DB-LK (航空機)
ベリヤエフ DB-LK (Belyayev DB-LK :Dahl'niy Bombardirovshchik-LK – 長距離爆撃機–全翼機)は、1939年にソビエト連邦で設計/製造された爆撃機である。
開発
編集ヴィクトル・ニコライヴィッチ・ベリヤエフ(Viktor Nikolayevich Belyayev)はTsAGI、AVIAVnito、アエロフロート航空、OMOS、AGOS、KOSOSとツポレフ設計局といった組織で経験を積んだ。1920年からは全翼機形式を含む数機のグライダーを製作し、1934年には2つの双胴の胴体内に各々10名の乗客を収容できる旅客機を設計した。
ベリヤエフは、DB-LKで非常に長い翼弦を持つ中央翼の両側に短い胴体と5度42分の前進角を持ちテーパーのかかった外翼部を備えた双胴形式の機体であった。外翼は7:1の割合で先端部が折れ曲がっていた。細身の中央ブームについた大型の垂直尾翼と方向舵には、小さな水平尾翼と非常に大きな昇降舵を備えていた。
機体はアルミニウム合金製外皮で覆われた5本桁の主翼に軽合金製応力外皮構造であった。各々の胴体には深いカウリングに覆われたM-88を1基ずつ備え、これで3枚ブレードのVISh-23Dプロペラを駆動した。同様にパイロット/航法士と通信士/銃手は広範囲に窓が設けられた双方の胴体に搭乗した。外翼にはスラット、補助翼、45度のザップフラップ、折れ曲がった翼端部にも小さな補助翼を備えていた。引き込み式の降着装置は、各胴体のエンジン後方に主脚が、尾翼の基部に尾輪があった。
飛行試験を開始する前にテストパイロットの(M.A. Nyukhtikov)は、通常の形式とは異なるDB-LKの操作性を探るために幾度も高速でのタクシングを行い、このうちの1回の試験では脚柱が折りたたまれてしまった。飛行試験は1940年初めに行われて良好な性能を発揮したが、重心点の変化には非常に敏感であった。量産は認可されなかった。
要目 (DB-LK)
編集出典: Gunston, Bill. "Encyclopaedia of Russian Aircraft 1875–1995". London:Osprey. 1995. ISBN 1-85532-405-9
諸元
- 乗員: 4
- 全長: 9.78 m (32 ft 1 in)
- 全高: 3.65 m (11 ft 11¾ in)
- 翼幅: 21.6 m(70 ft 10½ in)
- 翼面積: 56.87 m2 (612 ft2)
- 空虚重量: 6,004 kg (13,236 lb)
- 運用時重量: 10,672 kg (23,528 lb)
- 動力: ツマンスキー M-88 空冷 14気筒星型エンジン、708.41/745.7 kW (950/1,000 hp) × 2
性能
- 最大速度: 488 km/h 303 mph
- 航続距離: 2,900 km 1,800 miles
- 実用上昇限度: 8,500 m (27,890 ft)
- 上昇率: 6.15 m/s (1,210 ft/min)
武装
- 固定武装: 4 × 7.62mm ShKAS機関銃;各テールコーンに2丁。
2 × 7.62mm ShKAS機関銃; 中央翼前縁に前方固定。
関連項目
編集出典
編集- Gunston, Bill. “The Osprey Encyclopaedia of Russian Aircraft 1875–1995”. London, Osprey. 1995. ISBN 1-85532-405-9