UAZ-452
UAZ-452 (ロシア語: УАЗ-452) は、1960年代にソビエト連邦のウリヤノフスク自動車工場 (ウリヤノフスク・アフタマヴィーリヌイ・ザヴォート、UAZ) で開発された4×4輪駆動のバン/トラックタイプのキャブオーバー型軍用車両/汎用自動車である[2]。愛称はブハンカ(буханка,パンローフの意)ならびにタブリェツカ(таблетка,丸薬の意)、ゴロヴァシチク(головастик,オタマジャクシの意)。
UAZ-452 | |
---|---|
UAZ-452 | |
種類 | バンタイプ軍用車両/汎用自動車 |
原開発国 | ソビエト連邦 |
運用史 | |
配備期間 | 1960年代~ |
開発史 | |
開発者 | UAZ |
製造業者 | UAZ |
製造期間 | 1965年~ |
派生型 | バン、マイクロバス、カーゴトラック、救急車、他 |
諸元 (UAZ-452) | |
重量 | 1,760 kg[1] |
全長 | 4,360 mm[1] |
全幅 | 1,940 mm[1] |
全高 | 2,100 mm[1] |
| |
エンジン | 75hp, 2.4Lガソリン |
搭載容量 | 800 kg[1] |
変速機 | 4速マニュアル[1] |
速度 | 95 km/h |
本項ではUAZ-452の前身であるUAZ-451、およびUAZ-452の後期改良型についても併せて記述する。
概要
編集UAZは1954年からゴーリキー自動車工場 (GAZ) 製のジープタイプの小型軍用車両"GAZ-69"の製造を開始した。翌1955年に当時のソ連軍の要求により、アメリカ製のジープ・フォワードコントロールを参考にして[1]、GAZ-69の車台をベースにした4×4輪駆動のキャブオーバー型バンタイプの軍用車両"UAZ-450"を開発した。UAZ-450はソ連製の自動車としては初めてのキャブオーバー型車種となった[3]。またUAZの名を冠する初めての量産車種となり、数種類の派生車種が開発され1958年頃から量産が行われた。1961年12月には、UAZ-450の発展型として4×2輪駆動タイプのUAZ-451が開発され、UAZ-450と同様に派生車種を含めて生産された。
1965年にUAZ-450・UAZ-451の改良型として、ほぼ同じ外見の"UAZ-452"が開発された[2]。UAZ-452はGAZ-21 ヴォルガと同じエンジンを搭載し[2]、再度4×4輪駆動が採用され、より多くの派生車種が開発された。当初はターンランプが透明であったが、1979年以降はオレンジ色のものに変更された。
1985年にモデルチェンジが行われ[1]、以降は各派生タイプにUAZ-2206、UAZ-3303、UAZ-3741、UAZ-3909、UAZ-3962、といった新しい形式名が割り振られた。これらの新車種も外観は旧モデルとあまり変わっておらず、現在に至るまで生産が継続されている[4][5]。
形式・バリエーション
編集UAZ-451
編集- UAZ-451
- バンタイプ、汎用型。
- UAZ-451A
- バンタイプ、救急車型。
- UAZ-451D
- ドロップサイドカーゴトラック型。
- UAZ-451B
- バンタイプ、マイクロバス型。UAZ-451Vとも表記される。
UAZ-452
編集- UAZ-452
- バンタイプ、汎用型。
- UAZ-452A
- バンタイプ、救急車型[1]。
- UAZ-452AS
- バンタイプ、救急車型。寒冷地向け。
- UAZ-452G
- バンタイプ、救急車型。UAZ-452Aとは収容可能な患者数が異なる。
- UAZ-452D
- ドロップサイドカーゴトラック型[1]。
- UAZ-452AE
- トラック型のUAZ-452Dの車台およびキャブ部分のみの形式。派生車種の開発に使用された。
- UAZ-452B
- バンタイプ、マイクロバス型。UAZ-452Vとも表記される[1]。
- UAZ-452P
- 牽引装置を装備したトラクター型。
- UAZ-452DG
- 3軸 、6×6輪駆動のドロップサイドカーゴトラック。試作のみ。
- UAZ-452DG
- 3軸 、6×6輪駆動の2 + 16人乗りマイクロバス。試作のみ。
この他、消防車タイプの車両なども開発され、使用されている。
1985年以降のモデル
編集- UAZ-2206
- バンタイプ、マイクロバス型[6][7]。2 + 6~11人乗り。
- UAZ-22069
- UAZ-2206の改良型(エンジン強化型)。
- UAZ-3303
- ドロップサイドカーゴトラック型。積載容量1,200kg[8]。
- UAZ-3741
- バンタイプの輸送型。荷物の輸送用で荷室の窓が塞がれている。
- UAZ-3909
- バンタイプ、マイクロバス型[9]。2 + 6人乗り+500kgの積載容量を持ち、運転席部分と後部客室部分にガラス窓付きの隔壁がある[9]。2005年以降、日本の民間市場向けにも輸出された。
- UAZ-39094
- ダブルキャブのカーゴトラック型。積載容量1,075kg[10]。
- UAZ-3909i
- バンタイプ、軍用救急車型。
- UAZ-3962
- バンタイプ、救急車型[7]。
- UAZ-39625
- UAZ-6962をベースとしたマイクロバス型・輸送型[11]。UAZ-3909との違いは、固定された助手席が無い事と、運転席部分と後部客室部分の隔壁に窓が無い事である。
画像
編集脚注・出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k http://www.military-today.com/trucks/uaz_452.htm
- ^ a b c http://sovietarmor.com/catalog/armored/uaz_452.html
- ^ http://www.uazbuka.ru/models/gal450.htm
- ^ “なぜ60年経ってもソ連時代のマイクロバス「ブハンカ」は良いのか?(写真特集)”. ロシア・ビヨンド. (2018年7月22日) 2020年5月30日閲覧。
- ^ “ロシア車ブハンカ、愛され60年 構造シンプル、悪路に強く”. 北海道新聞. (2020年5月23日) 2020年5月30日閲覧。
- ^ http://www.uaz.ru/en/cars/commercial/passenger-bus
- ^ a b http://www.madeinrussia.cz/en/uaz-452-passenger-197/
- ^ http://www.uaz.ru/en/cars/commercial/dropside-van
- ^ a b http://www.uaz.ru/en/cars/commercial/combi
- ^ http://www.uaz.ru/en/cars/commercial/farmer
- ^ http://www.uaz.ru/en/cars/commercial/glassed-in-van