アフリカにおけるLGBTの権利

ここではアフリカにおける同性愛 (ゲイおよびレズビアン)、両性愛、ならびにトランスジェンダー(これらを総称してLGBT性的少数者と呼ばれる)の権利について扱う。

同性間を合法とする国
  同性結婚
  シビル・ユニオン
  事実婚
  同性結婚は認められていない
  表現や団体の自由を法的に制限
同性愛を違法とする国
  強制的罰則はない
  拘禁
  終身刑
  死刑

アフリカでのLGBTに関する権利は世界の他の地域と比べて制限されており、推計ではアフリカの国のうち38か国で同性愛は違法とされている[1]

モーリタニアナイジェリア英語版北部では同性愛者は死刑に処される場合がある。ウガンダスーダン英語版タンザニアでは同性愛法により最高で終身刑が課せられる。

南アフリカ共和国英語版は、アフリカで最もLGBTに寛容な国である。権利も法的に保証されており、同性結婚も合法になっている。

国・地域別のLGBTの権利

北アフリカ

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国: 同性間の性交渉 同性間の関係性の承認 同性結婚 同性カップルによる養子縁組の引受 同性愛者を公表しての軍隊勤務 反差別(性的指向) 性自認およびその表現の関連法
  アルジェリア   違法 (2年以下の懲役)[2]       不明   不明
  エジプト   明確な違法性はないが、別の法で処罰される[2]           不明
  リビア   違法 (5年以下の懲役)[2]       不明    
  モロッコ (西サハラを含む)   違法 (3年以下の懲役)       不明   不明
  スーダン   違法 (5年以下の懲役)            
  チュニジア   違法 (3年以下の懲役)       不明   不明

西アフリカ

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国: 同性間の性交渉 同性間の関係性の承認 同性結婚 同性カップルによる養子縁組の引受 同性愛者を公表しての軍隊勤務 反差別(性的指向) 性自認およびその表現の関連法
  ベナン   合法[2]       不明   不明
  ブルキナファソ   合法[2]       不明   不明
  カーボベルデ   2004年より合法[2]
+ 国連の同性愛非犯罪化宣言に署名
      不明   一部が反同性愛差別法により禁止[3] 不明
  コートジボワール   合法[2]       不明   不明
  ガンビア   違法 (14年以下の懲役)[4])       不明   不明
  ガーナ   男性は違法
 女性は合法[2]
      不明   不明
  ギニア   違法 (6ヶ月以上3年以下の懲役)[2]       不明   不明
  ギニアビサウ   合法[2]
+ 国連の同性愛非犯罪化宣言に署名
      不明   不明
  リベリア   違法 (罰金)       不明   不明
  マリ   合法[2]       不明   不明
  モーリタニア   違法 (死刑または禁錮及び罰金)       不明   不明
  ニジェール   合法[2]       不明   不明
  ナイジェリア   男性は違法(14年の懲役、バウチ州ボルノ州ゴンベ州ジガワ州カドゥナ州カノ州カツィナ州ケビ州ナイジャ州ソコト州ヨベ州ザムファラ州では死刑)。[5]
  シャリーア法下の女性は違法
  シャリーア法外の女性は合法
      不明   不明
  セネガル   違法 (1ヶ月以上5年以下の懲役)     不明   不明
  シエラレオネ   男性は違法
  女性は合法[2]
      不明   不明
  トーゴ   違法       不明   不明

中央アフリカ

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国: 同性間の性交渉 同性間の関係性の承認 同性結婚 同性カップルによる養子縁組の引受 同性愛者を公表しての軍隊勤務 反差別(性的指向) 性自認およびその表現の関連法
  アンゴラ   2021より合法[6][7]       不明   [6][7] 不明
  アセンション島   合法[2] 不明       可 (イギリス軍内で) 不明 不明
  カメルーン   違法 (5年以下の懲役)       不明   不明
  中央アフリカ共和国   合法[2]
+ 国連の同性愛非犯罪化宣言に署名
      不明   不明
  チャド   1967より合法       不明   不明
  コンゴ民主共和国 (旧ザイール)   合法[2]     2005年より違憲   不明   不明
  赤道ギニア   合法[2]       不明   不明
  ガボン   合法[2]
+ 国連の同性愛非犯罪化宣言に署名
      不明   不明
  コンゴ共和国   合法[2]       不明   不明
  セント・ヘレナ島   合法[2] 不明       可 (イギリス軍内で) 不明 不明
  サントメ・プリンシペ   違法[2]
+ 国連の同性愛非犯罪化宣言に署名
      不明   不明

東アフリカ

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国: 同性間の性交渉 同性間の関係性の承認 同性結婚 同性カップルによる養子縁組の引受 同性愛者を公表しての軍隊勤務 反差別(性的指向) 性自認およびその表現の関連法
  ブルンジ   2009年より違法[8]     2005年より違憲   不明   不明
  コモロ   違法[2]       不明   不明
  ジブチ 曖昧[2]       不明   不明
  エリトリア   違法[2]       不明   不明
  エチオピア   違法[2]     不明   不明
  ケニア   違法 (14年以下の懲役)
  現時点では合法だが、同国首相がレズビアンもゲイ男性と同様に逮捕すると言及している[9]
    2010年より第45条の違憲[1]   不明   不明
  マダガスカル   合法       不明   不明
  マラウイ   男性は違法
  女性は合法[2]
      不明   不明
  モーリシャス   男性は違法
  女性は合法 (国民的議論により法を撤廃)[2][10]
+ 国連の同性愛非犯罪化宣言に署名
      不明   反同性愛差別法により禁止[11] 不明
  モザンビーク   合法[12]       不明   反同性愛差別法により禁止[11] 不明
  レユニオン (フランスの海外県)   1791年より合法   1999年より民事連帯契約が有効     ゲイ男性は養子縁組が許可される可能性がある     反同性愛差別法により禁止 不明
  ルワンダ   合法[2]     2003年より第26条の違憲   不明   不明
  セーシェル   男性は違法
  女性は合法
      不明   不明
  ソマリア   違法[2]         不明
  ウガンダ   違法     2003年より違憲        
  タンザニア   違法 (終身刑)[2]       不明   不明
  ザンビア   男性は違法 (14年以下の懲役)
  女性は合法[2]
      不明   不明
  ジンバブエ   男性は違法
  女性は合法[2]
      不明   不明

南アフリカ

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国: 同性間の性交渉 同性間の関係性の承認 同性結婚 同性カップルによる養子縁組の引受 同性愛者を公表しての軍隊勤務 反差別(性的指向) 性自認およびその表現の関連法
  ボツワナ   2019年より合法[13]       不明   一部が反同性愛差別法により禁止   2017年より合法
  レソト   男性2012年より合法
女性は合法[2]
      不明   不明
  ナミビア   違法 (強制はなし)[2][14]       不明   不明
  南アフリカ   1994年より合法   1996年より合法   2006年より合法   2002年より合法     反同性愛差別法により全面禁止   2003年の性の種類および地位の変更に関する法令により、社会的性と生物学的性の種類の保護を明確に憲法で規定
  スワジランド   男性は違法
  女性は合法で、レズビアン性交渉の違法化を含む法案の審議中[2]
      不明   不明

独立主張のある地域

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国: 同性間の性交渉 同性間の関係性の承認 同性結婚 同性カップルによる養子縁組の引受 同性愛者を公表しての軍隊勤務 反差別(性的指向) 性自認およびその表現の関連法
  西サハラ (80%をモロッコが支配)   違法 (3年以下の懲役)            
  ソマリランド   違法 (国外追放、終身刑、地域によっては死刑)
         


関連項目

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脚注

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外部リンク

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