jaguar hard pain
『jaguar hard pain』(ジャガー・ハード・ペイン)は日本のロックバンド、THE YELLOW MONKEYの3枚目のオリジナル・アルバム。1994年3月1日に日本コロムビア・TRIADレーベルよりリリースされた。
『jaguar hard pain』 | ||||
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THE YELLOW MONKEY の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | TRIAD / 日本コロムビア | |||
プロデュース |
吉井和哉 宗清裕之 | |||
チャート最高順位 | ||||
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THE YELLOW MONKEY アルバム 年表 | ||||
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『jaguar hard pain』収録のシングル | ||||
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解説
編集THE YELLOW MONKEY初のコンセプト・アルバム。
「ジャガーが死ぬ以前に祖国に残してきた恋人マリーの魂を見てしまったため、肉体が滅んだことにも気付かず、魂だけが時を超え50年後の1994年にタイムスリップしてしまい、時代のズレを感じながらも恋人マリーを探す」というストーリー。また、ジャケットにはそのことを断片的に表す「1944-1994」の文字が入れられている。
ジャガーとは1944年に戦死した若者のことであり、肉体は死んでも魂だけは永遠に生きている人間の象徴である。名前はあがた森魚のアルバム『バンドネオンの
前作『EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー』の「シルクスカーフに帽子のマダム」の主人公はジャガーの恋人であるマリーである。
吉井は本作をデヴィッド・ボウイのアルバム『ジギー・スターダスト』に影響されて作っており、「俺らなりのジギー・スターダスト」と語り[1]、更に「男性受けを狙った」と語っている[2]。
ジャケット写真のエメラルドは、前作『EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー』でマリーに扮した吉井が付けている指輪がモチーフとなっている[3]。
初回盤は初回限定プレスでカートン・ケースに納められてリリースされた。
収録曲
編集全作詞: 吉井和哉、全編曲: THE YELLOW MONKEY。 | |||
# | タイトル | 作曲 | 時間 |
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1. | 「SECOND CRY」 | 吉井和哉 | |
2. | 「FINE FINE FINE」 | 吉井和哉 | |
3. | 「A HENな飴玉」 | 吉井和哉 | |
4. | 「ROCK STAR」 | 吉井和哉 | |
5. | 「薔薇娼婦麗奈」 | 吉井和哉 | |
6. | 「街の灯」 | 菊地英昭・吉井和哉 | |
7. | 「RED LIGHT」 | 吉井和哉 | |
8. | 「セルリアの丘」 | 吉井和哉 | |
9. | 「悲しきASIAN BOY」 | 吉井和哉 | |
10. | 「赤裸々GO! GO! GO!」 | 吉井和哉 | |
11. | 「遥かな世界」 | 吉井和哉 | |
12. | 「MERRY X'MAS」 | 吉井和哉 | |
合計時間: |
楽曲解説
編集- SECOND CRY
- ジャガーが「今」の世に降り立つ場面を歌っている。歌詞カードに記載はされていないが、ラストのサビの部分に「シルクスカーフに帽子のマダム」の冒頭の部分[* 1]が重ねられている。
- FINE FINE FINE
- A HENな飴玉
- ROCK STAR
- 薔薇娼婦麗奈
- 街の灯
- RED LIGHT
- セルリアの丘
- 曲中のピアノは吉井が影響を受けたモーガン・フィッシャーが演奏している[1]。「セルリア」とは架空の丘の名前である[4]。
- またこの曲は「メカラウロコ9」以降演奏されなかったが、前曲と同様2016年12月28日に行われた「メカラウロコ27」にて18年ぶりに披露された。
- 悲しきASIAN BOY
- 3rdシングル。
- 赤裸々GO! GO! GO!
- 3rdシングル「悲しきASIAN BOY」カップリング。当初、「異常者」と言う歌詞は「気狂い」となる予定であったが、事務所の意向により修正された[2]。
- 遥かな世界
- MERRY X'MAS
- 曲中で「あなた」、「君」と二人称が変わり、ライブでは吉井がジャガーとマリーの二役を演じていた。1998年に行われた「メカラ ウロコ・9」ではマリーに女装して演奏された。曲中のピアノは「セルリアの丘」同様、モーガン・フィッシャーが演奏している。
- 歌詞中の「I Shall Return」はダグラス・マッカーサーが戦地を撤退する際に残した言葉である。「私は必ず戻ってくる」の意で、通常の用法では「I will return」であるが、貴族など高貴な身分の者が意志を強調する際に「Shall」を用いることがある。
参加ミュージシャン
編集- THE YELLOW MONKEY
- 吉井和哉:Vocal, Guitar, Percussions
- 菊地英昭:Electric Guitar, Background Vocal
- 廣瀬洋一:4 & 8 Strings Bass, Background Vocal
- 菊地英二:Drums
- その他の参加ミュージシャン
脚注
編集注釈
編集- ^ 「ジャガーはライフルであの世行き」という歌詞