FIFAクラブワールドカップ2021
FIFAクラブワールドカップ2021(英: FIFA Club World Cup 2021)は、2022年2月3日から2月12日にかけて、アラブ首長国連邦(UAE)で開催された18回目のFIFAクラブワールドカップである。
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大会概要 | |
開催国 | アラブ首長国連邦 |
日程 | 2022年2月3日 - 2月12日 |
チーム数 | 7 (6連盟) |
開催地数 | 2 (1都市) |
大会結果 | |
優勝 | チェルシー (1回目) |
準優勝 | パルメイラス |
3位 | アル・アハリ |
4位 | アル・ヒラル |
大会統計 | |
試合数 | 8試合 |
ゴール数 |
27点 (1試合平均 3.38点) |
総入場者数 |
100,752人 (1試合平均 12,594人) |
得点王 |
ロメル・ルカク ハファエウ・ヴェイガ ヤセル・イブラヒム アブドゥライ・ディアビ(2点) |
最優秀選手 | チアゴ・シウバ |
< 20202022 > |
当初は2021年6月17日から7月4日にかけて24チームが参加する新方式により中国で開催予定だった[1]が、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 感染拡大によるUEFA EURO 2020およびコパ・アメリカ2020の2021年への開催延期に伴い、2020年3月18日に電話によるFIFAの臨時理事会により同大会の開催延期が決定[2]。
2020年12月4日のFIFA評議会により開催地を中国から日本に変更し、従来の7チーム(6大陸連盟代表+開催地代表)によるノックアウトトーナメント方式に戻して開催することが決定し[3]、更に2021年3月19日にFIFAの理事会が行われ、大会の日程が12月9日から12月19日に行われる事が決まった[4]。しかし、新型コロナウイルスの感染状況およびそれに伴う開催条件を考慮した結果、日本サッカー協会が2021年9月9日に日本での開催を返上することでFIFAと合意したと発表した[5]。その後の2021年10月20日にFIFAは、当大会を2022年初頭にアラブ首長国連邦で開催すると発表した[6]。
概要
編集2016年に国際サッカー連盟(FIFA)の会長ジャンニ・インファンティーノは、2019年大会において32チームが参加して行われる案を出したが[7]、しかしその後2021年からコンフェデ杯を廃止し、4年ごとの開催、24チームが参加することを提案[8]。
2019年3月にアメリカ・マイアミで行われたFIFA評議会でインファンティーノの提案を賛成多数で承認した[9][10][11]。しかし欧州クラブ協会は当大会の大幅変更は、すでに2024年まで決まっていたFIFA国際大会カレンダーを十分な協議なしに変更したものとして反対、本大会のボイコットの可能性も表明している[10]。しかし新型コロナウイルスの世界的大流行でUEFA EURO 2020とコパ・アメリカ2020が1年延期され開催困難となったため、FIFAは2021年、2022年または2023年の後半に延期すると示唆した。その後、FIFA評議会において大会方式の(従来方式への)再変更と開催地の日本への変更が決定した[3]。
2021年9月8日に記者会見を行った日本サッカー協会会長の田嶋幸三が、新型コロナウイルス感染防止への配慮や観客制限による不採算を理由に開催権を返上する前提でFIFAと協議中であると明らかにし[12]、翌9月9日に日本サッカー協会がFIFAとの間で日本開催について返上したことで合意したと発表した[5]。
その後、開催地をアラブ首長国連邦に変更した上で2022年2月4日に開幕し、同月12日まで行われる[6][13]。なお、開幕日の4日には中華人民共和国にて北京冬季オリンピックが同月20日までの日程で行われるため、国際スポーツ大会の日程が重なる事態となった[14]。
当初予定されていた形式
編集前述のとおり、FIFAクラブワールドカップは今大会から24チームによる対戦が想定されていた。大陸連盟ごとの出場枠は、ヨーロッパ(UEFA)が最大で8枠、南米(CONMEBOL)が6枠、アジア(AFC)が3枠などとなる[1]。詳細は以下の通り[15]。
- ヨーロッパ(UEFA):8枠
- 2018年 - 2021年のUEFAチャンピオンズリーグならびにUEFAヨーロッパリーグ優勝チームが出場することを原則とするが、UEFAが1か国あたりの出場チーム数を制限する可能性がある。また、上記の大会で複数回優勝したチームがあった場合は、UEFAチャンピオンズリーグの準優勝チームのうち直近の年度のチームから優先して補充する。
- 南米(CONMEBOL):6枠
- うち4チームは、2019年 - 2020年のコパ・リベルタドーレスならびにコパ・スダメリカーナの優勝チームが出場することを原則とする。その他の詳細は未定。
- アジア(AFC):2.5枠[16][注釈 1]
- AFCチャンピオンズリーグ2020の決勝進出チームは自動的に出場権。準決勝の敗者同士による3位決定戦を行い,勝者は最終プレーオフに進出。ただし1か国あたりの出場チームは最大2チームに制限される見込みで、優勝チーム・準優勝チームの所在国の重複によってはプレーオフ出場チームが変更されうる。
- 北中米カリブ海(CONCACAF):3枠
- 2021年のCONCACAFチャンピオンズリーグ決勝に進出した2チームに出場権が与えられるが、残る1チームについては未定。また1か国あたりの出場チームは最大2チームに制限される見込み。
- アフリカ(CAF):3枠
- 2021年のCAFチャンピオンズリーグ上位3チームに出場権が与えられる。ただし1か国あたりの出場チームは最大2チームに制限される見込み。
- オセアニア(OFC):0.5枠
- 開催国(中国):1枠[16][注釈 1]
- 2020年の国内リーグ(中国スーパーリーグ)優勝チームに出場権。中国のチームがAFCチャンピオンズリーグにより出場権を得る場合の扱いについてはわかっていない。
本大会ではAからH組までを3チームずつに分かれ、1位チームのみ準々決勝進出、準々決勝以降はノックアウト方式で行われる、という方式が予定されていた[9]。
出場クラブ
編集クラブ名 | 所在国 | 所在大陸 | 参加資格 | 回数 |
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アル・ヒラル | サウジアラビア | AFC | AFCチャンピオンズリーグ2021 優勝 | 2回目 |
アル・アハリ | エジプト | CAF | CAFチャンピオンズリーグ2020-21 優勝 | 7回目 |
モンテレイ | メキシコ | CONCACAF | CONCACAFチャンピオンズリーグ2021 優勝 | 5回目 |
パルメイラス | ブラジル | CONMEBOL | コパ・リベルタドーレス2021 優勝 | 2回目 |
ASピレー | タヒチ | OFC | OFC推薦[注釈 2] | 初出場 |
チェルシー | イングランド | UEFA | UEFAチャンピオンズリーグ2020-21 優勝 | 2回目 |
アル・ジャジーラ | アラブ首長国連邦 | AFC | UAEプロリーグ2020-21 優勝(開催国枠) | 2回目 |
会場
編集首都アブダビにある2つのスタジアムを使用する。どちらもAFCアジアカップ2019の会場として使用されたスタジアムである。
アブダビ | ||
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アル・ジャジーラ・ ムハンマド・ビン・ザーイド・スタジアム |
アール・ナヒヤーン・スタジアム | |
収容人員: 37,500 | 収容人員: 15,000 | |
結果
編集トーナメント表
編集プレーオフ | 準々決勝 | 準決勝 | 決勝 | |||||||||||
2月3日 - アブダビ | ||||||||||||||
アル・ジャジーラ | 4 | 2月6日 - アブダビ | ||||||||||||
ASピレー | 1 | アル・ヒラル | 6 | |||||||||||
2月9日 - アブダビ | ||||||||||||||
アル・ジャジーラ | 1 | |||||||||||||
アル・ヒラル | 0 | |||||||||||||
チェルシー | 1 | |||||||||||||
2月12日 - アブダビ | ||||||||||||||
チェルシー (aet) | 2 | |||||||||||||
2月5日 - アブダビ | ||||||||||||||
パルメイラス | 1 | |||||||||||||
アル・アハリ | 1 | |||||||||||||
2月8日 - アブダビ | ||||||||||||||
モンテレイ | 0 | |||||||||||||
パルメイラス | 2 | |||||||||||||
5位決定戦 | 3位決定戦 | |||||||||||||
アル・アハリ | 0 | |||||||||||||
モンテレイ | 3 | アル・ヒラル | 0 | |||||||||||
アル・ジャジーラ | 1 | アル・アハリ | 4 | |||||||||||
2月9日 - アブダビ | 2月12日 - アブダビ |
- 試合開始時刻はアラビア標準時 (UTC+3)。
プレーオフ (開幕戦)
編集準々決勝
編集5位決定戦
編集準決勝
編集3位決定戦
編集決勝
編集優勝クラブ
編集FIFAクラブワールドカップ 2021 優勝 |
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チェルシー 初優勝 |
順位
編集順 | クラブ名 | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 点 | 得 | 失 | 差 |
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1 | チェルシー | 2 | 2 | 0 | 0 | 6 | 3 | 1 | +2 |
2 | パルメイラス | 2 | 1 | 0 | 1 | 3 | 3 | 2 | +1 |
3 | アル・アハリ | 3 | 2 | 0 | 1 | 6 | 5 | 2 | +3 |
4 | アル・ヒラル | 3 | 1 | 0 | 2 | 3 | 6 | 6 | 0 |
5 | モンテレイ | 2 | 1 | 0 | 1 | 3 | 3 | 2 | +1 |
6 | アル・ジャジーラ | 3 | 1 | 0 | 2 | 3 | 6 | 10 | -4 |
7 | ASピレー | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 4 | -3 |
- PK戦で決着がついた試合は記録上引き分けとなる
得点ランキング
編集表彰
編集- FIFAフェアプレー賞: チェルシー
賞 | 受賞者 | 所属クラブ |
---|---|---|
ゴールデンボール | チアゴ・シウバ | チェルシー |
シルバーボール | ドゥドゥ | パルメイラス |
ブロンズボール | ダニーロ |
脚注
編集- ^ a b 当初[15]、アジアの出場枠は「AFCチャンピオンズリーグ2019ならびにAFCチャンピオンズリーグ2020の優勝チームならびに、両大会の準優勝チームによるプレーオフ勝者の合計3チームが自動的にクラブワールドカップに出場、開催国代表はオセアニアとのプレーオフに出場」と報じられていたが、アジアサッカー連盟が後日に異なる方式を発表した[16]。
- ^ 新型コロナウィルス感染症の影響で、OFCチャンピオンズリーグ 2021が中止となり[17]、2021年8月3日にOFCが2016年から2020年までの各OFCチャンピオンズリーグの最終順位を考慮した総合ランキングに基づいてオークランドシティFC( ニュージーランド)を選出した[18]。しかし2021年12月31日、新型コロナウィルス感染症に対するニュージーランドの国境再開の遅れと検疫措置強化を受け、FIFAクラブワールドカップ出場を辞退。OFCはその代替としてASピレーの推薦を決定した[19]
出典
編集- ^ a b 「サッカークラブW杯、21年は中国で 新方式で24チーム出場」『日本経済新聞』2019年10月24日。2019年10月24日閲覧。
- ^ 岡田浩幸 (2020年3月19日). “サッカークラブW杯延期…来年6~7月に中国で開催予定”. 読売新聞オンライン 2020年3月22日閲覧。
- ^ a b “FIFA Council passes landmark reforms for female players and coaches, agrees further steps in COVID-19 response”. FIFA. (4 December 2020) 4 December 2020閲覧。
- ^ “2021年度 第4回理事会を開催”. 日本サッカー協会 (2021年4月9日). 2021年4月9日閲覧。
- ^ a b 『FIFAクラブワールドカップ2021について』(プレスリリース)日本サッカー協会、2021年9月9日 。2021年9月9日閲覧。
- ^ a b “サッカー=クラブW杯、来年初にUAEで開催 日本返上受け”. ロイター (2021年10月21日). 2021年10月22日閲覧。
- ^ “FIFA boss suggests 32-team Club World Cup in 2019”. CBC Sports. AP (CBC). (18 November 2016) 14 December 2017閲覧。
- ^ “FIFA considering 24-team Club World Cup to be played in summer”. AP. ESPN. (31 October 2017) 14 December 2017閲覧。
- ^ a b “FIFA Council votes for the introduction of a revamped FIFA Club World Cup”. (15 March 2019) 15 March 2019閲覧。
- ^ a b “Fifa Club World Cup: Revised tournament approved despite top European clubs saying they will boycott”. British Broadcasting Corporation. (15 March 2019) 16 March 2019閲覧。
- ^ Harris, Rob (13 March 2019). “FIFA wants 24-team Club World Cup in 2021”. Associated Press 16 March 2019閲覧。
- ^ “クラブW杯日本開催返上、田嶋会長「FIFAと協議」”. 日本経済新聞. (2021年9月8日) 2021年9月9日閲覧。
- ^ “サッカーのクラブW杯が開幕 アルジャジーラが快勝”. 共同通信 (2022年2月4日). 2022年2月5日閲覧。
- ^ “北京冬季オリンピックの競技日程を発表”. AFP通信 (2022年1月31日). 2022年2月5日閲覧。
- ^ a b Rob Harris (2019年10月24日). “FIFA inviting some non-champions to enlarged Club World Cup”. AP通信. 2019年11月25日閲覧。
- ^ a b c “AFC Executive Committee enhances future AFC Asian Cups”. アジアサッカー連盟 (2019年12月1日). 2020年1月17日閲覧。
- ^ “OFC competitions calendar rescheduled”. Oceania Football Confederation (4 June 2021). 2022年2月4日閲覧。
- ^ “Auckland City nominated for the FIFA Club World Cup 2021”. Oceania Football Confederation (3 August 2021). 2022年2月4日閲覧。
- ^ “FIFA statement on OFC representative at the FIFA Club World Cup UAE 2021™”. Fédération Internationale de Football Association (31 December 2021). 2022年2月4日閲覧。
- ^ “Al Jazira vs. AS Pirae”. FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (3 February 2022). 3 February 2022閲覧。
- ^ “Al Ahly vs. Monterrey”. FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (5 February 2022). 5 February 2022閲覧。
- ^ “Al Hilal vs. Al Jazira”. FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (6 February 2022). 6 February 2022閲覧。
- ^ “Monterrey vs. Al Jazira”. FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (9 February 2022). 9 February 2022閲覧。
- ^ “Palmeiras vs. Al Ahly”. FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (8 February 2022). 8 February 2022閲覧。
- ^ “Al Hilal vs. Chelsea”. FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (9 February 2022). 9 February 2022閲覧。
- ^ “Al Hilal vs. Al Ahly”. FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (12 February 2022). 12 February 2022閲覧。
- ^ “Chelsea vs. Palmeiras”. FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (12 February 2022). 12 February 2022閲覧。