Jira
Jira(ジラ[1])はアトラシアンが開発した企業向けプロプライエタリソフトウェアであり、主にバグトラッキングや課題管理、プロジェクト管理に用いられる。Jiraはパブリックオープンソースプロジェクトで広く使用されており、また122カ国25,000以上の顧客により使用されている。
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開発元 | アトラシアン |
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初版 | 2002年 |
プログラミング 言語 | Java |
対応OS | クロスプラットフォーム |
種別 | ワークマネジメントソフトウェア, バグトラッキングシステム, プロジェクト管理ソフトウェア |
ライセンス | プロプライエタリソフトウェア(ただし非商業団体には無償提供) |
公式サイト | Jira |
歴史
編集Jiraは2004年にアトラシアンにより最初に開発され、広く多様な組織にて採用されている。
名称
編集公式名称であるJiraは、日本語のゴジラに由来する[2]。元々は社内で使われていた Bugzilla がゴジラと呼ばれていたが、新たに自社開発したバグトラッカーにその名前は引き継がれた。後に「ゴ」が落ちてジラとなった。
しばしば「JIRA」と頭字語のようにすべて大文字でつづられることがあるが、2017年頃に正式な名前はJiraとなった[3]。
説明
編集アトラシアンによると、Jiraは世界190ヶ国の180,000人を超える顧客によってバグの追跡やプロジェクト管理に使用されている[4]。
過去にバグ追跡とプロジェクト管理のためにJiraを使用していた企業には、Fedora Commons (en:)[5]、Hibernate[6]、 Apache Software Foundation(JiraとBugzillaの両方を使用)[7]などがある。Jiraには競合するBugzillaからの移行を可能にするツールが含まれている[8]。
Jiraには次の製品がある[9]。
Jira Align
編集- 戦略的なプロダクトマネジメントを目的としている。
Jira Product Discovery[BETA]
編集- チームが製品ディスカバリーの拠点となることを目的としている。
Jira Service Management
編集- IT 運用またはビジネス サービス デスクによる使用を目的としている。
Jira Software
編集- アジャイルプロジェクト管理機能を含む基本ソフトウェアを提供する (以前の製品名は「Jira Agile」)。
Jira Work Management
編集ライセンス
編集アトラシアンはオープンソースプロジェクトや非営利組織、非政府組織、非学術組織、非商業組織、非政治組織、教区司祭に対してJiraを無償提供している[15]。また、ユーザーが10人以下の団体に対しても無償提供している[16]。
商用顧客は、すべてのソースコードを開発者ソースライセンスのもとに使用することができる[15]。Jiraバージョン3.13から[17]、非商用目的であればフリーパーソナルライセンスも使用できるようになった[18]。サーバー版ライセンスについては販売を終了しており、2024年までにサポートも完全に終了となる[19]。
アーキテクチャ
編集JiraはJavaで作成されており、Pico IoC、OFBizのエンジン全体やwebwork 1のテクノロジースタックにも利用されている。遠隔手続き呼出し(RPC) については、JiraはSOAP、XML RPC、JAVA-APIをサポートしている[20]。
SCMの統合
編集Jiraは、Subversion、CVS、Clearcase、Visual SourceSafe、Mercurial、Perforceなどのソースコントロールプログラム(またはソフトウェア構成管理 (SCM))を統合することができる。
多言語対応
編集Jiraは英語、日本語、ドイツ語、フランス語、スペイン語をサポートしている。
プラグインインフラストラクチャ
編集Jiraは、プラグインアーキテクチャや、Jira開発コミュニティやサードパーティにより開発された非常に多くのインテグレーションを持っている。開発者がアプリケーションをJiraにプラグインできるように、JiraのAPI[20]は拡張性のある設計がされている。
IDEの統合
編集Jiraは、アトラシアンIDEコネクタを用いて、EclipseやIntelliJ IDEAのような統合開発環境 (IDE) を統合することができる。
オープンソースプロジェクトにおける採用
編集JBoss[21]、Spring Framework[22]、OpenSymphony[23]、Fedora Commons[24]、Codehaus XFire[25]など多くの開発者グループがプロジェクトにJiraを採用している[26]。
採用に際しての考慮
編集Apache Software FoundationはJiraとBugzillaを使用している[27]。Bugzillaを使用しているプロジェクトはいつでもJiraへ移行できるようになっており、その判断は各プロジェクトに委ねられている[28]。
2006年10月の評価において、Pythonプログラミング言語の公式ウェブサイトであるPython.orgは[29]、SourceForgeから、代替システムとして提案されたLaunchpad、Jira、Roundup、Tracなど別の課題管理システムへの移行を検討した。検討の結果、Roundupを採用するという結果になった[30]。
2007年に、EclipseコミュニティはBugzillaの代わりにJiraを使用することを検討したが、移行はコストが発生する上、利点が見つからず、またJiraはオープンソースソフトウェアではないので、交換は実施しなかった[31]。
脚注
編集- ^ “日本語では「Jira」をどう発音するのか | Atlassian Japan 公式ブログ | アトラシアン株式会社”. www.atlassian.com (2020年5月14日). 2025年3月5日閲覧。
- ^ “What does JIRA mean?”. 2017年2月18日閲覧。
- ^ “Is it "JIRA" or "Jira"?”. 2024年3月16日閲覧。
- ^ “Customers”. Atlassian.com official website. 2020年12月2日閲覧。
- ^ “Fedora Repository Project”. en:DuraSpace. 2014年1月28日閲覧。
- ^ “Hibernate Home page”. 2018年5月10日閲覧。
- ^ “Issues.Apache.org”. The Apache Software Foundation. 2011年9月15日閲覧。
- ^ “ApacheJira”. Apache.org. 2008年9月25日閲覧。
- ^ “製品”. Atlassian.com official website. 2022年9月16日閲覧。
- ^ “Jira Work Management”. Atlassian.com. 2022年9月16日閲覧。
- ^ “「Jira Work Management」は「Jira Software」と何が違う?”. INTERNET Watch. 2022年9月16日閲覧。
- ^ “開発者だけじゃない、営業や総務でも使える「Jira Work Management」とは?”. internet.watch.impress.co.jp. 2022年9月27日閲覧。
- ^ “Jira Work Management announced at Atlassian Team’21”. clearvision-cm.com. 2022年9月27日閲覧。
- ^ “Introducing Jira Work Management”. atlassian.com (2021年4月28日). 2022年10月5日閲覧。
- ^ a b “JIRA: Licensing and Pricing”. Atlassian. 2009年1月5日閲覧。
- ^ “Jira の価格:1 ユーザーあたりの月間/年間サブスクリプション料金”. 2024年3月16日閲覧。
- ^ “Let's get personal... JIRA and Confluence Personal Licenses”. Atlassian (2008年9月23日). 2009年5月25日閲覧。
- ^ “Personal License”. Atlassian. 2008年9月25日閲覧。
- ^ Atlassian. “アトラシアンのクラウド ファースト モデルがご利用環境にもたらすもの”. Atlassian. 2021年2月10日閲覧。
- ^ a b JIRA Java API
- ^ http://jira.jboss.org/
- ^ http://jira.springframework.org/
- ^ http://jira.opensymphony.com/
- ^ https://fedora-commons.org/jira/
- ^ http://jira.codehaus.org/
- ^ “JIRA Pricing”. Atlassian. 2008年9月25日閲覧。
- ^ http://issues.apache.org/
- ^ “ApacheJira”. 2008年9月25日閲覧。
- ^ Cannon, Brett (3 October 2006). "PSF Infrastructure Committee's recommendation for a new issue tracker". python-dev (Mailing list).
- ^ Cannon, Brett (20 October 2006). "PSF Infrastructure has chosen Roundup as the issue tracker for Python development". python-list (Mailing list).
- ^ "Bug 182067: Migrate bug track system to JIRA". Eclipse Bugzilla (Mailing list). 12 April 2007.