WASP-32は、うお座の方角におよそ907光年離れた位置にある恒星である[2][4]。その周囲には、1つの太陽系外惑星が発見されている[3]

WASP-32
仮符号・別名 Parumleo[1]
星座 うお座[2]
見かけの等級 (mv) 11.3[3]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  00h 15m 50.8077849942s[4]
赤緯 (Dec, δ) +01° 12′ 01.586829951″[4]
視線速度 (Rv) 18.41 km/s[4]
固有運動 (μ) 赤経: 1.896 ミリ秒/[4]
赤緯: 16.589 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 3.5949 ± 0.0431ミリ秒[4]
(誤差1.2%)
距離 910 ± 10 光年[注 1]
(278 ± 3 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 4.1[注 2]
WASP-32の位置(丸印)
物理的性質
半径 0.95 ± 0.15 R[5]
質量 0.72 ± 0.34 M[5]
表面重力 26 G[5][注 3]
自転速度 3.9 +0.4
−0.5
km/s[6]
スペクトル分類 G[6]
光度 1.2 L[5][注 4]
表面温度 6,140 +90
−100
K[6]
金属量[Fe/H] -0.13[6]
年齢 1.4 - 4.5 ×109[6]
他のカタログでの名称
TYC 2-1155-1, GSC 00002-01155, 2MASS J00155080+0112016[4]
Template (ノート 解説) ■Project

特徴

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大きさの比較
太陽 WASP-32
   

WASP-32は、スーパーWASP計画によって付与された名称で、それまではTYC 2-1155-1というのが、この星を指す名称としてよく用いられていた[3]

WASP-32は、太陽型の恒星で、見かけの等級は11.3である[3]。表面温度は6,140Kで、G型星とみられる。年齢は、推定方法によって幅があるが、概ね数十億年と求められている[6]

惑星系

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2010年、スーパーWASPグループは、南アフリカのWASP-Southによるトランジット法の観測から、この恒星の周りに惑星WASP-32bを発見した[3]。WASP-32bは、典型的なホット・ジュピターで、質量木星の2.6倍程度、2.7周期で母星の周りを公転している[3][5]

WASP-32の惑星[5]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b (Viculus) 2.63 ± 0.82 MJ 0.034 2.718660 ± 0.000002 0.0 85.1 ± 0.2° 0.96 ± 0.15 RJ

名称

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2019年、世界中の全ての国または地域に1つの系外惑星系を命名する機会を提供する「IAU100 Name ExoWorldsプロジェクト」において、WASP-32とWASP-32bはシンガポール共和国に割り当てられる系外惑星系となった[2]。このプロジェクトは、「国際天文学連合100周年事業」の一環として計画されたイベントの1つで、シンガポール国内での選考、国際天文学連合 (IAU) への提案を経て、太陽系外惑星とその母星に固有名が承認されるものであった[7]。2019年12月17日、IAUから最終結果が公表され、WASP-32はParumleo、WASP-32bはViculusと命名された[1]。Parumleoは、シンガポール独立闘争を象徴する「小獅子」を意味するラテン語[1]。Viculusは、シンガポール人の精神を具象化した「小さな村」を意味するラテン語である[1]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
  3. ^ 出典での表記は、 
  4. ^ シュテファン=ボルツマンの法則により計算。

出典

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  1. ^ a b c d Approved names”. NameExoWorlds. IAU. 2019年12月24日閲覧。
  2. ^ a b c List of stars and planets”. Name ExoWorlds. IAU. 2019年10月8日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Maxted, P. F. L.; et al. (2010-12), “WASP-32b: A Transiting Hot Jupiter Planet Orbiting a Lithium-Poor, Solar-Type Star”, Publications of the Astronomical Society of the Pacific 122 (898): 1465-1470, Bibcode2010PASP..122.1465M, doi:10.1086/657658 
  4. ^ a b c d e f g h WASP-32 -- Star”. SIMBAD. CDS. 2019年10月8日閲覧。
  5. ^ a b c d e f Stassun, Keivan G.; Collins, Karen A.; Gaudi, B. Scott (2017-03), “Accurate Empirical Radii and Masses of Planets and Their Host Stars with Gaia Parallaxes”, Astronomical Journal 153 (3): 136, Bibcode2017AJ....153..136S, doi:10.3847/1538-3881/aa5df3 
  6. ^ a b c d e f Brown, D. J. A.; et al. (2012-12), “Analysis of Spin-Orbit Alignment in the WASP-32, WASP-38, and HAT-P-27/WASP-40 Systems”, Astrophysical Journal 760 (2): 139, Bibcode2012ApJ...760..139B, doi:10.1088/0004-637X/760/2/139 
  7. ^ Methodology”. Name ExoWorlds. IAU. 2019年10月8日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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座標:   00h 15m 50.8077849942s, +01° 12′ 01.586829951″