Hadou
『Hadou』(ハドウ)は、日本の音楽ユニット・B'zのボーカリスト・稲葉浩志の4作目のオリジナル・アルバム。2010年8月18日にVERMILLION RECORDSから発売された。
『Hadou』 | ||||
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稲葉浩志 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 2005年 - 2010年 | |||
ジャンル | ||||
時間 | ||||
レーベル | VERMILLION RECORDS | |||
プロデュース | 稲葉浩志 | |||
チャート最高順位 | ||||
稲葉浩志 アルバム 年表 | ||||
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『Hadou』収録のシングル | ||||
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概要
編集前作『Peace Of Mind』から約6年ぶりとなるオリジナル・アルバム。
本作には先行シングル「Okay」の他、TBS系『NEWS23クロス』のエンディングテーマに起用された「この手をとって走り出して」や、2006年に放送された読売テレビ・日本テレビ系アニメ『結界師』エンディングテーマとして発表されたままCD化されていなかった「赤い糸」など、全15曲を収録[2]。初回限定盤には、これまで発表されたソロ作品のミュージック・ビデオ全11曲を収録したDVDが付属されている[1][4]。
アルバムタイトルの『Hadou』は「波動」を意味し、「目の前にいる人じゃなくて、遠くにいる人、自分の思っている人と波動でつながっている」が本作のテーマ。元々「Hadou」というタイトルは、3曲目収録「The Morning Call」の仮タイトルだった(歌詞に「波動」というフレーズも入っている)[5]。アルバムタイトルがなかなか決まらなかったことと、3曲目を「Hadou」というタイトルに決めかねていたこととが合わさり、現在に至った。また、漢字ではなくローマ字表記になったのは、漢字にすると最初に「波動」というイメージが固まることを嫌ったから、とのこと。
稲葉はリリースの5年前からB'zの活動の合間を縫って自宅のスタジオにアレンジャーの寺地秀行を度々招き、リリースなども考えずに思いついたままに少しずつ曲作りを行っていた。稲葉曰く、この期間に作成した楽曲は、未編曲の楽曲やデモ楽曲を含めると、32曲に及んだとのこと。また未発表ではあるがカバー曲も制作したという(ゾンビーズなど)。ほとんどの楽曲に歌詞は付けられていなかったが、稲葉は2009年の正月辺りからリリースを意識し、歌詞を書き始めた。2004年に開催された初のソロ・ツアー『Inaba Koshi LIVE 2004 〜en〜』の経験を経て、無意識ではあるがライブでの絵も想像しながら制作をしたという[6]。
発売初週で12.7万枚の売上を記録し、8月30日のオリコン週間アルバムランキングにて1stアルバム『マグマ』から4作連続での初登場首位を獲得[7]。これにより、稲葉は1990年代、2000年代、2010年代の「3年代連続オリジナル・アルバム1位」の記録を達成した。これは、サザンオールスターズ、徳永英明、SMAPに続き4組目の達成である[注 1]。
収録曲
編集- CD
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- LOST (1:27)
- 絶対(的) (4:17)
- イントロが、打ち込みによるエレクトリック・シタールとなっている。この部分は、元々エレクトリックピアノであったが、音が丸過ぎたので変更したのだと言う。エンディング部分は、レコーディングメンバーの演奏が止まらず長く続けた感じになったという。[要出典]
- 当初は「的」についている“()”を外すつもりだったが、最終的に“()”を生かした。[要出典]
- The Morning Call (4:02)
- Okay (5:16)
- アルバムの先行シングル。デモの段階からシングル候補であった。[要出典]
- Lone Pine (4:39)
- エデン (4:21)
- 8ビートで構成される楽曲。稲葉曰く、「『絶対(的)』にも通じる、とても好きな楽曲。特にサビのコードが好きである」とのこと。[要出典]
- CAGE FIGHT (3:52)
- 宇浦冴香に提供した楽曲「友達以上恋人未満」のセルフカバー。なお原曲は稲葉の作詞ではないため、自身で詞を書き直した[8]。
- タイトルのCAGE FIGHT(ケージ・ファイト)とは、金網に囲われた舞台の中で行われる格闘技の事。街が檻の中に見えてしまうような、かなり参っている精神状態の人を歌詞のテーマにしている。この事について、稲葉は「自分でもそういう事があるし、現代にはそういう人がものすごく多いと思う。それを前向きにというか。タイトルのCAGE FIGHTという言葉は僕の中ではとても明るい言葉なんです。ファイトしている感じ。格闘技とか見ていると前向きじゃないですか?それで解決するとは言わないけれども、そういう姿勢もアリなのではないかと思う。」と語っている。[要出典]
- この曲のスライドギターは大賀でロサンゼルスでレコーディングする前に、東京で録ったという。[要出典]
- 今宵キミト (4:31)
- この手をとって走り出して (5:34)
- 去りゆく人へ (4:24)
- 不死鳥 (3:58)
- 稲葉曰く、この楽曲のピアノ(打ち込み)とアコースティックギターのマッチングがお気に入りとのこと。[要出典]
- 2010年に行われたライブツアー『Koshi Inaba LIVE 2010 〜enII〜』では、この曲以外の全ての楽曲が演奏され、本曲のみ未演奏だったが『Koshi Inaba LIVE 2016 〜enIII〜』 で演奏され、本アルバムの収録曲は全てライブで演奏された。
- 主人公 (3:53)
- 稲葉自身が、「稲葉ソロっぽい」と評する曲。[要出典]
- リトルボーイ (3:27)
- 赤い糸 (2:42)
- イタイケな太陽 (7:17)
- 2005年辺りに制作された、本作では最も古い楽曲だが、間奏やエンディングの部分はレコーディングの最後の最後に変えていったという。稲葉自身も認める、ソロ作品の中ではかなりハツラツ系の楽曲。2010年のライブではアンコールラストナンバーとなった。[要出典]
- 曲の終了後、長い無音の後に隠しトラックが収録され、ライブ終了後にSEとして流された。アコースティックとハンドクラップのみの伴奏という非常にシンプルかつ2コーラスのみの短い楽曲で、タイトルは不明。トラックが分かれておらず「イタイケな太陽」に含まれているため、JASRACなどへのタイトルの届出などもされていない。なお、CDのみ収録されており配信音源には収録されていない。
- DVD (初回限定盤のみ)
- 以下の楽曲のミュージック・ビデオを収録。
タイアップ
編集参加ミュージシャン
編集- 稲葉浩志:ボーカル、全曲作詞・作曲・編曲、アコースティックギター(#2.6.11.12.14.15)、ブルースハープ(#5)
- 寺地秀行:全曲編曲
- シェーン・ガラース:ドラム(#1-13.15)、シェイカー(#12)
- スティーヴィー・サラス:ギター(#4)、エレクトリックギター(#6.7.12.15)
- ラファエル・モレイラ:ギター(#1.3.8-10)、エレクトリックギター(#2.5.11.13)
- ジャラ・ハリス:ベース(#4.6.7.15)
- コリー・マコーミック:ベース(#2.3.5.8-11.13)
- 小野塚晃:ピアノ(#3.9)、オルガン(#10)
- 林こずえ:ストリングス(#5.9.11)、ヴァイオリン(#13)
- Lime Ladies Orchestra:ストリングス(#5.9.11)
- 大賀好修:スライドギター(#7.15)、アコースティックギター(#13)
- 勝田一樹:サックス(#8)
- 栗原尚子:ヴァイオリン(#13)
- 三品芽生:ヴィオラ(#13)
- 島津由美:チェロ(#13.14)
- 上石統:トランペット(#13)
- 渡辺ファイアー:アルトサックス(#13)
- 東條あずさ:トロンボーン(#13)
- 武田和大:バリトンサックス(#13)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b “稲葉浩志、アルバム『Hadou』は8月18日発売”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2010年7月1日) 2020年1月2日閲覧。
- ^ a b “B’z稲葉浩志、ソロアルバム4作連続首位”. ORICON NEWS (オリコン). (2010年8月24日) 2020年1月2日閲覧。
- ^ “オリコン年間 アルバムランキング 2010年度 31〜40位”. インプレス (2010年). 2019年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月12日閲覧。
- ^ “稲葉浩志、ソロアルバム初回盤は過去のPV満載DVD付き”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2010年7月1日) 2020年1月2日閲覧。
- ^ 稲葉浩志『稲葉浩志 伝えつながる波動のように』(インタビュアー:能地祐子)、ヤフー株式会社、2010年8月17日。オリジナルの2021年11月8日時点におけるアーカイブ 。2021年11月8日閲覧。
- ^ 稲葉浩志『稲葉浩志 伝えつながる波動のように』(インタビュアー:能地祐子)、ヤフー株式会社、2010年8月17日。オリジナルの2021年11月8日時点におけるアーカイブ 。2021年11月8日閲覧。
- ^ “B'z稲葉浩志、ソロアルバム4作連続首位”. ORICON NEWS (オリコン). (2010年8月24日) 2020年2月8日閲覧。
- ^ a b 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories II』エムアールエム、2013年、201頁。
- ^ “B'z稲葉浩志、作品提供と新曲リリースを発表!”. ORICON NEWS (オリコン株式会社). (2006年10月2日) 2023年4月7日閲覧。