『EACH TIME』[2]発表時、収録時間やカッティング技術の問題、構成上の理由から収録できなかった「Bachelor Girl」と「フィヨルドの少女」を追加収録し、収録曲も曲順が一部変更された完全盤。アナログ盤は収録時間の関係上、「レイクサイド・ストーリー」がフェイドアウト・バージョンに差し替えられた以外はオリジナル盤のマスターが使われたが、それでも50分12秒というナイアガラ・レーベルの諸作品の中で最も長い収録時間となり、また初の長時間録音盤となった。そのためカッティング・レベルが通常より低くなっている。また、CDは『EACH TIME SINGLE VOX』[3]のマスターに2曲追加となり、楽曲の長さや構成が異なる。
短期間で市場から姿を消したこと、オリジナル版『EACH TIME』が再発(1989年版、1991年のCD選書)されたことから、レアアイテムの一つとなっている。なお、『Complete EACH TIME』と同じ収録曲のものに「魔法の瞳」以外の楽曲でオリジナル盤のマスターを使用し、ボーナス・トラックを追加収録したものが『EACH TIME 20th Anniversary Edition』[4]となる。
CDではイントロ部分を始めとして楽器がやや少なめに構成され、間奏のサックス・ソロが別テイクに差し代わっているバージョンを収録。このバージョンは後に『B-EACH TIME L-ONG』にも使用されている。
Bachelor Girl
アルバム初収録曲。大滝は当時「Bachelorという単語がGirlに付くのはおかしい(Bachelorは「独身の男性」を指す)」という指摘を受け、『EACH TIME』への収録が見送られた。その後、過去に事例があることがわかり、大滝が稲垣潤一のカバーを提案し、そのバージョンが先に発表される形となった。追って大滝の『B-EACH TIME L-ONG』に収録された。本アルバムでは、シングル・バージョン(イントロにSEがあり、エンディングがフェードアウト)で収録されている。
魔法の瞳
CDでは『EACH TIME SINGLE VOX』と同じ歌詞が加筆されているロング・バージョンを収録。このバージョンはその後20周年盤に収録されている(1989年盤には収録されず、1991年盤はオリジナル・バージョンを収録)。
木の葉のスケッチ
CDではエンディングがフェイド・アウトせずに終わる。
恋のナックルボール
エンディングのSEが終わった後、大滝の「まぁ、割り合い良かったな」のあるバージョンだが、その前にあるドゥーワップ・コーラスは『EACH TIME SINGLE VOX』では4回繰り返すが、本作では2回繰り返しバージョン、更に『EACH TIME 40th Anniversary Edition』では2回繰り返した後、バックトラックのみ2回繰り返すバージョンで収録されている。