は、紀元前31年にオクタウィアヌス(アウグストゥス)がマルクス・アントニウスを破ったアクティウムの海戦の舞台となった。
近代ギリシャの独立(1832年のコンスタンティノープル条約)以後、第二次バルカン戦争(1913年のブカレスト条約)まで、この湾はオスマン帝国とギリシャ王国の国境の一部となっていた。
交通
編集2002年に、湾口の南北を結ぶアクティオ=プレヴェザ海底トンネル (Aktio-Preveza Undersea Tunnel) が開通した。従来はフェリーによってのみ結ばれていた沿岸の交通は、トンネル開通によって大きく短絡された。
脚注
編集- ^ “Amvrakikos gulf | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (1998年1月1日). 2023年3月31日閲覧。
参考文献
編集- James Wolfe, "Observations on the Gulf of Arta, Made in 1830" Journal of the Royal Geographical Society of London 3:77-94 (1833) at JSTOR
- この記事にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Arta, Gulf of". Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 2 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 660.
外部リンク
編集- Preveza Weather Station SV6GMQ - Live Weather Conditions (in English and Greek)