は、日本語音節のひとつであり、仮名のひとつである。1モーラを形成する。五十音図において第3行第2段(さ行い段)に位置する。清音の他、濁音(じ、ジ)を持つ。

平仮名
文字
字源 之の草書体
JIS X 0213 1-4-23
Unicode U+3057
片仮名
文字
字源 之の部分
JIS X 0213 1-5-23
Unicode U+30B7
言語
言語 ja, ain
ローマ字
ヘボン式 SHI
訓令式 SI(SHI)
JIS X 4063 si、shi
アイヌ語 SI
発音
IPA ɕi
種別
清音

概要

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「し」の筆順
 
「シ」の筆順
  

発音に関わる諸事項

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  • 上代の「し」は [t͡si̞][t͡ʃi̞][ʃi̞] いずれとも論じられているが、確定しがたい。室町時代末には [ʃi̞] と発音された[1]
  • や行の文字を後続させて、開拗音を構成及び表記する。「しや」「しゆ」「しよ」などの字音表記は平安時代中期以前にも見られるが、「シアク」などの表記もあり、一音節の拗音であるかは定かでない。鎌倉時代には「しゆう」と「しう」「しふ」、「しよう」と「せう」「せふ」の間の混同が見られ、この頃には「しゅう」「しょう」の拗長音が成立していたと考えられる。「しゃう」は室町時代末には「しゅう」「せう・せふ」の類に近づき、江戸時代には発音上区別が無くなった[1]
    • 現在の拗音表記では、後続するや行の文字は一般に小さく書く。
  • さ行の中で唯一調音点が異なっている。「さ、す、せ、そ」と同じ調音点で発音すると[si̞]となるが、これは日本語にはない音であり、対応する文字もない。外来語などに用いる際は「スィ」と表記される。訓令式ローマ字表記の「si」も、「すぃ」と発音される事がある。
    • 「し」の調音点は、拗音の「しゃ、しゅ、しょ」と同じであり、音声学に即するなら「しゃ行に属する」と言える。「しゃ、し、しゅ、シェ、しょ」は国際音声記号では、[ʃä/ɕä], [ʃi̞/ɕi̞], [ʃɯ̹˕/ɕɯ̹˕], [ʃe̞/ɕe̞], [ʃo̜ ̞/ɕo̜ ̞]と表せる。ヘボン式ローマ字表記の「shi」も、この発音に従った物である。

「し」に関わる諸事項

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  • 平仮名の「し」は、一般に のようであるが、 のように上に点を打ったり、それをさらに のように続けて書いたりする字体がある。[要出典]
  • 」に通じるため、自動車用ナンバープレートには用いられない(→)。しかし、一部の市町村の原付ナンバーには用いられている。
  • ボードゲームのごいたの駒の一種に「し」と書いてある駒があり、これは将棋の歩兵に相当する駒である。

「シ」に関わる諸事項

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  • 片仮名の「シ」は「」(さんずい)に似ているが、両者とも全くの無関係である。「シ」は「之」の草体の変形が元になっている。ただ、インターネットでは、「波」を「シ皮」(半角のシ + 皮)と倍角文字代わりに表記するように、「シ」がさんずいに代用されることがある。
  • 片仮名の「シ」は片仮名の「」と形が似ているため、2ちゃんねるなどインターネットでは、「ツ」の置き換えで「シ」が使われることがある。例として、奴→ヤ→ヤ→香具師のように変化する。
    • 同様の理由により、輸入品に表示されている表記が間違っていることがある(カジュアル→カヅュアル、シャンデリア→ツャソデリア)。(誤植#外国人による日本語の誤植も参照)
    • 同様の理由により、大人になっても片仮名の「シ」が書けない人は少なくない。「ツ」の3画目払い下げを払い上げにしただけと勘違いしている人がいるが、「シ」の始筆は縦に並び「ツ」のそれは横に並ぶ。両字を草書風に画を連続して書くと、「シ」は「し」に、「ツ」は「つ」になる。これは平仮名、片仮名共に(「シ」と「し」、「ツ」と「つ」)それぞれ元となった漢字が同じためで、その筆順及び払い上げ・下げの違いは明らかである。
  • 音階に片仮名の「シ」が用いられる。
  • 鉄道車両の記号「シ」は、食堂車を表す。

脚注

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  1. ^ a b 日本国語大辞典』(第2版)小学館、2001年。 

関連項目

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