MT-LB
MT-LB(Mnogotselevoy Tyagach -Lekhko Bronirovannyi、ロシア語: МТ-ЛБ(Многоцелевой Тягач -Легкий Бронированный:「汎用軽装甲牽引車」の意)は、ソビエト連邦で開発された汎用装軌装甲車両である。
基礎データ | |
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全長 | 6.45m |
全幅 | 2.86m |
全高 | 1.86m |
重量 | 11.9t |
装甲・武装 | |
装甲 | 最大14mm |
主武装 | PKT 7.62mm機関銃×1 |
機動力 | |
速度 |
61km/h(路上) 31km/h(不整地) 6km/h(水上) |
エンジン |
YaMZ-238 4ストロークV型8気筒液冷ディーゼル 240馬力/2,100rpm |
行動距離 | 500km(路上) |
概要
編集PT-76水陸両用軽戦車およびその派生型であるBTR-50水陸両用装軌装甲兵員輸送車のコンポーネントを流用[1]して開発された装軌式汎用装甲車両で、主に中型火砲の牽引と砲員および弾薬の輸送を目的として設計された。
6,500kgまでの火砲または車両を牽引できる他、車内後部区画には11名の兵員もしくは2,000kgまでの貨物を積載可能で、火砲牽引車としての他に装甲兵員輸送車としても用いられ、車体を流用した各種の派生型が多数開発されている。
本車が牽引対象としていた火砲の例として、BS-3 100mm野砲・T-12 100mm対戦車砲・D-30 122mm榴弾砲・120mm迫撃砲PM-43等が存在する[2]。
実戦
編集2022年ロシアのウクライナ侵攻の前線には、当初から多数のMT-LBが投入された。オランダの調査会社によれば、2023年10月段階で400台以上が喪失している。ウクライナの前線で戦うロシア軍兵士は、兵器枯渇の解消の為に盛んにカスタマイズを行っており[3]、艦載砲25mm2M-3艦載機関砲などを上部に載せた改造例も見られる。
採用国
編集- バングラデシュ – 134[7]
- ボコ・ハラム
- ブルガリア – 100 [8]
- ベラルーシ – 70[9]
- フィンランド – 40 MT-LBV, 102 MT-LBU[10]
- ジョージア – 66 in Service[11]
- イラク – About 400 in Service.[12]
- カザフスタン - 2023年時点で、カザフスタン陸軍が50両のMT-LB装甲兵員輸送車と、数量不明のMT-LB装甲工兵車を保有している[14]。
- モルドバ – 2023年時点で、モルドバ陸軍が52両のMT-LB(派生型を含む)を保有している[15]。
- ナイジェリア – 67[16]
- 朝鮮民主主義人民共和国 – unknown number of HT-16PGJ based on Strela-10
- 北マケドニア – 10[17]
- クルド人民防衛隊(YPG)[18]
- ロシア – 現役は3,300両保有。現在、より強力な 360 馬力エンジン KAMAZ-740.50、新しい履帯、新しい武器などを備えた海兵隊向けバージョン MLBSh に近代化されています。また、国内向け 310 馬力 YAMZ-238BL を搭載した地上軍向けバージョン VM1K にもアップグレードされています。 -1 エンジンと新しいラジオ局。一部はZU-23対空砲のプラットフォームとして装備されています。
- 退役国
登場作品
編集映画
編集- 『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』
- 物語後半の、主人公バーニー・ロス率いる傭兵部隊「エクスペンダブルズ」と交戦する、アズメニスタン(架空の国家)の軍の増援部隊を構成する装甲戦闘車両として登場。車体上部の機銃手用のハッチを開放した状態で、機銃手2名が身を乗り出しているが、同じく装甲戦闘車両として登場するT-72戦車とは異なり、発砲シーンは無く、戦闘で撃破される事も無い。
脚注
編集- ^ 走行装置などが共通なだけであり、車体は別個の新設計である。PT-76系列が車体後部にエンジンを置いて後輪駆動だったのに対し、本車は車体前部にエンジンを置いて前輪駆動となっている。またエンジンも別系統の新型エンジンである。
- ^ #ソ連地上軍 P.174、P.199、P.201
- ^ “ロシア軍が戦場に乗り捨てた軍用車の「異形」...後ろ半分は「まるで日曜大工」のお粗末さで、地雷原に沈む”. ニューズウィーク (2023年10月13日). 2023年10月13日閲覧。
- ^ The Military Balance 2017, p. 199.
- ^ The Military Balance 2017, p. 201.
- ^ International Institute for Strategic Studies (2021). The Military Balance. Taylor & Francis. p. 448. ISBN 9781032012278
- ^ The Military Balance 2017, p. 274.
- ^ The Military Balance 2017, p. 97.
- ^ The Military Balance 2017, p. 203.
- ^ IISS 2022, pp. 77
- ^ The Military Balance 2017, p. 205.
- ^ The Military Balance 2017, p. 380.
- ^ “shex ja3far puk”. YouTube. 17 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。9 December 2014閲覧。
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 179. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 182. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ The Military Balance 2017, p. 528.
- ^ The Military Balance 2017, p. 136.
- ^ “Kurdish Armour: Inventorising YPG Equipment In Northern Syria”. Oryx Blog (29 October 2021). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ The Military Balance 2017, p. 472.
参考文献
編集- 『グランドパワー10月号別冊 世界の軍用車輌(3) 装軌/半装軌式戦闘車両:1918~2000』 デルタ出版 2000年
- 田中義夫:編『戦車名鑑1946-2002現用編』(ISBN- 978-4877199272)光栄 2002年
- デービッド・C・イスビー著、林憲三訳『ソ連地上軍 兵器と戦術のすべて (元題:WEAPONS AND TACTICS OF THE SOVIET ARMY)』原書房、1987年。ISBN 4-562-01841-0。
関連項目
編集- 装甲兵員輸送車
- 砲兵トラクター
- 装軌装甲車一覧
- PT-76
- BTR-50
- MT-LBu - 本車の車体を拡大、強力なエンジンを採用した発展型
- 本車をベースにした派生車両
- 9K35 ストレラ-10 (SA-13 ゴファー) - 近距離防空ミサイルシステムの発射機車両
- 2S1グヴォズジーカ 122mm自走榴弾砲