いすゞ・フィリー
フィリー(ISUZU Filly)は、いすゞ自動車がかつて販売していたEセグメントに属するセミキャブオーバー型ミニバンである。
いすゞ・ファーゴフィリー いすゞ・フィリー | |
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![]() フロント | |
![]() リア | |
概要 | |
別名 | 日産・エルグランド(初代) |
製造国 |
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販売期間 |
1997年7月 - 1999年9月(ファーゴフィリー) 1999年9月 - 2002年5月(フィリー) |
ボディ | |
乗車定員 | 8名 |
ボディタイプ | 4ドアセミキャブオーバー型ミニバン |
駆動方式 | 後輪駆動/四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
ZD30DDTI型 2,953cc 直列4気筒 QD32ETi型 3,153cc 直列4気筒 VG33E型 3,274cc V型6気筒 VQ35DE型 3,498cc V型6気筒 |
最高出力 |
2,953cc 125kW(170ps)/3,600rpm 3,153cc 110kW(150ps)/3,600rpm 3,274cc 125kW(170ps)/4,800rpm 3,498cc 177kW(240ps)/6,000rpm |
最大トルク |
2,953cc 353Nm(36.0kgm)/1,800rpm 3,153cc 333Nm(34.0kgm)/2,000rpm 3,274cc 265Nm(27.1kgm)/2,800rpm 3,498cc 353Nm(36.0kgm)/3,200rpm |
変速機 | 4速AT |
前 |
前:ストラット 後:コントロールロッド付5リンク |
後 |
前:ストラット 後:コントロールロッド付5リンク |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,900 mm |
全長 | 4,740 mm |
全幅 | 1,775 mm |
全高 |
1,940 mm (FR車) 1,945 mm (4WD車) |
車両重量 | 1,970-2,130 kg |
その他 | |
トレッド |
前:1,510mm 後:1,515mm |
系譜 | |
先代 | いすゞ・ファーゴワゴン |
後継 | いすゞ自動車の乗用車部門撤退に伴い、なし |
概要
編集1997年7月発売。当初は「ファーゴフィリー」を名乗る。同年5月に発売された日産・エルグランドをベースに、フロントグリルやリアガーニッシュといった主要パーツの一部意匠変更を施したバッジエンジニアリングモデルで、日産自動車からOEM供給を受けていた。グレードはエルグランドの「X」に相当する「フィリー」と、同「J」に相当する「フィリーEタイプ」の2種で、エルグランドのライダーやハイウェイスターに相当するグレードは存在しなかった。
1998年、VG33Eエンジン搭載車を追加。
1999年9月、初のマイナーチェンジを実施。車名を「ファーゴフィリー」から「フィリー」に変更。グレード名は「フィリーEタイプ」を「タイプE」に、「フィリー」を「タイプL」に変更。外観に関してはリアガーニッシュを新デザインに変更し、一部樹脂パーツをカラードにするなど小規模な変更に留まるが、ディーゼルエンジンをQD32ETiからDOHCのZD30DDTiに変更。
2000年10月、2度目のマイナーチェンジを実施。「タイプE」が廃止されたためグレード呼称がなくなった。外観はエルグランド同様、ヘッドライトをマルチリフレクタータイプに変更するとともにバンパーを新造形とし、高級感を高めた。同時にガソリンエンジンをVG33Eから新開発のVQ35DEに変更。
主要パーツの一部意匠変更のほかには、両車との差別化はほとんど図られることはなく、結果として販売は思うように振るわないなど苦戦を強いられた。
2002年4月に生産を終了[1]し、2002年5月のエルグランドのモデルチェンジをもって販売終了となった。同年9月にはいすゞ自動車の国内乗用車市場からの撤退が正式に発表された[2]。
また、日産・パラメディック(エルグランドベースの高規格救急車)もいすゞ自動車にOEM供給され、スーパーメディックIIとして販売されたが[注釈 1]、フィリーの販売終了と同時にこちらも販売終了となった。
ラインナップ
編集グレード名称 | 生産年度 | 車両型式 | エンジン・排気量 | 新車価格 |
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Eタイプ ディーゼルターボ | 1997年7月-1999年8月 | KD-JAVE50 | QD32ETi(3.153L) | 275.5万円 |
ディーゼルターボ | 299.8万円 | |||
Eタイプ ディーゼルターボ・4WD | KD-JAVWE50 | 305.5万円 | ||
ディーゼルターボ・4WD | 329.8万円 | |||
ガソリン | 1998年10月-1999年8月 | E-JALE50 | VG33E(3.274L) | 289.8万円 |
ガソリン・4WD | E-JALWE50 | 319.8万円 |
グレード名称 | 生産年度 | 車両型式 | エンジン・排気量 | 新車価格 |
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タイプE ディーゼルターボ | 1999年8月-2000年08月 | KH-JATE50 | ZD30DDTI(2.953L) | 282.7万円 |
タイプL ディーゼルターボ | 307.5万円 | |||
タイプE ディーゼルターボ・4WD | KH-JATWE50 | 312.7万円 | ||
タイプL ディーゼルターボ・4WD | 337.5万円 | |||
タイプL ガソリン | GF-JALE50 | VG33E(3.274L) | 293.6万円 | |
タイプL ガソリン・4WD | GF-JALWE50 | 323.6万円 | ||
ディーゼルターボ | 2000年08月-2002年5月 | KH-JATE50 | ZD30DDTI(2.953L) | 309.8万円 |
ディーゼルターボ・4WD | KH-JATWE50 | 339.8万円 | ||
ガソリン | GH-JAPE50 | VQ35DE(3.498L) | 303.5万円 | |
ガソリン・4WD | GH-JAPWE50 | 333.5万円 |
車名の由来
編集フィリーは、英語で「雌の子馬」を意味するfillyに由来するもので、「かわいらしさ、ファミリー、将来性というソフトで暖かなイメージを連想させるネーミング」として命名された[3]。1999年9月のマイナーチェンジ以前に冠していた「ファーゴ」の名は、かつて販売されていた自社生産のワンボックスカーに由来している。
脚注
編集注釈
編集- ^ もちろんこちらもベース車に合わせてリアデザインはキャラバンOEMのファーゴになっている
出典
編集- ^ “フィリー(いすゞのカタログ)”. リクルート (2019年12月21日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ いすゞ自動車ホームページ>トップページ>SUV・乗用車ユーザーの皆様へ
- ^ いすゞ自動車ホームページ>トップページ>お問い合わせ>よくあるお問い合わせ>お車全般について(メンテナンス、車名等)>いすゞ車のネーミングについて>乗用車