あつまバス (Atsuma Bus) は、北海道勇払郡厚真町に本社を置き、バス事業およびタクシー事業を行う企業である。

あつまバス株式会社
Atsuma Bus
あつまバス 千歳線
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
059-1605
北海道勇払郡厚真町本郷229-1
北緯42度44分3.1秒 東経141度52分7.94秒 / 北緯42.734194度 東経141.8688722度 / 42.734194; 141.8688722
設立 1921年(大正10年)9月8日
業種 陸運業
法人番号 2430001052581 ウィキデータを編集
事業内容 一般旅客自動車運送事業(乗合貸切乗用)、他
代表者 三上功(代表取締役
資本金 1,200万円
主要部門 あつまバス(バス事業)
あつまハイヤー(タクシー事業)
外部リンク https://www.atsumabus.com/
特記事項:早来軌道として設立
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元は早来鉄道(はやきたてつどう)という名の鉄道事業者であったが、鉄道廃止・社名変更を経て現在に至る。

概要

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1904年(明治37年)早来および厚真において盛んに林業を営んでいた三井物産合名会社が鉄道枕木などの木材搬出を目的に、早来停車場より厚真村字チケッペまで4ml25ch(約7km)の同社専用の馬車鉄道を敷設した。翌1905年(明治38年)にはさらに1ml(約16km)を延長、軌道には馬車を通してに15万挺の鉄道枕木を早来停車場に搬出した。当時厚真地方は木材のほか農産物や木炭の産出も多く、これらの運搬を依頼するものも少なくないため、後に営業線の許可を得て、諸物資の運搬にも応じた。大正2年藤田組がこれを買収し、まもなく永谷仙松がこれを買収して経営に当った。

大正の中期にはこの地方の開発も次第に進められ人口も増えたが、従来ほとんど木材運搬専用軌道であったこの馬車鉄道を公開して、 一般貨客の運輸に役立て、一層地方の開発の助けになるとの議論が起こり、永谷仙松ほか10名により早来軌道敷設特許を出願。1920年(大正9年)12月3日、鉄道内務大臣よりその特許状が交付された。翌1921年(大正10年)には早来厚真間の既設軌道の改良工事を行い、その他諸般の準備を進め、9月8日に資本金30万円で早来軌道株式会社を創立し、馬車鉄道による一般旅客および貨物の輸送を開始した。同社の取締役には早来の志賀智が就任したが、1922年(大正11年)2月の臨時総会において志賀智は代表取締役を辞任し、永谷仙松が代わって代表取締役に就任した。

1926年(大正15年)10月には厚真軌道株式会社が設立され、厚真幌内間の軌道の経営に当ったが、 早来軌道と運輸系統を同じくするので、両者の対立は共に不利になるため、運輸の円滑、経費の節約を図る目的で、1929年(昭和4年)5月に早来軌道株式会社に併合した[1]

1949年(昭和24年)に軌道を廃止し、旅客はバス、貨物はトラックに切り替え、1951年(昭和26年)早来運輸株式会社と社名を変更した[2]

沿革

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事業所

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あつまバス本社の所在地

バス事業

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路線バス

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路線バス
 
停留所一例(左から2番目)

路線バス車両は2017年(平成29年)3月31日現在で9台保有する[5]

千歳線

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千歳駅系統

2016年(平成28年)10月1日よりあつまバス、千歳相互観光バス道南バス参入を含む)、北海道中央バス千歳営業所千歳線を除く)の千歳市内一般路線にて大幅な再編が行われている。あつまバスは新千歳空港 - 千歳駅前間が対象となり、千歳市からの要請により運行経路を仲の橋通に変更。錦町十字街と本町2丁目停留所が廃止された[6][7]。運賃は千歳駅前でバスを乗り継ぐ際の割引適用や、約1.3 km以内の短距離の実施運賃を100円とするなど、千歳市独自の施策が適用される[8]

(廃止)南千歳駅系統(準急こぶし号)

土日祝運休。厚真町の木であるコブシにちなむ「準急こぶし号」として運行されていたが、2012年(平成24年)6月1日の改正より時刻表上では千歳線の一系統となっていた[9][10]

2016年3月31日、利用者僅少のため廃止[11]

苫小牧線

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緑小学校経由

日軽金経由

  • 厚真 - 本郷 - 幌里 - 北進 - 早来駅前 - 遠浅公民館前 - 遠浅駅前 - 柏原 - 日高自動車道入口 - 沼ノ端小学校前 - 沼ノ端西 - 王子エンジニアリング - 日軽金前 - 西埠頭通 - 市役所前 - 王子病院前 - 表町5丁目 - 苫小牧駅前

上厚真経由

  • 厚真 - 厚真大橋 - 下美里 - 上厚真 - 共和 - 日高自動車道入口 - 沼ノ端小学校前 - 沼ノ端駅前 - 北栄2丁目 - 沼ノ端北 - 拓勇 - 経済高校前 - 駒沢高校前 - 住吉住宅街 - 市立病院前 - 東高校前 - 木場町1丁目 - 表町5丁目 - 苫小牧駅前

市立病院前は平日のみ乗り入れ。苫小牧市営バス上厚真線が1994年(平成6年)4月1日に廃止となり、同日より浜厚真・日軽金前経由から経路変更し引き継ぐ[12]。当初は既存の苫小牧線とは別に「勇払・駒大線」となっていた。

拓勇経由(快速苫小牧線)

  • 厚真 - 本郷 - 北進 - 早来駅前 - 遠浅公民館前 - 沼ノ端駅前 - 沼ノ端西 - 拓勇南 - イオンモール苫小牧 - 緑小学校前 - 苫小牧駅前

土日祝・夏休み・冬休み期間は運休[10]

沼ノ端線

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  • 厚真 - 本郷団地 - 厚真高校 - 幌里 - 北進 - 早来駅前 - 遠浅公民館前 - 遠浅駅前 - 日高自動車道入口 - 沼ノ端小学校前 - 沼ノ端駅前

土日祝・年末年始は運休。

厚真町による厚真高校通学支援の一環として2017年(平成29年)1月新設。全校生徒の半数以上を締める苫小牧市からの通学は乗り継ぎが必要であったが、沼ノ端線新設により乗り継ぎなしで通学できるようになった[13][14]

早来線

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  • 厚真←本郷←幌里←早来駅前

土日祝・年末年始は運休。

2013年(平成25年)4月1日、追分線(厚真 - 早来駅前 - 追分駅前)を早来駅前で区間分割[15][16]。早来駅前 - 追分駅前は安平循環線・追分線・遠浅線が代替系統となる。

追分線としての運行当時は、追分駅前発の一部の便は早来駅前にて苫小牧線に接続し、乗り継ぎ割引が適用されていた[10]

鵡川線

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土日祝全便運休[10]

厚真高校線

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  • 浜厚真 - 上厚真 - 上美里 - 厚真大橋 - 厚真 - 本郷 - 厚真高校

土日祝と厚真高校休校日運休。浜厚真行の厚真大橋 - 浜厚真は降車のみ取り扱い[10]

こぶしの湯線

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  • 厚真 - 本郷 - こぶしの湯

土日祝全便運休[10]

浜厚真駅線

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  • 上厚真 - 浜厚真駅前

2024年8月15日新設[17]

土日祝、休校日運休[18]

安平循環線・追分線・遠浅線

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土曜・日曜・祝日・年末年始は運休。追分駅前 - 早来駅前(追分線)、早来駅前 - 遠浅駅前(遠浅線)の区間便あり。

2013年4月1日、あつまバス追分線(厚真 - 早来駅前 - 追分駅前)を廃止し、安平町内循環バスと統合する形で設定[15]。あつまバスの他の路線バスとは異なる運賃形態を設定し[15]、あつまバスの回数券・定期券は利用できない[16]

貸切バス

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貸切バス事業は通常は室蘭運輸支局管内、札幌運輸支局管内および勇払郡占冠村での発着が認められているが、貸切バス事業者安全性評価認定制度による優良事業者に限定した営業区域の弾力的な運用により北海道全域となっている。車両は2013年(平成25年)9月30日現在で17台保有する[19][20][21]

タクシー事業

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あつまハイヤーの通称を持ち、勇払圏で事業を行う。深夜時間帯は運行せず、日曜・祝日は前日までの予約に限り配車される。

鉄道事業(廃止)

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早来鉄道
路線総延長18.0 km
軌間762 mm
停車場・施設・接続路線(廃止当時)
 
 
 
 
国鉄室蘭本線
 
 
 
 
0.0 早来
 
3.1 中土場
 
4.7
 
早来軌道の開業
   
1951年廃止
 
8.0 厚真
   
厚真軌道の開業
 
1948年廃止
 
西老軽舞
 
富里
 
18.0 幌内

路線データ

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区間廃止前、1948年ごろ

  • 区間(営業キロ):早来 - 幌内間 18.6km
  • 駅数:5?
  • 軌間:762mm
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 動力:内燃

沿革

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  • 1904年明治37年)12月 - 三井物産合名会社により、早来駅 - 厚真村字チケッペ間 4M25C(約7km)の同社貨物専用馬車軌道が竣工。木材運搬に使用される。
  • 1905年(明治38年) - 約1.6km延長。
  • 時期不詳 - 沿線の要望により営業線の許可を受けて、農産物や木炭などの諸物資運搬に応ずる。
  • 1913年大正2年) - 藤田組が買収。
  • 時期不詳 - 永谷仙松が買収し運営。周囲の人口増加に伴い一般貨客輸送の要望が起こる。
  • 1920年(大正9年)11月30日 - 永谷仙松他10名に対し早来軌道敷設許可[22]
  • 1921年(大正10年)
    • 既設軌道の改良工事実施。
    • 9月8日 - 資本金13万円にて早来軌道株式会社設立。
  • 1922年(大正11年)1月18日 - 早来軌道の路線、早来 - 知決辺(ちけっぺ・のちに「厚真」に改称)間が開業(軌道法による軌道線)。馬車による一般貨客輸送を行う。
  • 1926年(大正15年)
    • 5月10日 - 厚真軌道株式会社設立。
    • 9月4日 - 永谷仙松他7名に対し厚真軌道 6M60C 敷設許可[23]
  • 1927年昭和2年)2月12日 - 厚真軌道が知決辺 - 幌内間に開業、馬力。
  • 1929年(昭和4年)5月20日 - 早来軌道が厚真軌道を吸収合併。
  • 1931年(昭和6年)- ガソリン機関車を4両導入。
  • 1944年(昭和19年)
    • 11月8日 - 早来軌道株式会社を早来鉄道株式会社に名称変更。
    • 11月18日 - 全線を軌道法による軌道線から地方鉄道法による鉄道線に変更許可[24]
  • 1948年(昭和23年)9月3日 - 厚真 - 幌内間が廃止。
  • 1951年(昭和26年)3月27日 - 早来 - 厚真間が廃止[25]、全線廃止。

駅一覧

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早来駅 - 中土場駅 - 峠駅 - 厚真駅 - 西老軽舞駅 - 富里駅 - 幌内駅

接続路線

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保有車両

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  • ガソリン機関車-5(9)輌(碌々商店製3.5トン機[26]-3輌、加藤製作所製3.5トン機-2輌、ほかにガソリン機関車4輌を保有していたが認可を受ける前に火災に遭い破損。)
  • 客車 定員22人-2輌、定員12人-2輌
  • 貨車 無蓋5t車-40輌

運輸実績(昭和15年現在)

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  • 客車運転回数 5往復/日 ただし冬期間は木材運搬のため臨時列車運転。
  • 運賃収入(日平均) 旅客32円、手荷物2円、貨物100円、計134円。

脚注

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  1. ^ 『早来町史 本編』早来町、1973年、1927-1928頁。 
  2. ^ 『厚真町史』厚真町、1986年、596頁。 
  3. ^ 早来町史 P1299-1300
  4. ^ PayPay株式会社 [@PayPayOfficial] (2019年8月1日). "\あつまバスでPayPay使えます/". X(旧Twitter)より2019年9月24日閲覧
  5. ^ 全国乗合バス事業者の移動円滑化基準適合車両導入状況” (PDF). 国土交通省. 2018年3月17日閲覧。
  6. ^ 【千歳線】厚真~早来~千歳駅前”. あつまバス. 2016年10月8日閲覧。
  7. ^ 平成27年度 第3回千歳市地域公共交通活性化協議会議事録” (PDF). 千歳市. p. 2. 2016年10月15日閲覧。
  8. ^ バス路線再編のお知らせ”. 千歳市. 2016年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月19日閲覧。
  9. ^ あつまバス運行系統略図” (PDF). 厚真町. 2013年4月7日閲覧。
  10. ^ a b c d e f 時刻表” (PDF). 厚真町. 2012年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月8日閲覧。
  11. ^ 平成27年度第3回千歳市地域公共交通活性化協議会 資料4 一般乗合旅客自動車運送事業の運行計画変更(廃止)について” (PDF). 千歳市. 2016年10月15日閲覧。
  12. ^ 苫小牧市『苫小牧市史 追補編』 p1334, p1340
  13. ^ 厚真高校教育振興会の支援内容” (PDF). 厚真町. 2017年7月29日閲覧。
  14. ^ 厚真高生徒を新たに支援 バス路線新設、通学費補助率かさ上げ”. 苫小牧民報 (2016年10月1日). 2017年7月29日閲覧。
  15. ^ a b c 4月1日 循環バスは変わります”. 2013年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月7日閲覧。
  16. ^ a b 時刻表 平成25年4月1日改定 あつまバス株式会社”. 厚真町公式サイト. 2013年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月7日閲覧。
  17. ^ 路線新設のお知らせ|詳細ページ”. www.atsumabus.com. 2024年10月21日閲覧。
  18. ^ 浜厚真駅線”. 2024年10月21日閲覧。
  19. ^ 一般貸切旅客自動車運送事業における営業区域の弾力的な運用について” (PDF). 北海道運輸局. 2018年3月11日閲覧。
  20. ^ 貸切バス事業者一覧” (PDF). 北海道運輸局. 2018年3月11日閲覧。
  21. ^ 貸切バス会社一覧” (PDF). 北海道バス協会. 2012年3月9日閲覧。
  22. ^ 官報 1920年12月01日 国立国会図書館デジタルコレクション。
  23. ^ 官報 1926年09月10日 国立国会図書館デジタルコレクション。
  24. ^ 官報 1945年01月16日 国立国会図書館デジタルコレクション。
  25. ^ 「運輸省告示第76号」『官報』1951年4月18日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  26. ^ 厳密にはそのうち最低2両はガソリン機関車ではなく、石油発動機関車である。

参考文献

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  • 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 1 北海道、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790019-7 
  • 早来町史、早来町役場、昭和48年3月発行

外部リンク

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